«  2015年6月  » 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
2015年6月24日

私は常々ブログやツイッターで語ってきましたが、歯科治療の基本であるう蝕治療は適正に行われていないとその後、それがもとで数々の問題が生じて歯の寿命は短くなります。


毎日のように保険治療の12%金銀パラジュム合金のインレー(銀色の詰め物)が外れて患者さんが来院します。

外れたう蝕窩洞(詰められていた穴)には茶褐色〜黒色に変色した感染歯質(軟化象牙質)が残存しています。
多くの場合は前医がう蝕感染歯質を取り残したままインレーやコンポジットレジン等を充填しています。
もちろん、詰め物と歯との隙間から二次う蝕が生じる場合もありますが、元々感染歯質を残して"治療したこと"にしています。

これが、日本の保険歯科医療の酷い実態です(自費診療でも変わり有りませんが...)。
患者さんから治療費をもらって治療として成立しない行為を堂々と行っています。


う蝕一本でも、そこから医原性疾患が始まり将来歯がダメになり得ます。

たかが虫歯治療と思っている患者さんもいると思いますが、皆さんの多くはそのような歯科医が作った不良処置が原因で時間が経ってからその部分に問題を生じて来院されます。


なんと原因の大多数は過去の不良な治療です。


ここで提示するう蝕治療は基本的な症例です。このように適切なカタチでう蝕治療を行っていない歯科医が巷では大多数です。


是非、丁寧に適切な治療を臨床で励行する先生を探して下さい。

聡明な患者さんの多くは今の歯科医療の酷い実態を実感しているようです。
当オフィスにも2,3時間もかけて遠方から虫歯一本のためにでも来院される患者さんがいらっしゃるのは、それだけ巷の歯科医療が雑で学問的常識も無視しているからでしょう。






/////////////// う蝕治療 の一症例 //////////////


tuzura-panorama2.jpg

これは今回紹介するう蝕治療をした患者さんのレントゲン写真です。
白色の矢印部分にう蝕病巣がありますが、レントゲン写真には明瞭に写っていません。
渋谷区のある矯正歯科の先生から、このう蝕を含め数本のう蝕治療の依頼があり
治療を行いました。

このケースのように歯と歯のコンタクト部から生じるう蝕は必ずしもレントゲン写真でも明瞭に確認できない場合があります。
ちなみに、歯間隣接部のう蝕を鮮明に撮影する撮影方法(バイトウイング法)もあります。

実は、歯間部(コンタクト部)から生じるう蝕は大変多く存在しています。
患者さんご本人はもとより臨床家も見過ごしているケースが多いう蝕タイプです。

最近来院する患者さんの様子では、若いサラリーマンの患者さんの口腔内には平均して10本程度のこういった歯間部隣接面う蝕は存在しているようです。

潜在的に沢山存在するう蝕です。当院では日常的に発見した際には正しく治療しています。




T−1.jpg

下顎左側第二小臼歯の近心にう蝕を発見
コンタクト部(歯間隣接部)から発生したう蝕です。

エナメル質を透過して黒い影のようなモノが確認できます。






T−2.jpg


エキスカベーターという極小の耳かきのような器具で感染歯質を除去します。

このケースでは第二小臼歯の近心部う窩(う蝕の穴)には沢山の変色した軟化象牙質が存在していました。

これをう蝕検知液で染め出して、赤色に染まった歯質(感染歯質)を充分に除去して、
歯質切削粉が染色されていない健全歯質(非染色.白色)に変わった状況の写真です。

極小のエキスカベーターの先端部に乗る象牙質の切削粉が白色で、
感染歯質は除去が完了した状態です。







MIエキスカ.JPG

私は臨床で7,8種の極小タイプの手用エキスカベーターを使用しています。
この症例で使用したエキスカベーターは1番左のタイプ(先端直径は1㎜強)です。


う窩はある深さまでは概ねタービンバーで切削して削り取りますが、

深度が深くなれば歯髄に近くなるため歯髄腔へ穴が空くようなダメージや不容易な歯髄への感染が懸念されるために、手用器具のエキスカベーターで丁寧に歯髄の間際までう窩を清掃をします。

こういった感染歯質除去は正しい知識に裏付けられた臨床家としての技量と勘に因ります。すなわち、経験値に左右されます。



一般的に日本の歯科医はエアータービンだけで雑に形成して、
感染歯質を残したまま充填する傾向が強いようです。

短時間診療・効率重視の一般的街の歯科医院では、エキスカベーターで丁寧な感染歯質除去を行うような慎重さは微塵もありません。

ですから、う蝕治療後は再発も生じやすいのだと言えます。
一般的歯科医院はその程度で、治療を受けると危険です。








MIタービン&エアスケーラー.JPG

エアータービンとう蝕治療用チップを装着したエアースケーラー
左は、極小のラウンド型ダイヤモンドバーを装着した切削の時に使用するエアータービンです。

右はエアスケーラーという音波振動する器具の先端にう蝕治療用のチップを装着したモノです。

タービンバーは概ね初期のう窩へのアクセスで使用する器具です。
ラウンド型チップが装着されたエアースケーラーは手用エキスカベーターと共にう窩から感染歯質を効率的に除去する際に使用します。











現代修復学の常識:
ミニマルインターベンション(MI)とは?




歯科治療でいう ミニマルインターベンション(minimal intervention) とは、侵された歯質のみ選択的に除去して,なおかつ健全歯質は可能な限り残存させる様なう蝕治療を行う治療概念です。

従来、行われてきたインレーなどの金属充填物のように窩洞にインレーを保持させるためにはそれに必要な形態を付与する必要がありました。よって健全歯質を余分に除去して便宜的に大きな形態を付与する修復方法でした。MIによる方法とは従来のインレー等による修復方法とは対極にある方法論です。




MIによるう蝕治療が可能になった背景には、コンポジットレジンとそれを歯質に接着させる接着剤のようなボンディング剤の開発などの材料学の進歩によるところが大きいと思われます。

MIはコンポジットレジンの技術革新があって意味をもつ、これ等はう蝕学の治療方法で両輪があって初めて可能と言えます。

この症例のように感染した歯質のみをタービンバーやエキスカベーターで除去してえぐり取る方法ですから、
健全歯質である象牙質も外側のエナメル質も沢山保存できます。そして歯髄へのダメージも最少限に抑えられます。

完全にMIの概念に基づいて治療すれば、有髄歯のまま歯を補綴修復出来るため、より安全で生物学的な治療法と言えます。





T−3.jpg
ラバーダム防湿下でアルミニウムマトリックス&ウエッジを適合し
バイタインリングを装着した状況です。

う窩の清掃が終了し窩洞を形成した後はコンポジットレジンを充填するために、適切な防湿を得る目的でラバーダム防湿法を施しました。

コンポジットレジン充填は、巷では安易に行われている傾向が強いようですが、実はステップワイズに厳格な条件や処理をして初めて、本来有するコンポジットレジンの物理的特性が発揮される歯科材料です。

ですから、防湿や歯質表面の処理や汚染防止を厳格に行わないと、後で充填部辺縁に隙間が生じたり破折が起きたりする可能性が高くなります。

当院では充填処置でも必要に応じてラバーダム防湿法を施すのは、コンポジットレジンの特性を充分に発揮させるためには必須の条件だからです。

マトリックスを装着する都合上、ラバーダム防湿法を使用できないこともあります。その場合は他の方法で処理表面が汚染されないように注意して行います。



t-4.jpg

極薄のアルミニウム製マトリックスを介して第一小臼歯と解剖学的歯牙接触をする様にCR充填を完了した状態です。
過不足無く緊密に窩洞へコンポジットレジンが充填されています。



T-5.jpg

マトリックスを除去して粗いシリコーンポイントで概ね研磨を終了した状態です。

歯とコンポジットレジンの境界が目立たず、処理が適切であった事が解ります。


T-6.jpg

最終研磨などを終え、ラバーダムを外した状態。


充填あとも目立たずに自然観ある充填が完了した点に注目。
MIの概念に基づいたコンポジットレジンによるう蝕治療は、小さなう蝕ケースに最適です。

これは当オフィスのMIの概念に基づく典型的コンポジットレジンによるう蝕治療です。
正にこのレベルを標準的に日常臨床で行っています。




保険インレー2.jpg
保険治療による典型的な雑な修復物:第二小臼歯には精度の悪いインレー、第一大臼歯には不良な冠が装着されています。

よく見かける↑の写真のような醜い保険治療の金属インレー(矢印の歯)と私が今回行ったコンポジットレジン修復を比べて下さい。

一般的に街の歯科医に受診するとこのような比較的小さなう蝕でも金属インレーなどで精度の悪い不適切な治療が行われがちで非常に危険です。

もちろんMIの概念など無視しています。そして後年、歯がダメになります.....


ここに示すように、う蝕治療とは、地味に丁寧に正しく行うべき大切な治療行為です。

しかし、多くの患者さんが日常的に受けている治療は、不完全で、こういった適切なう蝕治療の重要性を馬鹿にした歯科医のいい加減な処置になっている事が多すぎます。

良い治療を受けるためには適切な治療に関しての正しい認識を患者さんご自身が持つことが大切です。




さて、あなたはどのような治療を希望されますか?

適切なう蝕治療をご希望の方は、当オフィスまでご連絡下さい。

麹町アベニューデンタルオフィスで本物の治療をお受け下さい。


























2015年6月18日


「 症例のイントロ 」

今回、数日前に終わったちょっとした症例をご覧頂きます。

この方は、私のブログを以前から良く読んでくれた読者で適切に治療してくれそうな医院を探していたそうです。
文京区に住み、区内のIT関連会社に勤務する20代の若い患者さんです。


有り難いのはお住まいの周辺や会社周辺でも沢山歯科医院があるのに、千代田区麹町までお通いいただけたことです。
すなわち、ネット上から自分が得た知識で我が医院の治療内容を気に入って通ってくれたのです。逆に、一般的患者さんの場合には会社に近いという来院動機が多いのです。
この場合、どういった医院かも解らずに近いだけで歯科医院を選んでいることになります。

ところで、女性の中には美容室選びに神経を使ってる方は多いはずです。
以前,「私、美容室難民なの」と、ある女性が言っていました。
すなわち、表参道にある美容室の前任の美容師が遠方の美容室に移ったので適当な新しい美容室を探しているが、まだ見つけられないで困っているといったことらしいのです。
このように、女性の多くは美容室選びにはかなり真剣です。埼玉の実家から表参道まで通うこともいとわないのですから。

ここで、私はあえて言いたいのです。
「美容室と同じくらい、歯科医院も真剣に選んだらどうですか」と。

この頃、女性のみならず男性も含めて、多くの患者さんが本当に良い歯科医院を探しているのか疑問に思うことが多いので、もう少し真剣に歯科医院を選択した方がよいのではないかと思っているのです。明らかに怪しい歯科医院に受診して、困ったときには、また違う医院へ転院して複数院を延々と渡り歩いている方が世の中に多いのです。そして、歯の寿命は短くなります。
 これは、時間もお金も無駄になり、歯の寿命は短くなり・人生における大きな無駄です。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

患者:安田祐司さん(仮名)


年齢:25歳


全顎的には、軽い歯肉炎や下に提示するような、二次う蝕(二次カリエス)を数本治療して終了しました。後は、本人のご希望通り、3ヶ月に一度のメインテナンスに来て頂くだけです。



パノラマ臼歯部




下顎右側・第二小臼歯(45)、第一大臼歯(46)第二大臼歯(47)に矢印に示す部分にカリエスが認められます。



治療1~4

1:治療する45,46,47にラバーダム防湿法を施し、外部(口腔内)と隔絶しました。これは唾液汚染、乾いて綺麗な環境の確保、器具による事故防止といった条件を得るために、必須な方法です。*ラバーダム防湿法に関しては、以前のブログを参照のこと

なお当院では、保険・自費にかかわらず、ラバーダムを装着できる時には必ず使用しています。
(現在、ラバーダムは保険請求上算定できません。=医院負担です。)

2:以前充填された充填物とカリエスが認められる部分を切削・削除しました。

3:2の窩洞にう蝕検知液(カリエス・ディテクター)を滴下した後、水洗し赤く染まった感染歯質を確認しました。赤く染まった部分は、細菌の侵入がある部分で、必ずこれは除去しなければならない部分です。
4:検知液で染まった感染歯質を注意深く除去して、窩洞は綺麗になり45遠心にCRを充填する直前。46近心との間に金属マトリックス装着とバイタインリングによりコンタクト部を拡張したところ。
マトリックスと45歯質とは隙間無く適合して、また46とのコンタクトを適切に回復させる必要があります。

こういった方法を高いレベルで再現するには術者のトレーニングによる高い技量が必要です。
詳しくは以前のブログを参照のこと。技術的にいい加減な場合は二次的に障害を与えることがあります。
治療5~8




5:46と47間にマトリックスを装着し、46の遠心~咬合面にボンディング・プライマー塗布前にエッチング処理しているところ。ブルーのジェルがエッチング剤(ortho-phosphate37%)です。



6:エッチング後、ボンディング剤を塗布する前の状態

ボンディング前に、処理した窩洞歯質面に余計なモノ(唾液・呼気・その他汚染物質)が付くと接着が阻害されます。この点からも,このようなラバーダムによ
る術野の隔絶が必要な理由が理解していただけると思います。処理面が汚染されると接着が不十分になり、後で亀裂などが生じ、二次う蝕や時には充填物脱落
などの懸念があります。



7:これが充填完了時の状態です。綺麗に充填完了したことを確認してください。この後、注意深い充填部辺縁の診査、形態修整、咬合調整、最終研磨、クリアコーティングを行い完了します。

8:次回来院時に、撮影した口腔内での修復物像 
適切なコンタクトの付与(接触点回復)、咬合回復が得られています。

術前・術後


術前・術後の拡大像での比較

46は、辺縁不適合で充填物(CR:コンポジットレジン)と歯質のマージン(辺縁・境目)に黒く色素が入り込んでいます。ここから、細菌が入り込み二次う
蝕(充填後二次的に生じる虫歯)が生じます。また、47は保険のパラジューム合金によるインレーが装着されていますが、肉眼では解りずらいですがマージン
部に隙間や不適合があります。これら充填物辺縁(マージン部)の隙間は、う蝕を作る細菌レベルでは大変大きなモノになるのです。我々は細菌レベルで、マージン部からの細菌進入を防ぐ方法をとる必要があります。

上のような観点から、47のような雑な金属充填や46の不適切なCR充填では処置したことにならず、むしろ二次的なう蝕(二次カリエス)を誘発させていることになります。
私が行ったこのようなCR充填と同じように、厳格な環境や条件で治療されたときに安定した予後の良い修復が可能になります。
一般的な医院で行われている唾液が術部を汚染するような充填では、予後の良い治療を達成するのは困難です。

多くの患者さんが、「虫歯治療なら、どこでも同じだろう」と考えているようですが、全く間違っています。これは、上の例を見ていただければおわかり頂けると思います。不十分な治療は歯の寿命を縮めます。

現在、一般的歯科医院でみられる治療がそのレベルで、大変いい加減です。より精度の高い安全な方法での治療を望む方は高いレベルの治療をルーティンで実践している先生を捜す必要があります。
  さて、皆さんはどちらの治療を受けたいですか?

* う蝕治療の充填処置では、ラバーダムは条件により使用できない時や他の方法で術部を汚染しないで治療出来る際には行う必要はありません。
ただし、歯内療法(神経の治療)ではラバーダム防湿法を使わない方法は一切行っていません。


 //////////////////////////////////////////////////

「 いかに正しい知識や技量を習得しているか 」

<
先進的欧文教科書

私が使用している先進的歯科修復学の教科書(の一例)

こういった修復方法は、学校では教えないモノです。ですから、欧米の教科書を取り寄せて勉強しています。また、歯周病学は著名な教科書以外に欧文学会誌を3誌購読しています。学会誌は、特に最新トピックに関しては必須です。


世界的にインパクトファクター*が高い学会誌や著名で上質な教科書は、ネット経由もしくは専門書店で購入や購読が可能です。ですから、日本中どこにいても
世界標準の歯科医療は勉強できるのです。利用しない方が可笑しいと思います。講習会に頻回に通っている先生が周りに沢山いますが、どれだけ身につくか疑問です。
また、これらは主催の先生の我流の治療法など、指導する先生方のフィルターが加わっている講習が大半で怪しいモノが多いのです。やはり、歪曲されていない欧米研究者のオリジナルを勉強しなければいけません。
ある程度基礎を身につけたら、くだらなく怪しい講習会に何万円も払うよりも、教科書や文献を取り寄せた方が沢山の情報が得られ、それを使って繰り返し勉強が可能になるため、よっぽどマシだと思います。(良い講習会や勉強会を判断して、そこで基礎固めをすることは、もちろん若い先生方には必須です)
インパクトファクターとは、どれだけその雑誌(Journal:学術雑誌)から論文の引用があるかといった、引用率のことです。これが高いということは、多くの研究者がその雑誌の論文に注目していることであり、それだけ学術的信頼度の高い良い雑誌であるということです。

「 自分の目で歯科医師を選択するのが基本 」

残念ながら、医療機関には"ミシュラン"のようなモノは存在しません。いわゆる「全国名医辞典」といった本も医師自らが掲載料を払って載せているので、良医選択の客観的基準ではあり得ません。ですから、そういったモノを鵜呑みにしないで下さい。

このブログを書くきっかけの一つに、こちらの診療内容やレベルを開示し、患者さんに広く見ていただこうということがありました。もちろん、これで何らかの
信頼を持っていただけたなら、ご来院いただきたいのですが、いい加減でウソの多い一般歯科診療を避けて、良医に巡り会っていただきたいという一種の啓蒙的
意味合いもあるのです。

これをお読みの方々は、今回この症例の安田忠夫さんのように、よく勉強してから良医を選択して歯科医院へ通った方がよいかも知れません。

◎このブログを初めてお読みになった方へ・是非、以前書かれたブログもお読み下さい。

///////////////////////////////////////////////

◎当院・院長手製の小冊子↓



syousassi

 ///////////////////////////////////////////////

◎当院では、虫歯1本から徹底的治療を致します。

歯でお困りの方は、是非ご相談下さい。

ご予約は、お電話でお願いします。


2015年6月17日

【  成人歯科矯正についての注意点  】 


 歯科矯正治療は子供だけが対象ではありません。年齢にかかわらず、歯がある方なら対象になります。

この頃、成人してから矯正をしたという患者さんがよく初診でお越しになります。最近のことですが連続して2名の方に気になる口腔内所見を目にしました。


ikeda_michiyo.jpg
左下第一大臼歯に根分岐部病変が透過像としてみられます。また他の部位にも明らかにくさび状の骨の欠損もご覧頂けると思います。残念ながら、歯周病治療をしないで矯正治療を行って生じた認識の低い矯正専門医による歯科医原性疾患といって差し支えないと思います。


上の写真は口臭を気にして来院されたある方は20歳台のお若い患者さんですが、深い歯周ポケットが何カ所も存在していました。
しかも奥歯に根分岐部病変と呼ばれる歯根の間に歯周病で侵され歯槽骨破壊まで存在しました。根分岐部病変は歯周病がある程度進行してから生じる通常は中年以降の方に観られるような歯周病の状況です。
ですから不思議だと思ったのですが、数年前、成人歯科矯正をしたということでした。この時歯周病治療は全くしないで矯正治療を行ったということでした。
 

私は患者さんで歯科矯正を希望する方には、かならず術前に全顎的に歯周病学的治療・すなわちスケーリング&ルートプレーニング(SRP)や口腔清掃の指導を徹底して済ませて頂き、矯正の動的期間中にはクリーニングに定期的に通って頂くことにしています。

間違っても、上のレントゲン写真のように不用意に歯周病を悪化させないようにしてもらっています。
しかし元々これは常識です。
日本の一般的歯科矯正医が歯科常識が無さ過ぎます。
実際、矯正学会認定の専門医でも驚くことに歯周病のまま動的治療をするのは驚くべき実態です。

この患者さんのように、特に成人の場合、矯正を行う前に既に患者さんが歯周病に罹患している可能性があります。
歯周病に罹患した状態のまま歯牙移動を行うと歯周病は悪化します。

ただでさえ、口腔清掃を怠って歯牙移動をすると歯垢を巻き込んで歯周病を惹起してしまうリスクは高くなるのですが、既に歯周病に罹患した状態では思わぬ大きな歯槽骨の吸収・破壊と深い歯周ポケットの形成を許すことになります。

◎歯牙の移動は、移動方向の圧迫側の骨の吸収と反対側の牽引側の歯槽骨の添加による改造現象が同時に正しく行われて初めて上手く歯牙は移動します。歯周病という局所の炎症が存在すると、上のような歯周組織の改造現象が上手くゆきません。むしろ歯周病が増悪して歯槽骨の吸収・破壊と深いポケットの形成を起こします。

ですから、 成人歯科矯正の治療には歯周病学的ケアが大変に重要です。



【 矯正家選択のポイントの一つ:歯周病ケアを正しく行っていること 】


矯正専門の歯科医院で術前に歯周病学的チェックをする先生は殆どいないのが現実です。
元々歯周プローブといわれるポケット測定の器具さえも無いのが普通です。

すなわち、歯周疾患に罹患していても矯正を始めてしまいます。

矯正家でも自身のオフィスで動的期間中(歯を動かしている期間)にクリーニングなど口腔清掃の処置も全く行わない医院もあるようです。
こういう医院では他院に歯周病学的ケアを依頼するなら問題が無いのですが、全くそういったことを行わない先生もいるようです。
通院中の矯正を受けている医院ではしてくれないのでクリーニングを希望して来院される方がいます。

◎正しい矯正家を選ぶ基準の1つとして口腔内の歯周病学的ケアを正しく行っているということも重要なポイントです。 

残念ながら、矯正家でも広く一般的歯科治療を考えた・総合的歯科治療への配慮がある先生は意外にも少ないようです。


私のところへも矯正専門医から補綴や歯周病治療を依頼されることがあります。
しかし、ほぼ全く歯科一般の臨床経験も知識もない先生だったようで、補綴治療や歯周病治療を依頼する際の治療の根拠自体が間違っていることがあります。

「移動している歯の歯肉が下がって歯根が露出してしまったので、歯肉を移植してくれ」といった依頼を矯正医から受けたことも有ります(実際には行いませんでしたが)。

これは歯牙移動の方向と力加減を誤ったために歯肉が下がって歯根が露出したのです。
ですから、歯肉など移植するのではなく歯牙移動の方向を訂正すれば治ります。
こういったことは歯周病の正しい勉強をしていないから起こる勘違いで矯正専門医に多い歯科保存分野の知識不足による間違いの典型例です。


◎残念ながら日本の歯科矯正医の認識が上に書いた通りのお粗末な状況が現実ですから、既に成人矯正の治療をお受けになった方は念のため歯周病学的検査をお受けになることをオススメいたします。

私のオフィスでは随時、歯周病学的検査や徹底したトゥ-ス・クリーニングをご依頼があれば行っています。
是非、当オフィスへご連絡下さい。


歯科矯正は、意義がある歯科治療です。ですから正しい医院を選択して綺麗な歯並びで良い人生を送って下さい。


矯正関連では以前にもこのようなブログ→「歯並びはう蝕や歯周病の原因ではありません」も書いています。宜しければお読み下さい。


2015年6月10日

箕輪はるかさんも笑顔がキレイになりました

はるか術後1.jpg


以前、箕輪はるかさんの歯の話をブログに書きましたが、箕輪はるかさんの上顎前歯の失活歯(神経が死んだ歯)を含む3本が補綴されました。

○箕輪はるかさんの場合は失活歯を抜歯してブリッジに


歯を抜いたはるか1.jpg

(左)は治療する前の神経が死んだ状態の変色した歯の状態(,右)はブリッジで治療する前の歯を抜いたままの状態。  それにしても抜歯したまま放置したのでしょうか?

どうやら箕輪はるかさんは失活歯を抜いてブリッジで補綴したようです

私のオフィスでも前歯が破折して保存出来なかったために抜歯してブリッジにする予定の患者さんが一昨日抜歯後の経過観察に来院されました。

箕輪はるかさんの場合は前歯部にもかかわらず抜きっぱなしで放置していたようですが、芸人ならばシャレで笑いを取れるかも知れませんが、一般人では見かけ上も問題になりますから必ず抜歯前に仮歯(プロビジョナルクラウン)のブリッジを作製しておいて、お帰りになる時にはキレイに仕上がった時と同様白いキレイなプロビジョナルクラウンを装着してお帰り頂けます。

このように↑ 当院では抜歯した日に見かけ上の問題は全く起きないように配慮してお帰り頂いています。 

そして抜歯後、抜歯した部位が治癒する期間をある程度待つ必要があります。
抜歯部位は抜歯窩は治癒と供に閉鎖して同時に根尖方向へ下がってゆきます。
抜歯部が良い状態になるまで数回ご来院頂き治癒過程観察と周辺のクリーニングにご来院頂くのが私のオフィスの定石です。

余り急いで印象すると補綴物を装着した後にポンティック(抜歯相当部の歯)下に大きく空間が空くことがあります。

こうした非審美的な隙間が空くと見かけ上の問題のみならず、発音障害を同時に起こします。
よって、余り急ぎすぎないで前歯を抜歯して行うブリッジの場合には十分な抜歯部の治癒期間を考慮して行う必要があります。

◎こういったブリッジなど補綴治療をご希望の方は麴町アベニューデンタルオフィスまでお問い合わせ下さい。  


« 2015年5月 | メイン | 2015年7月 »

Powered by
本サイトにて表現されるものすべての著作権は、当クリニックが保有もしくは管理しております。本サイトに接続した方は、著作権法で定める非営利目的で使用する場合に限り、当クリニックの著作権表示を付すことを条件に、これを複製することができます。
麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。