映画「ツレがうつになりまして。」で現代病の克服を考える。判別が難しいメンタルな病と症状について。
◎鬱(うつ)は現代病です。
映画「ツレがうつになりまして。」が上映されると聞いて、現代らしいトピックだと私は思いました。こういったトコロに目を付けた監督や脚本家は流石です。
このブログ記事では、私には専門外のこと故に、難しい話は専門書や専門家のサイトにお任せすることと致します。簡単な身の回りの話や過去にあった患者さんの話など例にお話し致します。
鬱(うつ)といえば、身の回りにこの病を患った知り合いや患者さんが数名いらっしゃいます。
私の周りでも多いのですから、現代社会では余り珍しい病気ではないようです。
最近では、一部では特に隠すこともなく「いや〜ちょっとうつになっちゃってね」などと、言えるような社会になりつつあります。
社会が少しは成熟して、メンタルな病を理解するようになってきた傾向だと私は思います。
特に大きな会社では、幾名かそういった理由で休職されている方がいることをよく耳にするはずです。
◎周囲の人間の理解が一番大切です。
映画でもそうですが、患者さんの周囲(家族など)の理解が一番大切です。
これは、精神疾患のみならず他の病気も同様で、周囲の理解によって患者さんの回復や社会生活への順応や社会復帰が決まります。
特に比較的若い方の場合は社会復帰には気を配るべきです。一番迷惑なのは、家族など周囲が間違った認識で本人の意志に関係なく勝手に誤った判断をしてしまい復帰を阻止されてしまうことです。
病人の心理への無理解や関わったヒトの社会的バランスの欠如、すなわちより良い方法論が考えられない頭の悪いヒトが世の中には沢山います。
そういった場合には患者さんへは道を閉ざされたような絶望感を与えかねません。そういった病人の心理さえ理解できないようなことが一番困ることです。これは、医療従事者にも多く見受けられる事です。臨床心理が理解できない馬鹿な医師が日本の病院にも沢山います。
こういった点で日本は医療後進国です。
一般のヒトの場合は、特に、世の中で充分な仕事を通じた社会経験のない主婦や女性の場合には患者さんへは社会復帰の邪魔をする事にもなり得ます。これは根本的仕事に対する価値観の相違に因ります。
そのような女性の浅知惠は患者さんに迷惑をかけることになる場合があると周囲の男性諸君は心得るべきです。社会性を持って傍らにいる方々はサポートしてあげて下さい。
映画では、奥様のハルさんが、徐々に理解してゆき、ポジティブに夫婦で状況を受け入れることで克服してゆきます。このように心からの周囲の本当の理解が患者さん本人には一番の支えになります。
◎鬱(うつ)だけでなく他のメンタルなトラブル:LOH症候群など。鑑別は難しい
、2,3ヶ月前に、松本東日本震災復興担当大臣の暴言が大々的に報じられ、その奇妙な言動が注目され、非難もされました。これは、一種の「気分障害」だとも言われていますが...
重責で精神バランスを壊し鬱症状の1つとしての、暴言(気分障害)であると一部の専門家からコメントされました。とにかく、そういった状態の方にこのような要職は無理なので更迭された訳ですが、松本氏が病人であったとするならば、患者さんとして対応してあげなければいけません。
うつ症状では気力が無くなったといった、ネガティブな側面だけでなく、"色々な症状が表現されてしまうこともあります。
混同されやすい疾患の症状:
・メンタルなバランスの不調から派生する「気分障害」の症状
・いわゆる男の更年期障害(LOH症候群)の症状
・鬱病患者の言動や態度や症状
・内分泌系疾患による特異な症状
・認知症による症状
これ等↑は、一見すると見分けが付かない事もあります。
私は前の医院では、沢山のお年寄りの患者さんを診ていました。
数年間、患者さんとお付き合いすると色々な症状に遭遇することがあります。
多かったのは、明らかに認知症の初期症状の患者さんです。
>認知症では、初期症状でも多くは顔貌に良く現れます。
特に"眼"に現れます。魂が抜けたようなボンヤリした表情をされることが多いので、慣れてきたら認知症の初期症状はすぐに解るようになります。
また、一種の妄想が酷くなります。大抵は悪い事を言うことが多くなります。老人会で全くアリもしない事を吹聴して歩くご老人患者さんもいました。私まで迷惑を掛けられました。
ある患者さんに学校の先生をしていた方がいて、認知症初期の頃にあたかも本当のような作り話を近所のヒトに言いふらされて、私も困ったことがあります。
また、多くのヒトは真顔で元先生がおっしゃるので「そうなんですか」と納得されてしまうのでたちが悪いのです。
認知症で特徴的なことは、どちらかといいえば人間の持っている欲とか醜い側面のような"悪い性格"が露わになるところです。ex)嫁がご飯を食べさせてくれない。息子がお金を盗んだ。etc.
ご家族は、多くの場合はかなり症状が進んでも認知症に気づかない傾向があるようです。
私も患者さんが初期の認知症であることは解っていても、そのことをご家族にお伝えするとご家族は否定的で聞く耳を持たないことが多いため、特に交流が深い方以外にはご家族にお知らせすることは止めました。
しかし、高齢化が進む日本では今後ますます認知症が社会的に問題になることと思います。
またこんな事もありました。退職してすぐに診療にいらっしゃったある患者さんは、総義歯が出来上がって当初喜んでいたのですが、ある時に前歯の人工歯が外れて大騒ぎをしたことがありました。
「入れ歯の人工の歯は取れないものだ」
「パニックになった」といって大騒ぎをして、私はすぐに修理したのですが、「入れ歯の歯が取れたなど聞いたことがない」「入れ歯の歯は外れるはずはない」と勝手な事を常識だと延々と言って騒いだあげく、修理が出来てお帰り頂くよう説得して2時間ほどしてやっと帰ってくれたことがありました。
この時の異常性は、勝手に「入れ歯の歯は外れないモノだ」と決め付けて「直したからイイというモノではない」「直せばそれでイイとは変だろう」などと、正常な社会人が言わないような理屈を延々2時間もわめかれたところです。
LLOH症候群だとすれば凄い症状でした。少し早いように思いますが認知症初期のようにも思えなくもありません。
とにかく、専門家ではないので判別は出来ませんが、今後もこういった不可解な症状の患者さんは出てくるだろうと思います。