トンデモ医療:物質Xから考えること。代替医療に気をつけろ!;詐欺医療に騙されないための基礎知識その3
今朝、ネット上で平沢進というミュージシャンが語る"物質X"の話が話題に挙がっていたので早速読んでみました。
(平沢氏と同様に、ミュージシャンという職業柄でしょうか、精神世界のような部分に興味があるのでしょうか?独自の健康論を持つ私の出身高校の先輩でもあるサンプラザ中野氏も、代替医療として問題になっているといった怪しい響きのあるモノに傾向していることは、かなり有名です。)

◎平沢氏の言及は、彼の一意見として私は受け取っています。ですから、彼が悪いと言っているのではありません。皆さんも勘違いしないようにして下さい。ただし、こういったことを考える良い機会として受け取って下さい。
平沢氏が言及していることは、簡単に言えば、一般的にはその効果や安全性が証明されていないsubstanceX(物質X)と仮に名付けられた物質を使うと、あらゆる疾患が治癒するといったことです(ちなみに現在、平沢氏のオリジナルBlogの問題部分は閲覧できません。)物質Xは、そのメカニズムも安全性も証明されていません。そのため、これを治療に応用することは、代替医療にあたります。
私も以前のブログ記事で、代替医療と標準医療(通常医療)に関して少し書いています。詳しくはそちらを参照して下さい。
一般に多くの方が、代替医療に関して大きな間違った認識をしているようです。
と常々言ってきたのです。
しかし、そういった方法(療法)の効果があるといったこと自体も、科学的な手続きにより証明されていない曖昧な(実際には効果がないような)モノがほとんどです。
例えば、健康雑誌に掲載されている自然食品による療法などは、例え効果が無くとも死亡に至るような重篤な副作用は極めて希だろうと思いますが、時として全く科学的に未知の療法によって、死亡事故や疾患の重症化が起きることさえ有ります。
例えば、南方の原始林から採られたある種のキノコがガンに効くといわれて服用した結果、肝炎の患者さんが症状が悪化して後日亡くなったといった事件もありました。

ですから、ただそのレベルのことが守られていないので、私は大変に問題だと考えています。
「NATROMの日記」などでも書かれているように、
この良い例が、漢方薬の臨床応用です。 ほとんどの漢方薬が、科学的に薬効のメカニズムが解明されるのは、かなり後になってからです。ですが、決して科学的なメカニズムが解明されていないことを理由に漢方薬の使用ができないといったコトにはなりません。
しかし、「臨床治験」は、科学的プロトコールも厳格に守られていない中で、治験参加できるような知識も見識も無いような臨床家によって行われるような低レベルなモノでは、倫理的に大きな問題になります。
実は、こう言ったことが、歯科界で問題になっている"3MiX-MP法" にも当てはまるように思います。
麹町に来てから、歯痛を主訴に来院された何人もの患者さんに、この方法が試みられた形跡が有りました。これら多くの患者さんは3MiX-MP法を希望してどこかの歯科医院で治療されたそうです。
残念なことに、麹町周辺でこの方法を自費治療として行っている歯科医院が数軒あるようです。そういったケースでは、窩洞に、黄ばんだ自家製抗生物質の三剤混合パウダー(3mix)*の下から茶褐色の軟化象牙質が沢山残っている状態を発見します。それを治療した先生は、数万円の自費治療費を患者さんから頂いて全くの医原性疾患を作ってしまった訳です。
一般的な業種で言えば、これは明らかに詐欺行為だと思います。なぜか?歯科医療ではそうは呼ばれないようですが....
こういった馬鹿げた治療方法とは知らずに、自費を払って歯牙を失活(ダメに)させてしまう患者さんがいるのです。今まで、何回も私はブログなどで取り上げてきたにもかかわらず、一向にそういった歯科医師は反省していないようです。
安易に「痛くない・削らない・虫歯は薬で治す」といった怪しい文句に騙されることなく、真摯に歯科治療をする先生に治療してもらって下さい。
歯科疾患には、原因除去(細菌感染の除去)の方法論(=治療方法)が確立しているので、初めから代替医療を使う必要はなく、正しく治療すれば治癒します。
歯科医師も含めて、ココに書かれたことは、良くお読み頂きたいと思います。
◎ここで私の語っていることは、科学と言うよりむしろ、極く簡単な思考回路における論理学的・初歩的なアルゴリズムの問題です。この程度の理屈ががわからないようでは、詐欺師に容易に騙されてしまいますから、要注意!
*三剤混合の自家製剤を使用することは、薬事法に違反するという見解が、何年も前から、歯科医師会などで通達文により、警告されています。