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2012年8月10日


また、先日の矯正中の患者さんが来院されました。




また違う部位のコンタクト部う蝕です。

もちろん、先日もう蝕の存在は解っていましたが、ご本人や矯正の先生の意向に沿って続きをしようと考えていたところでした。

確かに、小さなう蝕のために何回も来院されるのも大変ですが、
歯のコンタクト部の小さいう蝕治療ではあっても、大きさと無関係に時間がかかります。
ですから、1回に2箇所までにさせて頂いています。

今回も2箇所で1時間以上かかりました。

たぶん、効率の良い短時間診療をされている臨床家ならこのくらいの治療を15分だ、20分だといったことを言われるのだろうと思います(私は正反対の治療の仕方です)。


 しかし、今回、特に矯正の動的治療前のバンド装着に関わるケースのう蝕治療でもあり、ミニマルインターベンションの概念を厳密に遵守する故に、う蝕病巣内部をエキスカベータでえぐり出すように手用器具での処置に時間がかかりました(前回記事参照)。



MIエキスカ.JPG
エキスカベーターが再び登場\(^o^)/


実は、正しいMIをするという事は、地味で大変繊細な作業をすることです。
例えば、先端部が1〜2ミリのこういった耳かきのような器具を使うのですから....






前回同様、このケースのMIの概念に則る処置方法とは、具体的にはう蝕病巣中心部へのアクセスホールは出来るだけ小さく保ち外面的エナメル質を可能な限り大きく残す方法論です。
よって少し時間がかかりました。
たぶん、日常臨床でMIの治療をしていない先生には、この程度の処置すらできないと思います。


隣接面う蝕の特性から、予後を考慮すれば可及的に窩洞外形を小さく保ち、大きく広げるべきではないと考えています。

ましてや、こういった部分を全て従来の複雑窩洞の金属インレーにしてしまったらトンデモナイ事になります。MIは窩洞外形が小さいが故に矯正のバンド装着にあたり、充填物にヒビやリーケージ(隙間)が生じ難いのです。



注意しないと巷の歯科医はとにかく矯正家の意向に関係なく、従来の出来高払いに沿う保険請求額を増すための雑で一本調子の日頃の流儀で雑な治療をしてしまかも知れません。到底、適切な配慮でMIなどの概念に沿う繊細な治療はしないでしょう。



この点は、歯科矯正医が一般医にオファーするならオファー先の歯科医師のスキルまで考慮しないでオファーしてしまったらトンデモナイ事になると思います。そして、矯正の先生自体がう蝕治療概念を理解しておくことは言うでもありません。




intact.jpg

術前:ラバーダム防湿を施した切削前の状態です。

一見、う蝕は見えませんが矯正の先生や矯正治療をされる患者さんは歯間離開用のラバー製のリングを挿入したりする際に、歯間部が少し開くので、その隙間から小さなう蝕を発見することがあります。今回もそのようなケースです。 ↓  

*なお、掲載臨床写真はミラー観は反転しないでそのまま掲載しています。

caries.1jpg

注:これは矯正の歯間離開用のラバーリングを外して、コンタクトが充分に開いた状態です。 

第一大臼歯近心に黒いスポットが見えます。このケースでは単なるステインではなくう蝕の存在を表します。小臼歯にも同部位に一致して黒いスポットとう蝕が存在していました。

隣接面う蝕の特徴はコンタクトを介して、多くの場合は両隣在歯とも同じ部位にう蝕が発生しやすく、隠れたう蝕が潜在的に沢山あることを臨床家は知っておくべきです。


患者さんへのアドバイス:

出来るだけ歯間部はデンタルフロス(糸ようじも可)で清掃して下さい。
デンタルフロスで歯間部の詰まった食片や歯垢を取り除き、う蝕を予防して下さい。




先日は第二小臼歯の近心のう蝕を充填していますが、昨日はその遠心と第一大臼歯の近心う蝕を充填しました。

first_molar.jpg

第一大臼歯近心部を充分にエキスカベートして。アルミニウム・マトリックス、ウェッジ、バイタインリングでコンタクト部を調整中の状態。
 この後、エッチングなどコンディショニング後ボンディングエージェント(一種の接着剤)を塗布するところ。

premolar.jpg
小臼歯遠心は、セルロイドマトリックスを使用し窩洞にコンポジットレジンを充填したところ。

歯間部とコンタクトの状況に応じてマトリックスは適当なモノを選択します。







final.jpg

2箇所のコンポジットレジンが充填し終わったところ。
研磨が終了した状態









「矯正の先生へ 」



術前、術中のう蝕治療を一般歯科医へ依頼する際にはご注意下さい。

特に、矯正でバンド装着する予定歯ならこの水準の充填をすべきです。
感染歯質を残して充填するような現在巷に溢れる不良治療では矯正治療中にでさえ歯痛など問題を生じることさえ有り得ます。

特に成人矯正では、大人の歯牙ならそんなに早くう蝕進行しないと思います。
レントゲンに写らないコンタクト部の微少なう蝕の場合には、敢えて触らない(治療しない)で矯正治療後にう蝕治療してもよいかも知れません。

適切な充填が成されない場合には矯正治療の障害になる可能性があります。
むしろ、オファー先として適当な先生がいない場合には、そのままにしておいた方が良いかも知れません。間違ったオファーは矯正治療を受ける患者さんに迷惑をかけます。


矯正家の先生も一般歯科治療の経験が無く、初めから大学など矯正科で勉強されている方の場合には自身でう蝕処置をしない方が多いと思います。また、充填処置などのことを自身の臨床感覚で理解されていない先生も多いようです。
歯科医へオファーする際には、適切な治療が成されるように充分配慮すべきだと思います。

ここに示すような微少なう蝕治療を行うケースではMIの概念を十分理解し実際にこれを行える術者にオファーすべきでしょう。


日本の接着歯学は世界最高水準で、優秀な材料が日本中どこにいても入手可能です。
しかし、正しい知識とステップワイズでの適切な処理をしないと接着が不良になり隙間ができたり破折や二次う蝕が生じる可能性があるため注意が必要です。

患者さんの口腔内をここ数年観ていて感じることは、科学的適正な臨床が全く行われていない酷い状況です。日常的にそういった姿勢がない臨床家にはこの程度のう蝕治療出さえも精度高く行えません。

複数の臨床家が同じ患者さんを担当する場合には責任を持って仕事を遂行できる条件は必須です。
日本には、実質的な専門医制度が根付いていない(ほぼ存在しない)ので、適切に専門的知識をもって臨床が出来る先生が何処にいるのかも解りません。もちろん、本屋で売ってる「全国名医辞典」なども歯科医の宣伝の本ですから信用は出来ません。


よって、矯正家が他の歯科医院へオファーする際のう蝕治療でさえ、適切にオファー先の先生が処置してくれるか否か確証が持てずに不安です。


これが、以前もブログ記事に書いた通りの日本の歯科界の遅れた酷い現状です。


















「どうやって大写しの写真撮ったんですか?」と質問してきた先生!

少しは勉強しなさい (-_^:)

日常的に口腔内写真で臨床の記録を残さない→臨床に反省がない先生。

すなわち、巷の歯科医は反省をしないので進歩しない臨床家が多いと言えます。

よって、もちろん私の撮ったこの程度の口腔内写真も撮れないのが日本の臨床家の実情です。

全く情けない.....
























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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。