歯科臨床医の誠実さの現れ:ラバーダム防湿法を使うということ
◎歯科的知識がある患者さんが増えてきた。
この頃、お出で頂く患者さんには良く歯科医療のことを調べて来院される方が増えてきました。
歯科医師や歯科医院実さや安全性に対する姿勢が最も端的に表れるところが歯内療法の治療とラバーダム防湿法の使用有無です。日本の歯科医師の多くはルーティンでラバーダムを使用していません。
使用していない歯科医院は治療の信頼性や安全性の確保に関する
配慮に欠ける歯科医院であると認識しましょう。 これは世界の常識です。
あなたは配慮のない危ないそういった歯科医院に好んで通院しますか?
先日お越しになった患者さんは、数軒の歯科医院に電話をかけて確認したそうです。
「ラバーダムを使って根の治療していますか?」
ある医院では受付スタッフ(衛生士らしい)が出て「院長に確認しますのでお待ち下さい」と言われ、院長に替わったら「使いますよ。ご希望でしたらウチは使いますよ」と言われたと語っておりました。
すなわち、こういう医院では"使用していない"という意味です。でもこれが標準的な日本の医院の状況です。そういった歯科医院は色々と治療が危険だと考えて間違いはないと私は思います。
◎ラバーダム防湿法は術野の清潔域の確保のみならず器具の誤嚥防止など安全性にも必須
根の治療でラバーダムを使わない歯科医院へは絶対に行くな!
歯内療法では、根管内を汚染させないためににはまず必須です。
唾液や歯垢に術野が汚染されたまま治療をしているのが、一般的街の歯科医院の現実の姿です。
また、使用しないと予後が悪いだけでなくリーマーやファイルの誤嚥も含めて危険です。
医療事故を生じる可能性もあるため患者さんのみならず歯科医師にとっても一種の自殺行為に等しいのです。そんなことが解らないで対策をしていないのが歯科医師の大多数なのです。
しかし、「大丈夫だ」「使わないでも何も変わらないだろう」と考えるのでしょう。
こういった↑自分に都合の良い勝手な理由をどの分野でも平気で語るヒトが沢山います。
こういった歯科医師は正しい治療ステップを他の点でも割愛する傾向があるため、
その医院で行われる診療全般がイイ加減であることが懸念され、歯科医師の姿勢がオールラウンドにダメな可能性を疑います。
では、そういった歯科医院へあなたは喜んで通いますか?
実は年間,何例かのラバーダムをしないことに因るリーマーやファイルの誤嚥(誤って飲み込むこと)は正確には報告されていませんが潜在的に起きているようです(以前、ある歯科医師会でそういった調査がありました)。
私が学生時代に医学部の耳鼻咽喉科の先生に「この前、細い針みたいな小さい器具を患者に飲まて、おたくのある教授と若い先生が患者とウチの病院へ来たよ」と嫌みを言われたことがありました。このように大学歯科病院でもこういった事故は起こっています。本来は教育機関でラバーダムも使わない治療などあってはいけないはずですが....
◎患者さんの積極的自己防衛策:医院への質問
電話でラバーダム防湿法の使用の有無を尋ねてくるような患者さんが出てくるとイイ加減な街の歯科医師の多くは焦るのではないかと思います。
twitterでは、お母さん方が安全な食品を求めて素材の放射性汚染検査をしているか否かを食品会社に問い合わせて、食品会社を公開しています。とにかく、電話やメールで会社に質問して公にしているのです。これは食品会社へは良い意味のプレッシャーになっているようです。
もっと、患者さんはこういった正しい問い合わせを歯科医院へすべきだと私は思っています。
そして、積極的に患者さんが歯科医院を選別して自分が受診する医院を正しく選択すれば良いと思います。
◎患者さんの認識の向上で歯科界は変わる!?
世界の教科書に出ている正しい歯内療法の治療には必須な治療方法ですから、歯科医師のみならず、もっと患者さんの認識を向上させてもらいたいものです。
こうした真っ当な患者さんの認識が歯科界を徐々に変えてゆくのだと私は思います。ハッキリとした返答ができない歯科医院は怪しいので受診しない方が良いかも知れません。
患者さんは確実に正しい診療をしている歯科医院を探って、そこへ通院すべきです。そうしないといくらお金と時間をかけて治療をしても後年問題が生じて再治療が必要になります。
根の治療でラバーダムも使わないような不良な歯科医院を患者さんが避けるようになれば、理屈からは今よりも再治療の発生率は幾分低くなるはずです。
「ラバーダム防湿法を使わない歯科医院には危険だから受診しないこと」
を多くの患者さんが理解すれば歯科界の医原性疾患や医療事故も徐々に減少し良くなるはずです。
ただ、カタチだけラバーダムを使用する歯科医院が一部で少しづつ増えていると聞きますが、ただ使用するだけでは全く不十分です。
レベルの高い滅菌消毒やラバーダム防湿法装着後の操作が正しくないと台無しになります。
だいたい、認識の低い歯科医師は手指でファイルの先端を触って曲げたり、う窩(虫歯の穴)を開口させた入り口周囲の軟化象牙質をそのままにして根管治療している先生を大学病院や歯科医院の見学でよく見かけました。これでは治りません。
このように簡単なう蝕治療や根管治療の基本的治療概念を無視した治療を巷では延々と続けています。
もちろん、充分に治癒しませんし再発します。すなわち再治療が後年必要になります。
歯内療法の再治療はラバーダム防湿法不使用や基本的治療方法の割愛に因るところが大きいと思います。ですから、現状では恐ろしい事に、大部分の巷の歯科院はこの状態ですから危険だといえます。
今まで,大学病院や街中の歯科院へ何件か見学に行ったことがありますが、歯内療法ではラバーダム防湿法を使用していないもしくは、正しく効果的に使用をしている先生は皆無に近かったのです。また、滅菌消毒もイイ加減が一般的でした。
ラバーダムだけ使用しても、歯内療法の根管内清掃器具であるリーマーやファイルを適切に滅菌消毒していない医院が過半数でした(全滅(;。;))。
保険診療では、ラバーダムの算定が出来ないから使用しないと語る歯科医師も全くダメです。
ちなみに私が使用している米国製ラバーダムはたったの50円です。
「たったの50円を保険保険請求できないから使用できないと語る医院には危険なので行かない方が良い」と思います。
歯内療法ではリーマーやファイルのみならず、ラバーダム防湿下で使用する器具は全てオートクレーブなどで滅菌する必要があります。そうしないと根管内へ細菌を送り込んで侵入させてしまうからです。
私(当院)は、根管治療の器具は一式セットで揃えて滅菌して揃えていますが、滅菌性が怪しい器具が診療室に散逸していて、治療の度に集めて診療している状態が巷では一般的です。
特に、滅菌により金属疲労を助長してリーマーやファイルが破折しやすく経費もかかると語る先生が多いのですが、全くナンセンスです。
医療機関として最低限の滅菌消毒も充分にしないでリーマーやファイルがダメになる事を惜しんで、もしくは破折を恐れて・日常的ファイルのチェックで新しいファイルに交換できないような最低限の経費や注意をかけられない医院はそれだけで危険で雑な歯科医院といえます。
街の標準的な歯科医院はその程度ですから、これだけ知っても患者さんは怖くて今まで通っていた近所の歯科医院へは受診できなくなると思います。確実な信頼できる歯科医院を選択するように!
正しい認識を患者さんが持つことが、すなわち歯科界の内容を改善するのだという事を理解して下さい。