ブログを読んで来院した患者さんの1症例:知識を持ち、医院を選択が基本
「 症例のイントロ 」
今回、数日前に終わったちょっとした症例をご覧頂きます。
この方は、私のブログを以前から良く読んでくれた読者で、適切に治療してくれそうな医院を探していたそうです。文京区に住み、区内のIT関連会社に勤務する20代の若い患者さんです。
有り難いのは、お住まいの周辺や会社周辺でも沢山歯科医院があるのに、千代田区麹町までお通いいただけたことです。すなわち、ネット上などから自分が得た知識で我が医院の治療内容を気に入って通ってくれたのです。逆に、一般的患者さんの場合には、オフィスに近いという来院動機が多いのです。
この場合、どういった医院かも解らずに近いだけで歯科医院を選んでいることになります。
ところで、女性の中には美容室選びに神経を使ってる方は多いはずです。先日は「私、美容室難民なの」と、ある女性が言っていました。すなわち、表参道にある美容室の前任の美容師が遠方の美容室に移ったので、適当な新しい美容室を探しているが、まだ見つけられないで困っているといったことらしいのです。このように、女性の多くは、美容室選びにはかなり真剣です。埼玉の実家から、表参道まで通うこともいとわないのですから。
ここで、私はあえて言いたいのです。
「美容室と同じくらい、歯科医院も真剣に選んだらどうですか」と。
この頃、女性のみならず男性も含めて、多くの患者さんが本当に良い歯科医院を探しているのか疑問に思うことが多いので、もう少し真剣に歯科医院を選択した方がよいのではないかと思っているのです。明らかに怪しい歯科医院に受診して、困ったときには、また違う医院へ転院して複数院を延々と渡り歩いている方が世の中に多いのです。そして、歯の寿命は短くなります。
これは、時間もお金も無駄になり、歯の寿命は短くなり・人生における大きな無駄です。
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患者:安田忠夫さん(仮名)
年齢:25歳
全顎的には、軽い歯肉炎や下に提示するような、二次う蝕(二次カリエス)を数本治療して終了しました。後は、本人のご希望通り、3ヶ月に一度のメインテナンスに来て頂くだけです。

下顎右側・第二小臼歯(45)、第一大臼歯(46)、第二大臼歯(47)に矢印に示す部分にカリエスが認められます。

1:治療する45,46,47にラバーダム防湿法を施し、外部(口腔内)と隔絶しました。これは唾液汚染、乾いて綺麗な環境の確保、器具による事故防止といった条件を得るために、必須な方法です。*ラバーダム防湿法に関しては、以前のブログを参照のこと
なお当院では、保険・自費にかかわらず、ラバーダムを装着できる時には必ず使用しています。
(現在、ラバーダムは保険請求上算定できません。=医院負担です。)
2:以前充填された充填物とカリエスが認められる部分を切削・削除しました。
3:2の窩洞にう蝕検知液(カリエス・ディテクター)を滴下した後、水洗し赤く染まった感染歯質を確認しました。赤く染まった部分は、細菌の侵入がある部分で、必ずこれは除去しなければならない部分です。
4:検知液で染まった感染歯質を注意深く除去して、窩洞は綺麗になり、45遠心にCRを充填する直前。46近心との間に金属マトリックス装着とバイタイン
リングにより、コンタクト部を拡張したところ。マトリックスと45歯質とは隙間無く適合して、また46とのコンタクトを適切に回復させる必要があります。
こういった方法を高いレベルで再現するには,術者のトレーニングによる高い技量が必要です。
詳しくは、以前のブログを参照のこと。技術的にいい加減な場合は、二次的に障害を与えることがあります。

5:46と47間にマトリックスを装着し、46の遠心~咬合面にボンディング・プライマー塗布前にエッチング処理しているところ。ブルーのジェルがエッチング剤(ortho-phosphate37%)です。
6:エッチング後、ボンディング剤を塗布する前の状態
ボンディング前に、処理した窩洞歯質面に余計なモノ(唾液・呼気・その他汚染物質)が付くと接着が阻害されます。この点からも,このようなラバーダムによ
る術野の隔絶が必要な理由が理解していただけると思います。処理面が汚染されると、接着が不十分になり、後で亀裂などが生じ、二次う蝕や時には充填物脱落
などの懸念があります。
7:これが、充填完了時の状態です。綺麗に充填完了したことを確認してください。この後、注意深い充填部辺縁の診査、形態修整、咬合調整、最終研磨、クリアコーティングを行い完了します。
8:次回来院時に、撮影した口腔内での修復物像
適切なコンタクトの付与(接触点回復)、咬合回復が得られています。

術前・術後の拡大像での比較
46は、辺縁不適合で充填物(CR:コンポジットレジン)と歯質のマージン(辺縁・境目)に黒く色素が入り込んでいます。ここから、細菌が入り込み二次う
蝕(充填後二次的に生じる虫歯)が生じます。また、47は保険のパラジューム合金によるインレーが装着されていますが、肉眼では解りずらいですがマージン
部に隙間や不適合があります。これら充填物辺縁(マージン部)の隙間は、う蝕を作る細菌レベルでは大変大きなモノになるのです。我々は細菌レベルで、マー
ジン部からの細菌進入を防ぐ方法をとる必要があるのです。
上のような観点から、47のような雑な金属充填や46の不適切なCR充填では処置したことにならず、むしろ二次的なう蝕(二次カリエス)を誘発させていることになります。
私が行ったこのようなCR充填と同じように、厳格な環境や条件で治療されたときに、安定した予後の良い修復が可能になります。一般的な医院で行われているラバーダムすら使用しないような充填では、予後の良い治療を達成するのは困難です。
多くの患者さんが、「虫歯治療なら、どこでも同じだろう」と考えているようですが、全く間違っています。これは、上の例を見ていただければおわかり頂けると思います。不十分な治療は歯の寿命を縮めます。
現在、街場の多くの歯科医院でみられる治療がそのレベルで、大変いい加減です。より精度の高い安全な方法での治療を望む方は、高いレベルの治療をルーティンで実践している先生を捜す必要があります。
さて、皆さんはどちらの治療を受けたいですか?
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「 いかに正しい知識や技量を習得しているか 」
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私が使用している先進的歯科修復学の教科書(の一例)
こういった修復方法は、学校では教えないモノです。ですから、欧米の教科書を取り寄せて勉強しています。また、歯周病学は著名な教科書以外に欧文学会誌を3誌購読しています。学会誌は、特に最新トピックに関しては必須です。
世界的にインパクトファクター*が高い学会誌や著名で上質な教科書は、ネット経由もしくは専門書店で購入や購読が可能です。ですから、日本中どこにいても
世界標準の歯科医療は勉強できるのです。利用しない方が可笑しいと思います。講習会に頻回に通っている先生が周りに沢山いますが、どれだけ身につくか疑問です。
また、これらは主催の先生の我流の治療法など、指導する先生方のフィルターが加わっている講習が大半で怪しいモノが多いのです。やはり、歪曲されていない欧米研究者のオリジナルを勉強しなければいけません。
ある程度基礎を身につけたら、くだらなく怪しい講習会に何万円も払うよりも、教科書や文献を取り寄せた方が沢山の情報が得られ、それを使って繰り返し勉強が可能になるため、よっぽどマシだと思います。(良い講習会や勉強会を判断して、そこで基礎固めをすることは、もちろん若い先生方には必須です)
*インパクトファクターとは、どれだけその雑誌(Journal:学術雑誌)から論文の引用があるかといった、引用率のことです。これが高いということは、多くの研究者がその雑誌の論文に注目していることであり、それだけ学術的信頼度の高い良い雑誌であるということです。
「 自分の目で歯科医師を選択するのが基本 」
残念ながら、医療機関には"ミシュラン"のようなモノは存在しません。いわゆる「全国名医辞典」といった本も医師自らが掲載料を払って載せているので、良医選択の客観的基準ではあり得ません。ですから、そういったモノを鵜呑みにしないで下さい。
このブログを書くきっかけの一つに、こちらの診療内容やレベルを開示し、患者さんに広く見ていただこうということがありました。もちろん、これで何らかの
信頼を持っていただけたなら、ご来院いただきたいのですが、いい加減でウソの多い一般歯科診療を避けて、良医に巡り会っていただきたいという一種の啓蒙的
意味合いもあるのです。
これをお読みの方々は、今回この症例の安田忠夫さんのように、よく勉強してから良医を選択して歯科医院へ通った方がよいかも知れません。
◎このブログを初めてお読みになった方へ・是非、以前書かれたブログもお読み下さい。
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◎当院・院長手製の小冊子↓
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◎当院では、虫歯1本から徹底的治療を致します。
歯でお困りの方は、是非ご相談下さい。
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