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2018年9月 4日

   

 
   先日,ある歯科医院でトンネリング処置をしてもらったが、芳しくないので診て欲しいという主訴でカウンセリングのために患者さんにご来院頂きました。

トンネル0-1.jpg

レントゲン像では下顎右側第一大臼歯に根分岐部病変がある事が解りますが,二次元のレントゲン画像では、骨欠損が顕著な部位が確認出来るところは殆どありません。しかし全顎的プロ-ビングでは出血が顕著で、歯周病のコントロールが不充分だと解りました。ポケットは4mm程度の箇所が多いようで全顎的には中等度の歯周病です.歯肉縁下に歯石もあるようで,再度徹底した歯周病治療、すなわちスケーリング・ルートプレーニングSRP:ポケット内の手用キュレットによる機械的清掃)をすべきです.    

トンネリング箇所は、比較的最近オペしたようですが歯肉の腫脹と排膿を認めます(患者さんの不信感はこの部分です)。これは、歯周病由来ではない原因、すなわち根尖病巣(以下の画像参照)に由来する腫脹や排膿だと解りました。 

患者さんは担当医が、この部位のレントゲンを映さなかったので観ていなかったようで,根尖病巣があるのを初めて知ったと患者さんは語っていました。
根管治療や太い築造をしたのがこの担当医だったのか否かは解りませんが,これは定かではありませんがむしろ担当医はトンネリングの正当性が揺らぐので根尖病巣の存在を知られたくなかったのかも知れません。
とにかくこの部位の歯肉の症状は歯周病ではない根尖病巣が原因だと患者さんへ説明できました。


トンネル1-1.jpg


○トンネリングとは:

トンネリング:大臼歯部の歯根と歯根の間(分岐部)に出来る細菌が増殖し得る歯槽骨が破壊されたレントゲン上では暗く写る空間を根分岐部病変と呼びますが,この部分を歯肉縁下に放置すれば、そのまま細菌の温床となり歯周病を助長することになるため、この根分岐部を清掃可能な清掃可能域にすることが是非必要で歯間ブラシで清掃可能な形状にすることが、すなわちトンネリングです. 

歯周病治療ではこのような分岐部の解決方法がキーポイントになります。 正に歯周病治療の要とは臼歯部の根分岐部病変を克服する事です。

  ・参照にして下さい;
以前私が行った根分岐部処置法*です。これは,ほんの一例です。

トンネリングは大臼歯の根分岐部の入り口を歯肉縁上に出す事で、ここへ患者さんが歯間ブラシを挿入して清掃出来るように歯周外科処置を伴って物理的に根分岐部を丁度トンネル状に形成することをトンネリング(トンネル形成)と呼んでいます。

この症例では歯髄神経が抜髄された無髄歯にトンネル形成していますが、通常は歯髄神経が活きている有髄歯に行う分岐部処置法の一つです。

大臼歯の歯根の間が充分に大きな角度で開いている場合がトンネリングの適応症になります。 しかし最近はスウェーデンの歯周病専医は分岐部が根面う蝕になり易いので。トンネリング自体余り行わなくなりました。フッ素など使用しても、分岐部でのう蝕コントロールは難しいので気を付けるべきです。

また無髄歯の場合にはトンネリングではなく近心と遠心の2根を各々小臼歯のように分けてルートセパレーション することが多いと思います。

下顎は2根ですが、上顎大臼歯は3根なので、その内の1,2根を除去して清掃し易くする時もあります(前記リンク参照*)。

いずれにしても分岐部の処置は、歯周外科を伴う処置で多くは歯槽骨の修正や一部削除を伴うことが通常です。

余談ですが、トンネリング部位は、オペ時に歯間ブラシのような塊をトンネル内に挿入したまま、オペ後はペリオドンタルパックでカバーして数日間の初期の治癒を持ちます。
今回もそのような手術をしたのでしょうが、歯肉下の下地作りとしての骨整形も併せて適切に出来ていないと、直ぐにトンネルが塞がって閉じてしまいます。

またこの手術の成功は術者の見識や技量に依存します。 ちなみに舌側からの外科的なアプローチをしないで行われたようだと患者さんは言及していました(素人の患者さんの言は定かではありません)。

この症例の今後必要な処置は、全顎の再歯周病治療を徹底して行うこと.・口腔清掃の指導強化をすること・その上でより良い歯周病治療と管理を継続すべきでしょう。

そして下顎右側第一大臼歯は、太い支台築造が成されているので、再根管治療は不可能だと思います。高い確率でこの歯は抜歯になると思います。

抜歯後には、従来型の局部床義歯を装着できますが,今まで
治療した患者さんでは殆どが、片側大臼歯部(1,2歯)の局部床義歯は装着してくれていない場合が殆どで、やはり余り装着感が良くないようでしたが、もし同部位をそのままにしていても上顎の歯が挺出しても下顎は前方に運動するので干渉は生じません。よって、患者さんが気にしないのなら義歯やインプラントで無理に噛み合うように補綴しなくても良いと思います。  ・・・  こういった説明を患者さんにしました。

8020運動も第二小臼歯まで残すことを目標とした運動です。下顎右側大臼歯はなくても第二小臼歯まで右側では上下で咬合できるので一応及第だろうと説明しました。 


この患者さんは、カウンセリング以来来院はしていませんが、来院していただければ、暫間的には第一大臼歯部の排膿切開と抗生物質の投与で症状を抑えられます。

一応、根尖病巣は根治処置はできないので、最後は抜歯すべきだと思います。近い将来,抜歯が決意できた際に抜歯することでよいと思います。しかし口腔内全体の歯周病治療も徹底すれば,現在残存する歯の殆どは末永く保存出来ると思います。 そういった良い見込みがあるので,コノ患者さんには是非とも治療を続けて頂きたいとこころから薦めたいと思います。






























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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

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