不良なインレーは危険です。再治療は必須! まずは知性から磨くこと
○日本ではう蝕治療が出来ない歯科医が多い
先日治療したインレー下のう蝕の治療し治し(再治療)です。
麴町のある歯科医院でインレーでう蝕を治療した患者さんです。
「銀色のインレーの歯が痛むので診て欲しい」との主訴で患者さんは来院されました。
治療時の画像をポケットカメラで簡単に撮影したのでここに掲載致します。
(本来は口腔内撮影用のカメラで撮影すれば良かったのですが、治療の片手間で簡単に撮影しました。見づらし点をお詫び致します)
簡単に解説:
左上:金属の周辺部が歯質とフィットしていない不良な状態が確認できる
巷の保険算定の金属インレーはこのくらいの不良な精度が多い傾向
右上:金属を除去した後に発見されたインレー窩洞底部の感染歯質。
茶褐色の感染歯質*が沢山取り残されていた。
右下:金属が除去された窩洞部分へ臼歯部用のコンポジットレジンを充填したところ。
*感染歯質は細菌が存在し得る場所です。
細菌によって冒された象牙質、コラーゲン基質などは有機質なので腐敗しています。腐敗して軟らかく変性した象牙質を特に軟化象牙質と呼んでいます。
象牙質は侵襲が進んで軟化象牙質になった部分は機械的に除去できますが、そういった部分を適切に徹底的に除去するためにはある程度の時間を要します。ですから、30分単位の歯科治療では丁寧な治療を必要とする正しいう蝕治療は不可能に近いと思います。
う蝕治療の基本は第一義的には原因因子である細菌を除去することです。
すなわち、感染歯質を徹底して局所から除去することです。
良い治療を選択する場合は、すなわち短時間診療体制の医院はオススメできません。←重要!
○巷の保険治療はこの程度の不良なモノが多い
とにかく、潜在的にはこの例と同様のインレー下に感染歯質を取り残した治療が沢山存在しています。
ただ、多くの場合にはこの患者さんと同様に痛むことで始めて不良な治療が自覚されます。
必ずしも痛みが都合良く出ないで状況が進行して歯髄が失活(死ぬ)することも有ります。
また、毎日のようにインレーが外れて患者さんが来院します。
元々う蝕治療の基本から外れた不適切な治療が殆どですから、いつ外れてもおかしくはない様な治療ばかりです。
巷の歯科医は教科書レベルの基本を無視して治療の数だけこなしているのが、昨今の保険治療の極めて酷い実態です。短時間でそういった治療をこなす歯科医院でこういった不良な治療が多いのは利口な方なら理解出来ると思います。
初診患者さんの口腔内の過去に受けたう蝕治療の殆どが同様に治療とは言えないような代物です。
もっと知識を持って見識ある正しい治療を実践する歯科医を選択して受診しないと治療を受けた歯はダメになります。
以前から私が言及している通り、ネットリテラシーを高めて物事の本質的な核心を理解して自分の身は自身で守っていきましょう。これは現代人に課せられた一種のタスクです。
○歯医者には安易に受診するな!
我々歯科保存学を学んだ歯科医の中では、不良歯科治療を受けるから歯がダメになるので
「ロクデモナイ歯医者の治療は受けるな」と巷の不良治療をしている歯科医を揶揄しています。
安い保険治療だからとイイ加減に考えているから、ドンドン不適切な治療を受けて歯が次々にダメになってゆきます。
最小限の侵襲で済むような適切なう蝕治療が可能にもかかわらず,より請求点数が高い金属インレーで歯科医が勝手に不適切に治療する傾向を知って安易にこのような治療を受けないで下さい。
歯は切削してしまうと元には戻りません。
現代社会は政治家や先生と呼ばれる人間までも信用できません。
本物の歯科治療の価値を認識した知的な患者さんが増える事を願っております。
皆さんは知性を磨いて、ロクデモナイ歯科医療に騙されないようにして下さい。
こういった正しい歯科治療のご用命は私のオフィスへご連絡下さい。