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2015年6月17日

【  成人歯科矯正についての注意点  】 


 歯科矯正治療は子供だけが対象ではありません。年齢にかかわらず、歯がある方なら対象になります。

この頃、成人してから矯正をしたという患者さんがよく初診でお越しになります。最近のことですが連続して2名の方に気になる口腔内所見を目にしました。


ikeda_michiyo.jpg
左下第一大臼歯に根分岐部病変が透過像としてみられます。また他の部位にも明らかにくさび状の骨の欠損もご覧頂けると思います。残念ながら、歯周病治療をしないで矯正治療を行って生じた認識の低い矯正専門医による歯科医原性疾患といって差し支えないと思います。


上の写真は口臭を気にして来院されたある方は20歳台のお若い患者さんですが、深い歯周ポケットが何カ所も存在していました。
しかも奥歯に根分岐部病変と呼ばれる歯根の間に歯周病で侵され歯槽骨破壊まで存在しました。根分岐部病変は歯周病がある程度進行してから生じる通常は中年以降の方に観られるような歯周病の状況です。
ですから不思議だと思ったのですが、数年前、成人歯科矯正をしたということでした。この時歯周病治療は全くしないで矯正治療を行ったということでした。
 

私は患者さんで歯科矯正を希望する方には、かならず術前に全顎的に歯周病学的治療・すなわちスケーリング&ルートプレーニング(SRP)や口腔清掃の指導を徹底して済ませて頂き、矯正の動的期間中にはクリーニングに定期的に通って頂くことにしています。

間違っても、上のレントゲン写真のように不用意に歯周病を悪化させないようにしてもらっています。
しかし元々これは常識です。
日本の一般的歯科矯正医が歯科常識が無さ過ぎます。
実際、矯正学会認定の専門医でも驚くことに歯周病のまま動的治療をするのは驚くべき実態です。

この患者さんのように、特に成人の場合、矯正を行う前に既に患者さんが歯周病に罹患している可能性があります。
歯周病に罹患した状態のまま歯牙移動を行うと歯周病は悪化します。

ただでさえ、口腔清掃を怠って歯牙移動をすると歯垢を巻き込んで歯周病を惹起してしまうリスクは高くなるのですが、既に歯周病に罹患した状態では思わぬ大きな歯槽骨の吸収・破壊と深い歯周ポケットの形成を許すことになります。

◎歯牙の移動は、移動方向の圧迫側の骨の吸収と反対側の牽引側の歯槽骨の添加による改造現象が同時に正しく行われて初めて上手く歯牙は移動します。歯周病という局所の炎症が存在すると、上のような歯周組織の改造現象が上手くゆきません。むしろ歯周病が増悪して歯槽骨の吸収・破壊と深いポケットの形成を起こします。

ですから、 成人歯科矯正の治療には歯周病学的ケアが大変に重要です。



【 矯正家選択のポイントの一つ:歯周病ケアを正しく行っていること 】


矯正専門の歯科医院で術前に歯周病学的チェックをする先生は殆どいないのが現実です。
元々歯周プローブといわれるポケット測定の器具さえも無いのが普通です。

すなわち、歯周疾患に罹患していても矯正を始めてしまいます。

矯正家でも自身のオフィスで動的期間中(歯を動かしている期間)にクリーニングなど口腔清掃の処置も全く行わない医院もあるようです。
こういう医院では他院に歯周病学的ケアを依頼するなら問題が無いのですが、全くそういったことを行わない先生もいるようです。
通院中の矯正を受けている医院ではしてくれないのでクリーニングを希望して来院される方がいます。

◎正しい矯正家を選ぶ基準の1つとして口腔内の歯周病学的ケアを正しく行っているということも重要なポイントです。 

残念ながら、矯正家でも広く一般的歯科治療を考えた・総合的歯科治療への配慮がある先生は意外にも少ないようです。


私のところへも矯正専門医から補綴や歯周病治療を依頼されることがあります。
しかし、ほぼ全く歯科一般の臨床経験も知識もない先生だったようで、補綴治療や歯周病治療を依頼する際の治療の根拠自体が間違っていることがあります。

「移動している歯の歯肉が下がって歯根が露出してしまったので、歯肉を移植してくれ」といった依頼を矯正医から受けたことも有ります(実際には行いませんでしたが)。

これは歯牙移動の方向と力加減を誤ったために歯肉が下がって歯根が露出したのです。
ですから、歯肉など移植するのではなく歯牙移動の方向を訂正すれば治ります。
こういったことは歯周病の正しい勉強をしていないから起こる勘違いで矯正専門医に多い歯科保存分野の知識不足による間違いの典型例です。


◎残念ながら日本の歯科矯正医の認識が上に書いた通りのお粗末な状況が現実ですから、既に成人矯正の治療をお受けになった方は念のため歯周病学的検査をお受けになることをオススメいたします。

私のオフィスでは随時、歯周病学的検査や徹底したトゥ-ス・クリーニングをご依頼があれば行っています。
是非、当オフィスへご連絡下さい。


歯科矯正は、意義がある歯科治療です。ですから正しい医院を選択して綺麗な歯並びで良い人生を送って下さい。


矯正関連では以前にもこのようなブログ→「歯並びはう蝕や歯周病の原因ではありません」も書いています。宜しければお読み下さい。


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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。