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2012年9月29日

◎全身麻酔時に歯が脱落した。そして来院:






実は以前、ある患者さんが病院で手術して前歯が脱落して来院したことがありました。


前歯脱落した写真.jpg
このように前歯は脱落します。
金属製の築造物の長さや歯質の健全性が乏しい等の悪い条件で非常に外れやすい状態だったと思います。
そして、そこへ大きな噛み込む力がかかったために前歯が脱落したと思われます。





病院では手術時の全身麻酔の際に、特に前歯が欠けてしまう偶発事故が時々起きています。

麻酔科医や外科医の間では良く知られた事のようです。
また病院によっては、事前に弱った前歯や虫歯が欠ける可能性があることを説明する場合もあるようです。  

しかし、病院ではその歯科的な対策をすることはないと思います。
 ですから、皆さんは事前に入院や手術の予定がある方は正しい歯科治療と何らかの対策をした方が良いかも知れません。




学生時代、身内が入院した際に某医療センターの麻酔科医の先生にお話を伺ったことがありました。

麻酔科医の先生は、以下のようにおっしゃっていました。

「歯医者の先生方が治療した前歯は時々壊れたり、脱落することがありますね」
「大部分は、気管内挿管の抜菅の際が危ないですね」


私はこれを聞いて、そういった歯科関連の問題が全身麻酔時には起きることをその時に初めて知りました。




全身麻酔に関しては浜松医科大の易しい解説 を是非参照して下さい。




 開業してから、しばらくあまりそのようなことを気にしていませんでしたが、↑の写真のような感じで前歯が外れたとある患者来院されました。

入院し手術時に前歯が外れたとおっしゃっていました。
すなわち、気管内挿管のチューブを無意識に咬み込んでしまい非弱な前歯が耐えられずに脱落してしまったようです。

このように、弱った前歯はモノを強く噛み込んでしまうと壊れてしまうことがあります。
それが、入院中だと例え病院に歯科外来や口腔外科があっても必ずしも適切な対応がされないことがあるようです。






◎大切な歯のために歯科が適切に対応すべきこと


入院を前提とした患者さんへは、以下のような(応急)処置や対策が可能です。

特に、・条件が悪い前歯の補綴物が装着された場合
       ・重度の歯周病患者さんで前歯の動揺度が大きい場合

      などの患者さんは、もし入院する事が事前にわかる場合は適切に備える必要がありそうです。
  例えば、進行した歯周病の患者さんで前歯の動揺が大きい方は、ワイヤーを併用して暫間固定(歯を暫間的に固定処置する方法)などで対応できる場合には事前に対応すべきでしょう。

特に前歯に虫歯がある時には必要な充填処置や補強などの対応は必要です。

そして、以前前歯部を補綴治療した患者さんで脱落の心配がある場合は、後に書くようなマウスピースなどによる対応は実際的であると私は考えます。

◎マウスピースで前歯を保護しました。




ある時以前、前歯部を陶材焼き付け冠(セラモメタルクラウン・メタルボンド冠)で治療した70才の患者さんが再来院しました。
近々、入院して胃の手術をするとのことで全身麻酔に備えてマウスピースを作製しました。

マウスピース2.jpg

この患者さんには上下マウスピースを作製しました。
装着して術中に外れないような柔軟性のある少し厚みがあるマウスピースを作製しました。


マウスピース1.jpg

バキュームの硬い管を試しに噛み込んで、歯を充分に保護することを確認しているところ。

手術前に、執刀医と麻酔科医に説明してもらい、術中はマウスピースを装着した状態で全身麻酔をしてもらいました。
このマウスピースを実際にこの患者さんが使用し無事に手術を終え前歯も無事て喜んでもらえました。





入院や手術を受ける予定のに皆さんへ:

入院や手術の前に不安がある方は必要な歯科治療をお受けになってから、入院や手術をお受けになることをオススメします。

治療をご希望の方は当院へお問い合わせ下さい。







2012年9月24日







◎義歯を作れない歯科医が患者さんを入れ歯コレクターにしてしまう




久しぶりに総義歯の話とその裏打ち修理に関して書かせて頂きます。

この頃、私などよりも若い先生方は全くもしくはほとんど総義歯や局部床義歯(部分入れ歯)を作ったことがない先生もいます。

また、担当の先生が義歯を作製しても充分に噛めるように調整できずに治療を終わってしまい患者さんが更に他の歯科医院へ転院して、また新しく義歯を作製するような事が巷では起きています。


私は以前、義歯を5つ持って来院した患者さんに出会ったことがありました。
こういった患者さんは一向に充分に噛める義歯を所有しないで歯科医院を転々と歩いているのでしょう。
このように、無駄な時間と無駄に医療費が捨てられるのは、このご時世には無駄が過ぎると思います。

特に義歯を上手く作る事は、歯科医にとっては臨床経験が充分に必要な分野です。

ですから、そういったチャンスもなく意識して積極的に義歯の勉強をしていない先生には、いくら治療費を払っても噛める義歯が作れません。

義歯使用の患者さんで来院する方の多くは、「義歯でうまく噛めない」というのが最も多い主訴です。

それもそのはず、保険・自費治療に関わらず、殆どのそういった患者さんの義歯は充分な口腔内での調整がされていないからです。
義歯は、口腔内で機能的に咀嚼できるように調整(修整)することが必須です。

特に、滑らかな顎運動や咀嚼運動が出来ないものでは、殆ど既製の人工歯のまま患者さんのお口の咀嚼運動に併せて人工歯が調整されていないモノが排列されている義歯をみることもあります。

たぶん担当した先生は義歯の調整の仕方を知らないヒトでしょう。
そして時間を費やして調整処置を行うと不採算になるので割愛しているのでしょう。
もちろん、技量や経験がなければ時間をかけても出来ないのかも知れません。







◎適切に作製された義歯は修理して長く使えます。
         より良く義歯をお使い頂くための条件:





ここで紹介するのは十数年前に上下総義歯を作製した患者さんが再来院された時のものです。
十数年が経って義歯がゆるくなった(適合が悪くなった)ので再来院されました。


とにかく、まずはキチンと機能的に使える適切な義歯(総義歯や局部床義歯)を作る事が大切です。

機能的に使える義歯が完成されれば、この症例と同様に、その後義歯と顎堤の間に不適合が生じても裏打ちの修理である"リベース"を行うことでその義歯は長く快適に使用できます。

この患者さんも、義歯と顎堤との隙間を赤い義歯用のシッカリした材料で裏打ち修理であるリベースをしました。


総義歯写真 2.jpg

元々、患者さんの要望に応えて丈夫で良く噛める義歯を適切に作製しておいたので、義歯の不適合が生じても、比較的簡単にリベースするだけで、義歯が元通りの吸着性を取り戻し機能的に咀嚼できる総義歯が甦りました。

下の写真の通り、総義歯と顎堤粘膜面の間にリベース剤(赤い材料)が足された事が解ります。
このリベースにより吸着が良くなり完成直後と同様な良い状態に上下総義歯が甦っています。


正面 2.jpg

リベース後、口腔内に装着した状態:
患者さんは上下総義歯を修理した後、何でも以前と同じように効率よく噛めて、喜んでおられました。



これからも、リベースをすることでずっと快適に義歯をお使い頂けると思います。(^_^)ノ


ヒトの顎堤は年齢や時間経過と共にそのカタチが変化してゆきます。

顎堤の変化はその下に存在する歯槽骨の変化によります。歯槽骨の吸収や変化の速度は個人差がありますが、歯槽骨・顎堤が変化する前提で義歯は考える事が肝要です。

義歯を作製したらその後、生涯で幾回かリベースをして義歯の適合を随時チェックすることで、良い状態でお使い頂けます。

この患者さんも今後、顎堤が変化すればリベースをすることで長い期間義歯を快適に使用できます。
リベースは基本的には何回でも行えるので義歯の管理はこういった修理も含めて柔軟に対応すべきです。


先に書いたように幾つも噛めない義歯を作りコレクションするご老人がいます。

そういったことは患者さんへの正しい歯科医からの啓蒙が足りないことと、受診した担当医が充分に噛める義歯を作製する技量がない事の両方が原因でしょう。ですから我々歯科医は、義歯の臨床技量を習得していることが先決です。


昨今、高額なインプラント治療を勧める先生方が多くいると思いますが、一方では従来型の機能的な義歯を作製して患者さんにお使い頂けるように技量を磨くことをしない傾向も顕著になってきました。

これは歯科界の歪んだ現実の反映でしょう。
そして、シンプルな総義歯さえまともに作れない先生ばかりになっているようにも思います。

私は、特に入院の可能性がある高齢者の患者さんには、口腔清掃との関係性からインプラントでは周囲炎発生のリスクがあります。
一方、インプラントのようなリスクのない安全な義歯はメリットが多いと思いオススメしています。






◎義歯の修理は歯科医院で適切に行いましょう



私には学生時代から20年以上履いている革靴があります。
既に部分的なソールの張り替えやオールソース交換など計3回ほど交換修理しています。
学生時代には好んで履いていた靴なので愛着があります。

毎回、靴職人の方が色々手をかけてくれて戻ってくる時には活き活きと革靴が甦ってるのには驚いたものです。

患者さんのお使いになる義歯も最初にキチンと機能的に噛める義歯へ調整した義歯であれば、その後はリベースなど比較的簡単な修理をすれば長くお使い頂けます。
そして使い慣れた義歯に愛着を持って下さい。


TVコマーシャルで、市販の軟性の裏打ち剤(チューブ入り)をよく見かけますが、これは歯科医院へ受診できない事情の患者さんに限っては緊急処置としては良い材料です。
しかし、基本的には今回の患者さんの義歯と同じように歯科医院で適切に義歯の裏打ち(リベース)をすべきです。


市販のそういった材料で長期間使っている方が潜在的には沢山いらっしゃるようですが、適切なリベースを歯科医院で行えば,より快適で衛生的な義歯に生まれ変わるはずです。

どうか、歯科医院で本格的に義歯の修理を適切に行い義歯を長くお使い下さい。
あなたにとっては日常お使い頂いている義歯はお気に入りの愛着を持つ鞄や革靴と同じかそれ以上のはずです。



義歯作製やリベースの依頼は、当院までお問い合わせ下さい。










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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

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