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2010年11月27日


「 症例のイントロ 」

今回、ちょっとした虫歯治療の症例をご覧頂きます。

この方は、私のブログを以前から良く読んでくれた読者で、適切に治療してくれそうな医院を探していたそうです。文京区に住み、区内のIT関連会社に勤務する20代の若い患者さんです。

有り難いのは、お住まいの周辺や会社周辺でも沢山歯科医院があるのに、千代田区麹町までお通いいただけたことです。すなわち、ネット上などから自分が得た知識で我が医院の治療内容を気に入って通ってくれたのです。逆に、一般的患者さんの場合には、オフィスに近いという来院動機が多いのです。この場合、どういった医院かも解らずに近いだけで歯科医院を選んでいることになります。

ところで、女性の中には美容室選びに神経を使ってる方は多いはずです。先日は「私、美容室難民なの」と、ある女性が言っていました。すなわち、表参道にある美容室の前任の美容師が遠方の美容室に移ったので、適当な新しい美容室を探しているが、まだ見つけられないで困っているといったことらしいのです。このように、女性の多くは、美容室選びにはかなり真剣です。埼玉の実家から、表参道まで通うこともいとわないのですから。

ここで、私はあえて言いたいのです。
「美容室と同じくらい、歯科医院も真剣に選んだらどうですか」と。

この頃、女性のみならず男性も含めて、多くの患者さんが本当に良い歯科医院を探しているのか疑問に思うことが多いので、もう少し真剣に歯科医院を選択した方がよいのではないかと思っているのです。明らかに怪しい歯科医院に受診して、困ったときには、また違う医院へ転院して複数院を延々と渡り歩いている方が世の中に多いのです。


 これは、人生における大きな無駄です。


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患者:安田忠夫さん(仮名)

年齢:25歳

全顎的には、軽い歯肉炎や下に提示するような、二次う蝕(二次カリエス)を数本治療して終了しました。後は、本人のご希望通り、3ヶ月に一度のメインテナンスに来て頂くだけです。

下顎右側・第二小臼歯(45)、第一大臼歯(46)、第二大臼歯(47)に矢印に示す部分にカリエス(虫歯)が認められます。

1:治療する45,46,47にラバーダム防湿法を施し、外部(口腔内)と隔絶しました。これは唾液汚染、乾いて綺麗な環境の確保、器具による事故防止といった条件を得るために、必須な方法です。
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なお当院では、歯の神経の治療や虫歯を充填する 時には保険・自費にかかわらず、ラバーダムを装着できる歯には必ず使用しています。
(現在、ラバーダムは保険請求上算定できません。=当院の負担です。)

2:以前充填された不適合充填物(インレー)とカリエスが認められる部分を切削・削除しました。

窩洞にう蝕検知液を滴下した後、水洗し赤く染まった感染歯質を確認しました。赤く染まった部分は、細菌の侵入がある部分で、除去しなければならない部分です。

4:検知液で染まった感染歯質を注意深く除去して、窩洞は綺麗になり、CRを充填する直前。46近心との間に金属隔壁としてのマトリックス装着とバイタインリングにより、コンタクトを適切に回復させました。

こういった方法を高いレベルで再現するには,術者のトレーニングによる技量が必要です。
詳しくは、以前のブログを参照のこと。


5:46と47間にマトリックスを装着し、46の遠心~咬合面にボンディング・プライマー塗布前にエッチング処理しているところ。ブルーのジェルがエッチング剤
6:エッチング後、ボンディング剤を塗布する前の状態
ボンディング前に、処理した窩洞歯質面に余計なモノ(唾液・呼気・その他汚染物質)が付くと接着が阻害されます。この点からも,このようなラバーダムによる術野の隔絶が必要な理由が理解していただけると思います。処理面が汚染されると、接着が不十分になり、後で亀裂などが生じ、二次う蝕や時には充填物脱落などの懸念があります。

7:これが、充填完了時の状態です。、クリアコーティングを行い完了します。

8:次回来院時に、撮影した口腔内での修復物像 
適切なコンタクトの付与(接触点回復)、咬合回復が得られていました。

術前術後の拡大像での比較
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46は、辺縁不適合で充填物(CR:コンポジットレジン)と歯質のマージン(辺縁・境目)に黒く色素が入り込んでいます。ここから、細菌が入り込み二次う蝕(充填後二次的に生じる虫歯)が生じます。また、47は保険のパラジューム合金によるインレーが装着されていますが、肉眼では解りずらいですがマージン部に隙間や不適合があります。これら充填物辺縁(マージン部)の隙間は、う蝕を作る細菌レベルでは大変大きなモノになるのです。我々は細菌レベルで、マージン部からの細菌進入を防ぐ方法をとる必要があるのです。

上のような観点から、47のような雑な金属充填や46の不適切なCR充填では処置したことにならず、むしろ二次的なう蝕を誘発させていることになります。私が行ったこのようなCR充填と同じように、厳格な環境や条件で治療されたときに、安定した予後の良い修復が可能になるのです。一般的な医院で行われているラバーダムすら使用しないような充填では、予後の良い治療を達成するのは難しいかも知れません。

多くの患者さんが、「虫歯治療なら、どこでも同じだろう」と考えているようですが、全く間違っています。これは、上の例を見ていただければおわかり頂けると思います。不十分な治療は歯の寿命を縮めます。

現在、街場の多くの歯科医院でみられる治療がそのレベルで、大変いい加減なことが多いのです。より精度の高い安全な方法での治療を望む方は、高いレベルの治療をルーティンで実践している先生を捜す必要があります。
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決して、虫歯治療だからといって軽く考えないで下さい。きちんとした治療をしないと後で問題が生じて歯の寿命は短くなるかも知れません。注意しましょう!


  さて、皆さんはこのような治療を受けたくはありませんか?どちらの治療を受けたいですか?


「 自分の目で歯科医師を選択するのが基本 」

残念ながら、医療機関には"ミシュラン"のようなモノは存在しません。いわゆる「全国名医辞典」といった本も医師自らが掲載料を払って載せているので、良医選択の客観的基準にはなりにくいと思います。ですから、そういったモノを鵜呑みにしない方がよいでしょう。

このブログを書くきっかけの一つに、こちらの診療内容やレベルを開示し、患者さんに広く見ていただこうということがありました。もちろん、これで何らかの信頼を持っていただけたなら、ご来院いただきたいのですが、いい加減な処置が多い歯科医院を避けて、良い治療内容を知って良医に巡り会っていただこうという一種の啓蒙的意味合いもあるのです。

これをお読みの方々は、今回この症例の安田忠夫さんのように、よく勉強してから良医を選択して歯科医院へ通った方がよいかも知れません。ただこれは難しいことですが。。。


◎このブログを初めてお読みになった方へ

 このブログに関して是非詳しくは、以前書いたブログもお読み下さい。

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

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