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2016年2月25日

一昨日,上顎の奥歯が痛むことを主訴に患者さんが来院しました。

お痛みの左側大臼歯部にはう蝕も無く口腔内全体も歯科治療を受けた既往が無い大変に歯が綺麗な患者さんでした。

以前,虫歯が無いのに歯が痛む時には歯牙破折を疑えという記事を私は書きましたが,今回は歯冠部をよく調べましたが破折線などの異常所見は全く見あたりませんでした。

そしてパノラマレントゲン画像を撮影したところ、直ぐに原因が判明しました。


TS.jpg


上顎左側最後臼歯部に埋伏智歯が存在して、第二大臼歯を後ろ(遠心)から接して押していました。






こういったケースでは咬合圧が第一、第二大臼歯に掛かると痛みを感じるのが通常です。

こういった埋伏智歯が前方の大臼歯を押して疼痛を感じるのは珍しいケースではありません。
疼痛は虫歯のような痛みでは無く違和感のような軽い痛みや鈍痛が一般的です。


この症例の治療方法は,埋伏智歯の抜歯です。抜歯すれば症状は消失します。









昨今,医療機関が業者に依頼して作成した高額治療に誘導するためのブログ記事やwebサイトが多いのが現状です。
患者さんがそのようないかがわしい思惑の歪な情報に混乱しないよう正しい歯科知識の啓蒙のため私がオフィスで実際に行った臨床例をもとに作成しています.コンテンツ全ては私が作成した私自身の臨床姿勢を反映したものです。

私の診療姿勢に共鳴されご来院希望の方は是非ご予約下さい。
診療に関しては麴町アベニューデンタルオフィスにお問い合わせ下さい.

























2016年2月16日

先日,親子でカウンセリングを受けに来院された患者さんがいました。患者さんはお嬢様の方で、お父様は娘さんの治療を心配されて一緒においでになったとのことです。
元々,お父様が私のブログの読者で以前治療においで頂いた私の診療方針をご理解頂いている方です。

昨今,一般的傾向では歯科治療はかかりつけ医院を持たないで治療の度に複数の医療機関に受診するケースが多いようです。何一つ担当医との信頼関係も成立しないまま新しい医院へ渡り歩く方が多いので、今回のような親子で同一歯科医院へ信頼関係で繋がるケースは患者と歯科医両者にとって安定した関係性が継続する理想的な診療のあり方だと私は考えています。




さて、今回の患者さんは16歳の高校一年生のお嬢さんですが、数年前に学校で前歯部に打撲を負って、上下前歯が不完全脱臼(亜脱臼)状態で大きく動揺する状態になったので、即座に上下とも近所の歯科医院で歯槽窩の適切な位置に整復して暫間固定してもらったようです。暫間固定も前医で外された状態で私のオフィスへおいでになりました。

s_mizuki1.jpg




○歯の脱臼に関して:


・不完全脱臼(亜脱臼):
定義からは、歯の転位はないが明らかな動揺を伴う歯周組織への外傷。歯根膜の一部に断裂がある場合を亜脱臼と呼んでいます。
今回は歯が歯槽窩(歯槽骨に歯が植わる穴)から脱離していない状態で少し位置は変異し動揺も増加していたそうですが元の歯槽窩に整復できたケースです(緊急歯科治療により行われた)。
このように歯が脱落しないで元の位置に即座に整復できた場合(不完全脱臼)は比較的予後が良く、元の位置で機能的に歯周組織が修復されることもあります。

外傷を受けた歯は、歯根膜細胞と歯根膜線維が保存された状態の場合には歯槽窩に戻せば良い治癒が期待できます。
今回は上下顎前歯は打撲という傷害を受けて一様に不完全脱臼状態だったとのことですが、下顎右側中切歯のみ歯髄壊死して失活しています(歯の神経が死んでいます)。


不完全脱臼3.jpg

前方から打撲などを負って不完全脱臼状態(亜脱臼)の前歯 :歯根膜線維,神経と血管の断裂で歯髄は失活します。
歯根膜の線維や細胞が歯根面に殆どそのまま残るので、上手く整復すると歯周組織の修復が進行し比較的予後が良い場合も多いと思います。




・完全脱臼:
学校保健会で常識化している事ですが、完全脱臼して歯が口腔外に飛び出して脱落してしまった場合には、素早く汚れを洗い直ぐに牛乳へ浸して歯科医に受診し元の位置に整復されれば歯周組織の修復は比較的良好に起きます。

歯根膜細胞が障害を受けないように歯の歯根面に極力触れないで乾燥もさせないようにする事が肝要で細胞培養に使用する緩衝液や培養液等に浸漬する事が理想的ですが、学校などではミルクや生理的食塩水に漬けた状態で歯科医院へ受診すべきでしょう。
第一選択で牛乳を使用する訳はヒトの母乳同様に血清成分によりできた液体ですから歯根膜細胞には刺激が少なく優しい液体だからです。

歯髄は保存出来るのか?:

不完全脱臼では本ケースの上顎前歯部同様に失活しないで歯髄神経の反応を担保したまま保存出来るケースもあります(下顎右側中切歯のみ失活して根尖病巣を作った)。

ただ、今回の下顎中切歯のように脱臼時に毛細血管が完全に断裂されてしまった場合では基本的に歯髄組織には血液が送られないので歯髄は壊死します。
今回の下顎右側中切歯は壊死したためにレントゲン写真の画像の通り根尖病巣ができてしまいました。


s_mizuki2.jpg


根尖病巣の図.jpg

このように、歯髄という血液供給により生きた状態で機能している組織は血液が到達しなければ容易に壊死します.
死んだ組織の残骸(変性タンパク質)が歯根尖端の根尖孔から外部に漏れます。これらの変性タンパク質は免疫学的には正常な状態では体に存在しない物質ですから白血球によって非自己の抗原として処理されます。
白血球が攻撃した結果、局所の骨組織が崩壊して白血球の死骸である膿が溜ります。このように根尖病巣の内容物はいわゆる膿です。

上の様な過程で根尖病巣を作った歯根には、歯内療法学的視点で適切な根管治療を行い根管を根管充填材で緊密に閉鎖し根管内から抗原物質が根尖へ漏出しない状態にすれば根尖病巣は自然に治癒し消失します。

本症例は非感染性の壊死で生じた根尖病巣であったために比較的予後の良い治療が可能です。
間違いなくオーソドックスなラバーダム防湿下での滅菌性の高い器具での根管治療を行えば良好な治癒が期待できます。





○今後の治療計画:


・歯内療法;下顎右側中切歯の根管治療


 下顎前歯は例外的に歯内療法後に築造して冠(クラウン)など装着しない方が予後が良い例があります。

上下顎前歯比較.JPG


右が下顎の中切歯,左が上顎の中切歯です。

*歯の模型ですが解剖学的平均値で作られたリアルな模型です.
画像でお解りの通り上顎前歯に比較して下顎前歯は非常に歯根が細く、根管治療根充後に土台(支台築造=コア)を根管内へ装着した際は物理的な圧力によって破折の危険性が高いことを想像して頂けると思います。

以前から、私は根管治療した歯根は最終的にはコロナルリーケージが存在するので精度が高い辺縁閉鎖性が良い補綴物を必ず装着すべきだと説明してきました(歯内療法学では現在は常識)。

しかし唯一下顎前歯(下顎側切歯と中切歯)は例外的で,根管充填された歯に関してはむしろ歯冠補綴によって歯根破折し易い傾向から接着性の高い充填方法で根管口を閉鎖して終了する方が長期でのより長い歯牙保存が可能になるものと考えています。

このように,私の25年ほどの臨床経験からも下顎前歯部で無髄歯で歯冠補綴された歯に歯根破折を認めた例に幾度か遭遇しているので、日常臨床では常に下顎前歯部は歯内療法治療を行わないで済むようにう蝕を作らないようにケアすべきと考えています。

*最近の歯質接着性材料(ボンディング剤やセメント)がコンポジットレジンと併せて使用する事で長期での封鎖性と接着性の維持が良好なので適切な充填を歯冠部根管口に行えば臨床上コロナルリーケイジの問題は回避可能と考えています。

下顎前歯でも細い既製コアとレジン系築造材などを使い歯冠修復する事はもちろん可能ですが、
もし希望があれば患者さんの年齢を考慮して、今すぐに補綴修復しないで将来補綴した方が歯牙の寿命は長くなると考えます。 

根充後の根管口の修復2.jpg





・矯正顎的な治療;矯正専門医による分析に従った歯牙移動

スタディモデルを観れば解る通り前歯部がやや前突して咬合状態は前歯部で理想的な咬合からはかなり逸脱した状態です。
私は前歯部打撲以前の咬合状態を知りませんが、受傷後に歯牙の位置関係も多少変わったと患者さん本人とお父様も語っていることから、やはり受傷後に多少変異したことが想像できます。


石膏模型で患者さんの咬合状態や歯列不正の状態をご覧下さい。

study.jpg




以前から私が言及しているとおり、歯科矯正治療は、年齢にかかわらず行うことが出来ます。 

何らかの理由があって早期に治療を開始したい場合以外は矯正治療は患者さんの生活の中で無理のない時期に行えば良いと私は説明しています。
すなわち、今回の患者さんはまだ高校一年生ですから、大学受験が控える時期ですから、勉強の障害になると考える場合には、そういった時期を過ぎて大学に入った後や就職が決まって生活が落ち付いた時期に始めても良いと思います。


矯正医は生活のために来院した患者を逃さないように、受診すると治療を急いで薦める傾向があるので事前に患者さんには注意しています。
急ぐ理由がない時には、患者さんの生活や経済的状況に合わせて行うことで失敗無く矯正治療を受けられると思います。 







昨今,医療機関が業者に依頼して作成した高額治療に誘導するためのブログ記事やwebサイトが多いのが現状です。
患者さんがそのようないかがわしい思惑の歪な情報に混乱しないよう正しい歯科知識の啓蒙のため私がオフィスで実際に行った臨床例をもとにこのブログを作成しています.コンテンツ全ては私が作成した私自身の臨床姿勢を反映したものです。

私の診療姿勢に共鳴されご来院希望の方は是非ご予約下さい。
う蝕治療一本から,適切な治療をお受け下さい。
診療に関しては麴町アベニューデンタルオフィスにお問い合わせ下さい.










2016年2月 7日

私のオフィスへ遠方からもカウンセリングに来院される方が増えています。
今まで歯科医から治療根拠の説明や治療概念の説明を殆ど受けたことが無い方が多く、そういった方々が歯科診療自体に不安を持って来院されます。
巷の歯科医院では理由もわからないで治療を漠然と受け続ける患者さんが潜在的に沢山存在しているのが現実です。


今回,この記事では口腔内細菌の動態(移動や増殖)に関しての簡単な基本概念とその根拠に沿った歯周病治療に関して述べたいと思います。

以前,私のブログでは口腔内細菌の棲息形態としてバイオフィルムという概念を説明しました。
口腔内ではデンタル・プラーク(歯垢)という粘着性のペースト状のカタチで歯面に付着して多種類の細菌がエコロジカルな一種の社会を構成して棲息しています。そういった細菌が作る棲息形態をバイオフィルムと呼んでいます。
デンタル・プラークとバイオフィルムは同じモノを違った学問的用語で呼んでいるだけです。細菌学一般で通用する棲息形態をバイオフィルムという用語で呼んでいますが,これが口腔内に形成される時に特にデンタル・プラーク(歯垢)という用語を使っていると考えれば解り易いと思います。
余談ですが,キッチンシンクの排水溝に出来るヌメリも雑菌が作るバイオフィルムです.
換言すれば我々の口腔内デンタル・プラークも全く同じようなもので大変に汚いものだとお解り頂けると思います。

う蝕の図2.jpg
歯面に付着した歯垢の塊の下で細菌が出す酸によりエナメル質表面が脱灰され崩壊している状態を表現した模式図です.これがすなわちう蝕の本態です。

上の図のように,う蝕(虫歯)とは歯質表面に歯垢というカタチで細菌達が付着しエナメル質の場合にはカルシウムに富む石灰化結晶の集合体を酸で脱灰しボロボロに崩壊させてう窩(虫歯の穴)を作る事です.


口腔疾患の殆どは口腔内細菌によって生じています。
う蝕はう蝕原性菌によって起こります。
一方,歯周病は歯周病菌によって生じます。これら歯科の2大疾患の細菌は各々棲息環境も違いその細菌学的性質も異にします。

・う蝕病原菌:歯の表面に歯垢として塊で付着して歯周ポケット内よりも空気が多い通性嫌気性*の環境に住む性質があります。
*次に記す嫌気性に対しての用語です。通性嫌気性とはう蝕病原菌の好む環境で、これはすなわち歯質表面に付着した歯垢の内部環境,ある程度酸素にさらされる程度の酸素分圧の特徴を表現した用語だと考えて下さい。

・歯周病菌:歯周ポケット内の極めて空気が少ない,酸素分圧が低い(嫌気的*)環境を好んで棲息します。
  *空気の少ない嫌気的環境に住むことを好む細菌を嫌気性菌と呼びます。歯周病は嫌気性菌により生じます。
上に記した通り歯周病とう蝕ではそれを起こす細菌の性質を異にします。上のようにう蝕と歯周病では全く別な細菌によって生じることをまず知って下さい。

よってう蝕が沢山あっても歯周病には殆ど罹患していない方もいます。一方,若い頃から虫歯が一本もできなくても中年以降は歯周病には罹患する方も多いのが現実です。
これは全く異なる細菌によって生じる細菌学的原因論を知れば概ね理解出来ると思います。

更に、歯周ポケット内では酸素が極めて少ない嫌気的環境のためにう蝕病原菌は活動できません.つまり歯周ポケット内ではう蝕が生じません。これは幸いなことで、もし歯周ポケット内でう蝕が起きてしまったら,知らぬ間に歯の歯根途中に出来たう蝕で次々と歯を失ってしまうでしょう。



○う蝕は歯面に細菌を付着させなければ生じません


 う蝕(Caries)の成因は細菌が歯面(Tooth)に歯垢というカタチで付着して細菌(Bacteria)へ食餌(Diet)を供給する環境があれば成立します.あくまで歯垢が歯の表面に付着して歯の表面で起きる現象です。

Kayes circle 3.jpg


よって,う蝕が成立しないようにする現実的な方法はブラッシングで歯垢を歯の表面から除去することです。

更にブラッシングをしていても食餌(diet)の要因が強い場合(甘い物を長い時間口腔内に入れる)にはう蝕になるリスクが上がります。
ですから甘い物の摂取の仕方を注意することも重要になります。
お菓子を食べるならダラダラ食べないで、食べた後に口腔清掃を行えばう蝕は生じないことも理解できると思います。

何故か日本では甘いお菓子だけが悪者になっているようですが、摂取の仕方を理解して逆に清掃出来れば甘い物の摂取は全く問題がありません。甘党の方は甘い物と上手く付き合って下さい。



○歯周病治療は一口腔一単位:

歯周病治療では口腔内の全歯周ポケット内の歯根面に付着する歯石にスケーリング&ルートプレーニング(SRP)と呼ばれる徹底的な根面の機械的清掃を手用キュレット等を使って行います。
治療対象部位は口腔内全般です。ある特定の部位だけを歯周病治療しても意味を成しません。
これは口腔内で歯周病菌が他の部位(歯周ポケット)から唾液の環流によって移動してくるからです。

ミクロレベルの細菌にとっては口腔内は地球の如き巨大な環境です。
私は細菌の移動する特性とその概念の例え話に次のような話をよくします。

「福島で汚染物質を大気や海洋に放出すると、スイスの山奥の雪が汚染されたり、インド洋のマグロが汚染されます.」 このように口腔内の細菌も遙々唾液で他のポケットへと移動してゆくことが解っています。

通常,口腔内を6分割して6回に分けて全顎を対象にSRPを行いますが、時々全てのSRPを終えないで途中で来院しなくなる方がいます。
途中で治療を止めた場合にはSRPしていない部位が口腔内にあるので細菌が移動して治療(SRP)した部位まで無駄になってしまいます。途中で治療に来院しなくなるのなら、初めから治療を受けない方がむしろ時間や治療費を無駄にしないで済みます。

素人の患者さんには細菌の移動といった認識が無い事が多い様ですが更に少し付け加えると、元々歯肉溝には細菌は棲息していません。
成長と供に口腔内細菌の内から嫌気性菌の一部が歯肉縁上に付着した歯垢の中から入り込み歯肉溝へ移住して病的な環境を形成したものです。
歯周疾患を生じた状態を解剖学的な正常状態の歯肉溝と区別して歯周病に罹患した病的状態(病的な歯肉溝)を歯周ポケットと呼んでいます。
こういった事から、一般には歯周病治療をしている時には歯周ポケットや単にポケットという用語を使用しています。

一旦,歯周病治療のSRPを完了して歯周ポケット内の細菌が除去され細菌が存在しない良い環境になっても、また歯肉縁上に付着した歯垢から細菌が再び戻ってきます(下図参照)。

ブラッシングで除去されないで歯肉縁上に付着したままの歯垢は内部に存在する細菌が増殖し続けます。細菌の増殖によって歯垢全体のボリュームが増加して歯周ポケット内へ成長してゆきます。こうして歯周ポケット内へ増殖した歯垢の塊から嫌気性菌はポケット内へ戻ってゆきます。
このように歯垢は成長し拡がってゆく性質もあります(下図参照)。

縁上プラークの移動2.jpg
歯周ポケットの縁上歯質に付着した歯垢は清掃されないで放置されると歯垢全体は体積を増やし成長します。そして歯肉縁上からポケット内方向へも進展します。
こうして再びポケット内へ嫌気性菌が戻ってゆきます。

☆☆☆

インプラント埋入前には残存歯の歯周病治療を完了させておくことはこのような細菌の移動が細菌学的に明白なので臨床上特に重要です。

私の別のブログ記事で幾回も書いている通りインプラント周囲へ残存歯の歯周ポケットから歯周病菌が移動してくる可能性がある事実は特に日本の臨床家は無視している先生が多いことで極めて恐ろしい実態です。インプラント周囲炎が生じてインプラント周囲から排膿している症例も有りました。



○歯周病治療は定期検査(メインテナンス・ケア)とワンセット:その科学的根拠


極めて軽度の患者さんは別として殆どの歯周病治療を行う患者さんには歯周病の治療を終えても定期検査においで頂くことをルールにしています。

上に述べたように一旦細菌が除去されてきれいになったポケット内の環境も縁上の歯垢から嫌気性菌が歯周ポケットへ戻ってまた元と同様の環境へリバウンドすることが解っています。


SRP後の細菌数の変化.jpg


 歯肉縁上を清掃していない場合のポケット内の細菌数のリバウンドは2〜3ヶ月でSRPする前の状態に戻ってしまうことが解っています.
このような科学的根拠から3ヶ月に1回のメインテナンス・ケアのため来院して頂く事が重要となります。

 3ヶ月に一度の定期検査で細菌のリバウンドの有無を確認しもし一部にリバウンドの可能性すなわち,プロ-ビング時の出血やポケットの深化があれば再度その部分をスケーリングや洗浄して細菌叢を改善することが可能です。
歯周ポケット内は通常,3ヶ月では元のような硬い歯石形成はないので,修整には最初に行った時のような手間のかかるSRPは行う必要はありません。多くは歯石化していないバイオフィルムの状態ですから超音波やエアスケーラーなどの振動性イリゲーションディバイスでポケット内環境を改善できます。

こうしてポケット内環境の局所的改善をするのが定期検査の大切なポイントです。




昨今,医療機関が業者に依頼して作成した高額治療に誘導するためのブログ記事やwebサイトが多いのが現状です。
患者さんがそのようないかがわしい思惑の歪な情報に混乱しないよう正しい歯科知識の啓蒙のため私がオフィスで実際に行った臨床例をもとに作成しています.コンテンツ全ては私が作成した私自身の臨床姿勢を反映したものです。

私の診療姿勢に共鳴されご来院希望の方は是非ご予約下さい。
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2016年2月 1日

先日,カウンセリングで患者さんが来院しました。「前医に執拗にインプラントを勧められたがインプラントとはどのようなモノで安全か?」といった旨の疑問を持った患者さんでした。

そんな患者さんの疑問から、多くの皆さんが知らないことで私のブログでもまだ書いていない事がありましたので、それをこのブログでは書かせて頂きます。

人工歯根の話をする前に我々の持つ天然の歯について説明する事でインプラントのような人工歯根の特性が理解出来ると思います。

我々の歯は歯槽骨に直接植わっているわけではなく歯槽骨に歯根膜線維と呼ばれるコラーゲンで出来た線維によって歯槽骨に機能的に固定されています。
噛む際に歯に加わる咀嚼圧に対して緩衝する層として歯根膜線維のこの層は歯根膜という空間を解剖学的に構成し機能的に咬合圧を緩衝させ,尚且つ歯根膜に存在する咀嚼圧を感じる圧受容器(センサー)によって咀嚼圧を感知しこれが神経線維によりその信号が中枢へ送られて噛み応えを感じています。この歯根膜空にある受容器と神経伝達機構のおかげで咀嚼が円滑に行えて噛み応えを楽しむ事も出来ます(下図参照のこと)。

咬合圧と受容体.2jpg


また、インプラントは噛み応えを感じないことだけでは無く他にも都合の悪いことがあります。
咬合圧を感知しないために、もし硬いものを偶発的に噛んでしまった時には、硬いモノを噛んだ感覚がわからないので、上部構造を壊してしまったり、顎関節に傷害を与えたり危険なケースも生じます。我々の歯では硬いモノを噛んだ際には、その異常な圧を受容器で感じて、反射的に歯を開けるような反射的機構が中枢と咀嚼の間には備わっているために歯や顎関節に傷害を与えないように出来ます。


図に示したように咀嚼圧は歯根膜に存在する圧受容器によって感知されて噛み応えとして我々は認識しています。
圧受容器は歯髄では無く歯根膜空に存在するため、例えば歯髄神経が抜かれた(抜髄された)無髄歯でも噛み応えを感じます。ですから天然の歯は抜歯しないで済むように大切に保存すべきです。

人工歯根であるインプラント体では、その周囲はガッチリとオッセオインテグレーションといわれるインプラントの複雑な表面構造への歯槽骨組織の嵌合によって固定されていますが、天然の歯のような緩衝層も歯根膜線維もその周囲には存在していません。もちろんそこには圧受容器も存在していませんから咀嚼圧も感じません。すなわち人工歯根(インプラント)には噛み応えを感じる機能がありません。

先日の患者さんにもインプラント自体には噛み応えを感じる機能が無い事をシッカリ説明しました。

また、インプラント体では圧を感じないことで硬いもモノを誤って噛んだ際の開口反射も起きません。
実はこの点も大きなインプラントの欠点です。
誤って硬いモノを噛んだり、箸を噛んでしまった際には天然の歯なら瞬時に噛むのを止めて口が開くようなメカニズムが我々には備わっています(開口反射)。
しかしインプラントにはこれが無いために,時には上部構造のセラミックス製の歯が破折してしまうことも有り得ます。このような機械的な傷害を受けやすい欠点を認識すべきです。
天然歯の歯周組織に備わる安全装置は我々が人工的に作るインプラントでは得られない素晴らしいシステムだと知って下さい。
このような根拠から歯を歯周病治療で保存出来るにもかかわらず、抜歯してまでインプラントを埋入する論理的正当性は無いものとして歯を大切にして頂きたいと患者さんには切に御願いしています。

歯科医が高額自費治療費を安易に得ようとする傾向が強い昨今,正しいインプラントの特性も天然の歯との違いも臨床家は適切に説明していないようです。さらに、インプラント周囲を適切に清掃していないとインプラント周囲炎が生じることや,インプラント周囲炎を治療する方法論が未だ学問的に確立していない欠点も説明すらしないで歯科医は平然と治療し続けています。

レベルの低いこのような多くの臨床家に騙されて治療を受けた挙げ句に多くの患者さんが困り果てて行き場もなく歯科界にさ迷っている潜在的状況を知って安易にインプラント治療を受けないようにして下さい。


一般に 欠損歯部にはインプラント以外に従来型の可撤性義歯(入れ歯)やブリッジも選択できます。よってインプラント以外の選択肢が無いように歯科医から説明された場合には歯科医が高額な自費治療費が欲しいためにそのように言い張っていると考えることもできます。

皆さんはインプラント治療のダークサイドを充分に知って下さい。まずは歯科界の状況と歯科的常識を持って危ない歯科治療に近づかないようにサバイバルして下さい。











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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。