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2015年10月 8日


臨床写真を整理していたら、以前治療したある補綴ケースにラボワークも記録があった事を思い出しました。ここでは技工過程の画像も示します。手間のかかる技工過程の概略を知ってその価値をご理解頂くための参考になれば幸いです。
よく患者さんからこういったセラミック冠の価値や値段の根拠が解らないと仰る方が多いので、このような簡単な画像だけですが、ご理解頂けたらと思います。

◎簡単に症例の解説:


この患者さんは30代の女性で主に上顎前歯部と未治療のう蝕病巣による審美障害を主訴に来院されました。

術前前歯部.jpg


上顎左側側切歯は失活(歯髄が死んだ)していたので歯内療法(根管治療⇒支台築造)を行いました。
上顎左側中切歯はレジン冠(辺縁部で不適合)が装着されていました。
また上顎右側中切歯と側切歯は不良なコンポジットレジン充填が成されていました。

OY術前.jpg

上の五枚の画像が口腔内の全体像です。
臼歯部では古い充填物が幾本か咬合面に認められます。
また歯冠部に黒いう蝕病巣が治療しないまま放置されていました。


◎技工過程 :


歯周病治療を済ませて、歯周組織の良い状態になったら、前歯部の補綴のためにシリコン系(ポリシロキサン)親水性精密印象剤で印象を取りました。
この印象に石膏を流し込み技工のための上下顎作業模型を作製して咬合器と呼ばれる機械にマウントして技工作業が始まります。


作業模型(ブログ).jpg

上の画像が作業模型を咬合器にマウントした後の状態のアップ画像です。
写真では写っていませんが咬合器上で口の中と同じ噛み合わせで咬合運動を再現して技工物を作製します。


技工過程1.jpg


前歯部の形成された部分は個別に4つのダイ模型(細い模型)で各々にフィットする赤いワックス製の冠を作ります(ワックスのカタチが金属に置き換わります)。

今回はこれら四つの金属冠に陶材を七宝細工と同様に焼き付けて作製します。
冠作製のためにワックスで外形を作り⇒これを鋳造して金属冠を作ります。

⇒まず金属色を遮断する層(オフホワイトの層)を金属に塗布しています

⇒その上に象牙質やエナメル質に該当する透明度や質感を得る為の専用の陶材を筆で盛り上げてゆきます。
 *セラミックの歯は単調な白い歯ということではなく、解剖学的な層も意識してより本物の歯に近い質感まで出来るだけ近い状態に作製しています。この点が通常の仮歯等との質感の面で全く異なる理由です。

*ただ焼き上げるまでは最終的な色や質感は出ていません(技工士さんはそれが予想出来る)

⇒陶材を盛り上げたモノを炉に入れて焼きます。焼き上げると最初はつや消し状態の白い歯が出来てきます。

⇒更に表面の形態等を付与して再度焼き上げます

⇒艶の出たセラモメタル冠が出来上がります。

⇒セラモメタル冠の裏側は今回は先端側1/3はセラミックでより歯肉側の2/3は金属を残して下顎前歯と金属部で咬合してセラミックの破折を防止する安全なメタルフレームの設計にしました。


◎補綴治療完了


術後前歯.jpg

作製したセラモメタルクラウンをセメントで合着した後、前歯部は美しく健康的な状態です。


OY術前術後白バック.jpg


術前と術後の比較で、主訴の審美障害の治療が達成されたことが解ります。

また今回は黒いう蝕病巣は全てコンポジットレジン(CR)でキレイに修復治療しています。
現在の歯科材料学的レベルからいえば、深在う蝕でも適切な処理をすれば、全く充填処置されたように見えない美しい修復が可能です。

CRでキレイに修復できるのなら積極的にCR充填でう蝕治療して、いわゆるオーバートリートメントにならないコストパフォーマンスが良い適切で低侵襲のう蝕治療が可能です。

もちろんう蝕病巣がある歯にクラウンを装着する事も可能ですが、治療費や機械的侵襲の大きさが適切な治療根拠をオーバーする⇒過剰診療になり得るので、可能な限り侵襲が少なく治療費も節約できて合理的です。

このケースは上顎4前歯以外はCR充填を利用して主訴の審美障害を解決できました。


◎補綴治療は総合的なバランスの良い治療が求められる

 昨今、歯科界は自費治療のネタとして軽薄な程「審美歯科」という造語を多用して患者が望む美容志向に迎合した治療方針で安易に補綴治療する傾向があります
この点には、患者さんの側で注意が必要です。

初診患者の過去の治療に歯周病や歯内療法を適切にしないでセラミック系補綴物だけ装着されている気の毒な症例に度々遭遇しています。

そういった軽薄な治療行為で最も多い問題が歯内療法の不良で歯肉が腫れて来院するケースです。不必要な抜髄で感染根管を歯科医が作ってしまったケースが殆どです(医原性疾患)。

また、未だに日本の歯科医は前歯部補綴は抜髄(神経を抜いて)してから行わなければいけないと間違った考え方をする先生が多いのが現状です。
たぶん、保存関連で正しく勉強をしていない先生達だと思います。歯科医の現状を知らない患者さんが被害を被っていることを知り皆さんは良い先生に受診すべきです。

私は、目に見えない箇所の治療(歯内療法・歯周病治療)をシッカリやることを信条に上の様な概念を大切に治療しています。
私のオフィスでは安心出来る補綴治療で治療のし直しをお受けしています。


お問い合わせは麴町アベニューデンタルオフィスまで!


 

 


 

 

 

 


 

 


 


 


 


 

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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。