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2012年7月29日


全顎的再治療を考える


皆さんの多くは歯が痛くなった時に、その度に歯科医院へ行き治療されているのだろうと思います。

しかし、そういった治療を長年続けていると、ある時色々な点で不都合が生じます。
そもそも、ある歯科医院へ継続して通院してもお口の中全体を計画的にバランス良く治療することは日本の歯科事情からは極めて希だろうと思います。

ある時点で口全体のバランスが悪くなって上手く咀嚼出来ない状況も生じ得ます。
この場合は、1,2本治療し治して問題は解決できない事が多いと思います。
そういった場合には全顎的治療し直しが必要になります。



「地域再開発事業のコンセプトと同じ口腔内全顎再治療」


現代の社会生活で考えると、街は土地の所有者がある目的や都合で建物などを建設して、そういった建物や施設の集合により街は作られています。街は時代と供に変化してゆきます。
公的に建物や施設に関する規制や法的に条例などが存在しますが、無計画に出来上がった街はある時代になると諸々の不都合が生じます。


この10年、都内では街の再開発事業が盛んに行われています。
東京オリンピック前後に建てられた建造物や道路(首都高)などインフラが現代では都合が悪くなってきたのです。必ずしも100年先までを見通して計画されたわけではない街は、機能不全に陥っているのかも知れません。
個人的にはTokyoの街のダイナミズムが大好きですが、公共の利便性や震災への対応といった観点からはやはり今のTokyoは都合が悪くなったといえるでしょう。
ですから、現在新たにインフラ整備をし、街の作り替えである"再開発事業"がTokyoなど日本の都市部では進行中です。


丸ノ内マンハッタン計画.jpg
丸ノ内マンハッタン化計画より


東京など都会の再開発事業は、大規模に更地にしてその上で計画的に機能的都市計画に基づき都市としてのインフラ整備を伴った都市機能の大規模な建設を行います。

こうして出来上がった街並みは以前と違い機能的な正に現代の社会生活に合致した街並みとなる事でしょう。




////////// 口腔内の再開発事業:全顎的再治療 ///////////




ところで、私はヒトの口の中もTokyoや日本の都市と同様だと考えています。

多くの患者さんのお口の状態はバランスを崩した状態で、しかも一本一本の歯の処置がイイ加減なことが顕著に認められます。一口腔単位で治療計画をしない無計画な歯科治療を受け続けると後年、不都合な状況になります。

計画的に補綴されていないので噛み合わせが悪く充分に咀嚼して食べ物を召し上がれない状態の患者さんも沢山います。そういった場合、(口の中の再開発事業のような)全顎的再治療による作り替えの必要があります。

現実的には、長い間歯科治療を続けていると、このような機能的かつ一部では審美的な問題が生じるのも致し方がない事だろうと思います。

しかし、バランスが悪く数々の問題が生じているのならば、お口の中全体を治療し直してより健康的で良く噛めるバランスの良いお口の健康を手に入れてはいかがでしょうか?

全額再治療でより充実した質の高い生活をおくって下さい!






//////// 保存治療は口腔内のインフラ整備 /////////



我々の口腔内では口の中のインフラというべき組織には、歯を支持する歯周組織と歯の中心に存在する歯髄(神経繊維と毛細血管などによる組織)があります。

これらの健全性が保たれてこそ正しいカタチで歯は機能でき正しく咀嚼できます。

ですから、歯周病に罹患すれば歯周病治療を行います。また、歯髄が侵された時には歯内療法治療を適切に行います。歯を健全に維持してゆくためにはこういった歯科保存治療は必須です。


歯周組織と歯髄の保存や適切な治療は、街で例えれば、まずは建物の堅固な基礎構造・上下水道・電気ガス・インターネットなどを整えることです。
歯を支えていく組織の健全性はこれら社会のインフラ(インフラストラクチャー)と同様に必要条件です。




今まで適切な歯周病治療が一度も行われずに、ただ冠やブリッジや詰め物等の漠然とした治療を受け続けてこられたケースを患者さんの口腔内でよく見かけます。
そういった状況は現在の歯科界を象徴する問題点です。



患者さんは過去の治療に問題がありそうなことを治療した後時間が経ってお感じになっているようです。特に、過去に治療した詰め物が外れたり壊れたりする場合や補綴された歯が痛んだり歯茎が腫れたりすれば過去の治療に当然、不信感をもたれると思います。

口の中全体を治療し治したいけれどきっかけがなく、適切に治療してくれる歯科医院が解らない。

そういった事で悩んでいる患者さんが潜在的に沢山存在します。
当オフィスに来院する全顎的再治療を希望する患者さんも同様です。
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そういった患者さんにとっては過去に治療した部分を再治療する。すなわち、新しい適切な補綴物を装着して口腔内を再構築しより良く機能的咀嚼を可能にする事が主な治療目標です。

もちろん、インフラ整備である歯周病治療や歯内療法学的治療を必要性に応じてやり直すことが大前提です。

手間(時間)も費用もそれ相応にかかる生活の喜びにも関係する大切な治療です。
我々が説明する治療の概念を正しく理解して、治療の価値観を含めて治療(計画)に同意されれば、実際の治療計画に沿って治療を開始してゆきます。




////////////////    ある症例の解説    /////////////////


これは、今年終えた全顎再治療の一症例です。

この患者さんは公務員で来年退職予定です。
働いているうちにお口の中をキチンと治療し直したいというご希望で来院されました。

都内の2,3軒の歯科医院で色々な治療を受けていましたが、各歯個別の治療が充分でない気がしていたようでした。また、必ずしも噛み合わせがしっくりいかない。過去の修復物も摩耗したり不安があるのでより良いモノに補綴修復してもらいたい。
こうして、全顎的再治療を希望されました。






レントゲン診査から:




SH_panorama.jpg
術前のレントゲン像(デジタル・パノラマ撮影)




口腔内のインフラである歯周組織と歯髄の治療(歯内療法学的治療)状態の問題点がレントゲンで概ね解ります。
レントゲン像からは顕著な歯周病の徴候は無いように見えますが、歯周組織の検査(プロービングによるチャート診査)で中等度の歯周病がチェックアップされました。

よって、全顎に歯周病治療の基本であるスケーリングとルートプレーニングを徹底的に行いました。また、歯内療法学的には、上顎前歯の根管治療が不良でした。→再根管治療をしました。

このケースは全顎再治療ケースの中ではそれほど酷い状況とは言えないでしょう。

私は、全顎的再治療を沢山経験してきましたが、不良な根管治療が沢山あり、歯周病治療も一年以上を要する手間のかかるケースも多く経験しています。

今回は主に補綴学的不都合が再治療することの主たる根拠です。
それでも、治療には1年弱の期間を要しました。




正面観写真ー術前術後の比較


SH正面.jpg
術前・正面観:歯冠部レジンが酷く摩耗して見かけが不良になった外観


SH完成正面.jpg

術後・補綴物装着後の正面観




術前正面観: 目につくのは上顎前歯部の表面が摩耗して解剖学的唇側面の特徴が消失しているレジン前装冠です。

旧世代の耐摩耗性が低い硬質レジンによるレジン前装冠です。
素人でも何か変な格好の悪い歯だと解るような摩耗など経年変化が起きており、お世辞にも良い状態ではありません。
硬質レジン前層冠は、金属の上にレジン(一種のプラスチック)を盛って作製しますが、 レジンが摩耗しています。これにより金属部の地も露出している箇所が幾箇所あります。

ちなみに、現在の新世代レジンであるハイブリッド型コンポジットレジンでは物理学的特性が飛躍的に改善されています。新世代のハイブリッド型では、この写真のような摩耗は生じ難く、格段に良い耐久性が実現されています。


また上顎左側側切歯(2番)はう蝕で黒変した歯根が露出しています。う蝕失活歯を放置すると時にはこのように真っ黒に黒変する事が認められます。
この変色した質色は変えることが出来ません。歯周ポケット部を透過して歯肉部にまで黒い色調が透けて見えています(写真参照)。
黒変した歯根の色は仕方がありません。これを防ぐには幼少期からのう蝕予防や早期の適切な歯科治療を受けて防いで頂きたいと思います。
逆に言えば、若年期に発生したう蝕でこういった見かけ上の不良状態(審美障害)にまで影響を及ぼします。健康的で美しく健全な歯を維持したいと思う方は是非、予防的歯科治療をお受けになり適切な口腔清掃を実践して下さい。


左右側方面観写真


左右側方.jpg
上が術前・側方面観
下が術後・側方面観


左右側方面観:下顎左右第一大臼歯(6番)が両側とも欠損しています。右は最終補綴物では欠損のまま補綴学的に工夫して目立たなくし歯間ブラシなど補助的清掃腰部での清掃性にも良いように形態にも留意しました。
(仮歯(テンポラリークラウン)の時に形態を試行錯誤して清掃しやすい状態を決定しました。
左側は欠損部は小さなポンティックを持つブリッジで補綴されていましたが、より清掃性に配慮し適切な形態を最終補綴では表現しました。また両側とも歯肉縁上にはレジン充填がされていてう蝕傾向の高さを物語っています。

臼歯では有髄歯のまま健全な状態で補綴して安全で長持ちする補綴物を設計しました。
大臼歯部では縁上のエナメル質に補綴物マージン(辺縁)を設定しています。


術前咬合面観(上顎):前歯にはレジン前装冠よるブリッジ(左側中切歯欠損)が装着されています。また、臼歯には辺縁に隙間や不適合のある金属製インレーやアマルガム充填が成されていました。

再治療過程でこれら全ての術前装着/充填されていた補綴修復部には感染歯質の取り残しや二次う蝕による感染歯質(軟化象牙質)が沢山残されていて酷い状態でした。

感染歯質を徹底的に除去してコンポジットレジンで充填した後、支台歯形成をしました。全顎的に補綴物はセラモメタルクラウン(陶材焼き付け冠)を作製・装着しました。

また、大臼歯は咬合面をメタルにして、咬合面の陶材が破折するリスクを避けました。
頬側面は広角部に見えて目立つため、陶材(ポーセレン)にしてあります。

セラモメタルクラウンではメタル部の設計は患者さんの要望や審美的な要求性などにより決定されます。

臼歯部でメタルが気にならない場合には、特にこの症例と同様に、大臼歯咬合面をメタルでカバーする設計は安全な方法論だと考えています。


咬合面下顎ー

ブリッジ比較.jpg

術前→術後:術前は下顎・左側ブリッジはインレーによる部分冠で支台歯をカバーする設計のブリッジでが装着されていました。
 
支台歯を部分冠でカバーする設計は歯牙の削除量が少ないという利点はありますが、咬合圧が長年かかるために、このケースのように歯牙と部分冠の金属の境界(マージン)部に隙間が生じて二次う蝕やブリッジの脱落も生じやすく問題があります。

*そもそも部分冠をブリッジ支台歯に適応する際には辺縁封鎖性が良い延びがあるハイカラットの金合金を使用することが学問的常識です。この場合のように金の含有量が少ない辺縁封鎖性が悪いパラジウム合金を使用するのは間違いです。


再治療ではブリッジの設計を変えて、支台歯は通常のフルカバレッジでオーソドックスなセラモメタルクラウン製のブリッジを作製・装着しました。

また欠損部ポンティックでは歯間ブラシによる清掃を適切に行えるような歯間空隙を設定しています(側方写真も参照)。







右側比較 .jpg

術前→術後:欠損部の間隔が比較的狭いことから、右側ではブリッジにはしないでポンティックを設定しないで5番遠心と7番近心の欠損部側での豊隆形態調整で歯間ブラシで清掃しやすい連結冠を作製装着しました。






SH術前スライド.jpg
術前口腔内・五枚法:術前の補綴物に注目




SH完成スライド.jpg
術後口腔内・五枚法:補綴再治療完成(術前と比較して下さい)








//////////  治療のコンセプトとポイント  //////////


再治療では術前の補綴設計の欠点を改善してにより安定した補綴を設計しました。
すなわち、今回の再治療ではフルカバレッジ(全部被覆冠)のクラウンで支台歯をカバーするオーソドックスな精度の高いブリッジを装着しました(上述文章参照)。

この症例の再治療する補綴設計のポイントは、セルフケアし易く安全で長持ちする予知性の高い補綴治療です。

鉄則通り、ポーセレン(陶材)はポーセレンと噛み合うように、またメタルはメタル同士もしくはメタルと天然歯質が噛み合うように上下顎の補綴物を設計しています(上下顎・咬合面に注目)。

具体的には、患者さんの希望で大臼歯部では咬合面を陶材ではなくメタルでカバーしました。
ただし、頬側は口角部で金属が目立つためにポーセレン築盛にしました。
また前歯舌側部2/3はほぼメタルでカバーして下顎前歯切端は上顎前歯のメタル部に咬合して陶材の破折リスクを軽減しました。

このように、患者さんの希望に応じて適切な補綴の設計をして長持ちする安全な治療を提供する事は私のポリシーです。

時折、金属と陶材が咬合し合うような間違った補綴設計を平気でしていて、陶材が剥がれたり、破折している症例に遭遇します。
このような、歯科医や技工士の常識不足は患者さんに迷惑をかけることのなります。

補綴物治療は、今回はフルカバレッジ(全部被覆)のセラモメタルクラウン(陶材焼き付け冠)で補綴物をしました。
今回もラボテクニシャンがマイクロスコープで精度高い技工を行っています。
高精度のクラウン&ブリッジにより安心出来て長持ちする補綴治療は可能になります。



術前に装着されていた修復物を除去して感染歯質を徹底的に除去した上でコンポジットレジンなどを一度充填してから、支台歯になるように歯を形成し、そこへクラウンやブリッジを装着しました。
私が、通常行っている抜髄などしない生活歯のまま有髄で保存する生物学的築造方法です。

歯髄を健全なカタチで保存して、有髄歯として可能な限り歯を保存することで安全で長持ちする生物学的に健全な状態で補綴治療を致しました。

いわゆる怪しい造語の"審美歯科"という造語を頻繁に使う先生方(の大部分)のように補綴する際は、正しい根拠も無く安易に抜髄してから補綴する。
そういった誤った・イイ加減な診療常識で治療をする先生方とは生物学的な常識の捉え方には大きな違いを持っています。

ただ、審美性改善や追求といったことのために、生体にとって必要な治療概念を誤る安易で軽率な歯科医には我々保存学を正しく解釈する歯科医は呆れています。

このように私は、歯周病学や歯内療法学を通じて歯科保存学を学んだ人間として、生物学的かつ生理学的に正しい世界的科学的根拠に基づき歯科治療をしています。

昨今の歯科医療に不安をお持ちの方も、安心して予後の良い当オフィスの歯科治療をお受け下さい。




ところで、
あなたのお口は大丈夫でしょうか?




再治療をお考えの方は是非、麹町アベニューデンタルオフィスへご連絡下さい。



                                                                                         ホリエモ〜ン! (^_^)ノ









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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

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日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。