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2009年3月16日

「 儲かると思って歯科医師になった先生 」



 親が歯科医師でないヒトが圧倒的に多く歯科医師になっています。別に、世襲制の歯科医院が良いと言っているわけではありませんが、歯科医師の心持ちのよ
うなモノが狂ってきているのでこういったことを言及しているのです。私が大学に入学した頃は今よりはまだ歯科医師の実入りが良い頃で、何を間違えたのか儲
かると錯覚して歯科大に入学する学生が多かったように思います。今頃になってようやく、歯科界の状況が悪いことが解ったらしく、最近は獣医になる人が多い
そうです。しかし、何か間違っているように思います。私の同級生でも商人や一般の経営者の息子は、ベースとして歯科医師になったのは金儲けのためと考える
ことが圧倒的に多いようです。私から言わせれば、品格に欠ける先生方です。概して、そういった先生は内容の悪い無理な治療をする傾向があります。基本的な
知識の吸収をおろそかにして、ド派手なインプラント治療など平気でするコワイ先生も多いのです。多くの先生の技量や見識のいい加減さや頭の悪さを患者さん
が知ったら、治療など怖くて受けられなくなるはずです。(しかし、知らずに大枚を払って治療されている患者さんも多いのです。)





・・・





「 インプラント治療の良心とは? 」



例えば、1顎全部1歯に1本ずつ(欠損歯分)インプラントを埋入している例を見かけることがあります。これが安全な方法論のコンセンサスではないし、むし
ろリスクを高めていると私は思います。そういった治療をした方は責任取れるのでしょうか??たぶん、責任を取れるからおやりになったのでしょう。



沢山埋入できれば先生は儲かりますが、元々の歯の本数だけ埋入するケースでは、術者はインプラントと天然歯との違いがわかっていないと私は思います。以下
に示す私の症例は、何か歯周病学的問題が生じても歯周病治療ができる天然歯牙を支台にする場合です。インプラントでは、天然歯のように簡単にスケーリング
したりできません。高齢な方ならなおさら、近々に病気になったり入院する確率が高く、つまり口腔清掃不足でダメになる確率がかなり高いと思います。天然歯
とインプラントの場合の良い比較になるとも思います。



私が行った以下に示すケースは、残存歯を保存した結果としての補綴学的対応として必然性があり、対処方法は妥当だと私は思います。抜歯後、無歯顎に総義歯の選択をしないで、顎堤に人工物を欠損歯分埋入したインプラントとは全く質的に異なります。



cf.一例です。





たしかに、インプラントという人工歯根で、天然歯と同じように使用できればそれにこしたことはありません。もし、天然歯と同じ特性が得られれば素晴らしい
ことだと思います。しかし、まだそんな理想的システムは発明されていません。もちろん全欠損歯に対してインプラントを埋入するケースを選択した場合は、埋
入本数に起因するリスクを術者も患者も承知していなければなりません。 







 私の見解は↑のようですが、皆さんはこれをどう思いますか?



 無歯顎にインプラントを欠損歯牙の本数だけ埋入することを希望しますか?





・・・







「 親子二代で治療に関わる 」



 さて、本題です。数年前のある日、私の父が40年前に治療した患者さんが、再度補綴治療を希望して来院されました。昔父親が苦労して作ったと思われる補
綴物が装着されていましたが、一部歯周病で歯を失ったり、前層冠のレジンもすり切れて壊れてきたようで、良く噛めるように治して貰いたいとの希望でした。



 我が家は、祖父から3代歯科医院を営んでおります。この患者さんは現在70代後半くらいですが、早く下顎の奥歯を無くし、おそらく30歳代後半にこの治療を受けたと思われます。これくらい補綴物が保てば、患者さんに叱られることもないと思います。



父が治療した後を約40年経ってから私に再度治療させていただけることは、大変に有り難いことです。そういったことを感謝しながら、この症例をお受けしました。



昨今の将来どうなっても術者の責任がないような治療の姿勢とは対極とまではいかなくても、そういった治療より遙かに責任を持ったコンセプトがこの症例には存在すると思います。皆さんは、この症例をどうお感じになりますか?









[ 症例Y.S. ]





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上顎左側臼歯の欠損があります。前歯前層冠も摩耗しています。また、局部義歯の装置が狂い、顎堤吸収のため義歯も安定せず噛みづらいとのことでした。



前歯部の歯周病も進んでいました。



術前5枚






↑これが、術前の状態です。



 この設計の欠点は、前歯と臼歯は別々の連結冠で作られている点です。ですから、もしどれか1本でもダメになったら歯が欠けたままになって困ります。その
都度クラウンなりブリッジを再作製するのは非効率で無駄です。しかし、この設計自体は健全歯が多く残存していた時点では当然かも知れません。

 お歳や口腔内の状況を考えて、私は上顎は義歯をお入れになりたくないとの意向から、クロスアーチタイプの連結冠を設計し長期間補綴物が安全に長持ちする
よう考えました。これなら,どれか一本ないしは複数本歯がダメになっても、連結冠はそのまま使用し続けることができます。





義歯が入った状態と義歯




これが、術前の局部義歯



父親の作製した局部床義歯はIバー(維持装置)を使っています。



この装置は鉤歯(維持装置をかける歯)にストレスが強く掛かる可能性がある装置です。鉤歯にストレスを余り掛けたくないので、最終補綴には線鉤(線を利用した維持装置)を使うことにしました。



昔の義歯の多くが、維持装置に頼る考え方のため、床が小さい特徴があります。私は、総義歯に準ずる辺縁を持つ床を作り、維持装置に依存しない局部総義歯を作製しています。こうすると、安定し維持装置に問題も起こりません。







クラウン除去4枚




古いクラウンなど補綴物を除去しました。

陥没部には、暫間的にセメントを充填して、大まかな形成を済ませました。

当時の補綴の常識や技工士・技工所の問題を考慮するとこういったレベルが水準だったのかも知れません。しかし、問題はあるとはいえ、ここまで保存できたことは十分だと思います。



今後、痛んだ歯牙を支台歯にした私の補綴物は、そんな長期保存はできません。お年を考えるとこれから十数年でも十分なのかも知れませんが、高い補綴物の精度で問題を生じないようにすることがもちろん必要です。いつものように、精度の高い形成と印象や技工で対応しました。



プロビジョナル5枚法模型上




予め、プロビジョナル・レストレーション(仮の歯)をラボで作製しておきました。



写真のように最終補綴物を仮定して、咬合状態など一部の補綴物にだけストレスが掛からないように、グループファンクションに近い咬合状態を達成しました。



作製したプロビジョナル・レストレーションで上手く咀嚼できるのなら、そのカタチを参考に最終補綴物を作製します。





プロビジョナルセットデンチャー有無6枚




プロビジョナル・レストレーションを装着して、調整を終えたところ。



この後、歯周外科手術など行い治癒を待ちます。プロビジョナルを装着し安定した状態で咀嚼できるようにしています。この後、快適にいられるので数ヶ月の治癒期間も困りません。(こういったプロビジョナルを装着せずに数ヶ月間放置することは,避けるべきです。)



ココには画像は掲載していませんが、プロビジョナル装着後、前歯部も歯周外科手術により健全な歯周組織を獲得しました。





左側臼歯歯冠長伸展術




クロスアーチ連結冠にするため、できるだけ多くの歯牙を支台歯として利用したいので、上顎左側小臼歯は歯冠長伸展術により、健全歯質を縁上に出し支台築造をすることを目指しました。



また、左側第二大臼歯は抜歯しました。





印象前2枚




歯周外科手術後、上顎左側小臼歯2本は支台形成でき、両側第二小臼歯まで支台として利用できました。



歯質をスーパーボンドとコンポジットレジンという材料で、歯冠形態を修整や添加した上で支台歯の形成を完了しました。これは印象前の状態です。印象前の歯肉圧排用コードを歯肉溝に挿入したところです。



クロスアーチ連結冠を装着するための支台歯の平行性に注意しました。2、3回仮印象を行いサベイヤーで平行性のチェックもしています。平行性が少しでも
狂っていると、連結冠のクロスアーチは支台に適合しません。高い技量が術者と技工士に必要とされます。こういった仕事は、十分トレーニングをした術者にの
み可能となります。技量が追いつかないと、結果的に不正確な補綴物により問題を生じ、患者さんに迷惑を掛けます。



*初めにも書きましたが、このケースは天然の歯牙を支台にしています。これがインプラントだったら、患者さんの口腔内清掃が悪くなったら、どうなるでしょ
うか?植立し過ぎは、清掃不良を助長します。ダメになるリスクを高めます。元来、天然歯よりも細菌の感染に弱いインプラント周囲がやられるわけです。ダメ
になったら、どうします??



cf.一例です。



ファイナルセッティング5枚




連結されたセラモメタル・クラウンを装着しました。



上顎両第一大臼歯は、延長ポンティックとしました。これにより、咀嚼能率も上がり良く噛めるような補綴物になりました。



(連結冠は、後ロウ着でフルブリッジの各パーツをロウ着しました。)





義歯入った正面




マージン・フィット(辺縁適合性)が良好で精度が高い補綴物が装着できました。引き締まった歯肉に現れているとおり、歯周治療により健全な歯周組織も獲得されています。





デンチャー装着 装着下顎




デンチャーは、白金加金製の線鉤を用いて、支台歯にストレスをかけ過ぎないように考慮しました。これは基本ですが、線鉤のような"逃げ"のある装置にした
方が鉤歯への負担が軽減され、鉤歯を長持ちさせることが可能です。また、粘膜にタッチする面積を多くして、粘膜負担を多くして均一に圧がサポートされるよ
うに留意しました。これらは、いつも私が行っている安全で安定の良さを狙うデンチャー設計です。この患者さんには、装着後ほとんど調整せずに快適にお噛み頂けました。



露出根面には、以前の根面カリエスの痕跡から、将来も根面カリエスが生じる可能性があるため、フッ素剤の塗布など、口腔ケアも併せて指導しました。長く快適にお使いいただけることを願います。









  親子二代で関わった一症例でした。





2009年3月13日

 私は、歯科医師になって20年以上経ちました。振り返ってみると、どれだけ責任を持てる治療をしてきたのか私自身疑問に思うこともあります。ただ、昨今 の業界の現状をみると驚くほど無責任な状態が目についてきます。毎度、自分を棚に上げてお話しさせていただいておりますが、どうかお許し下さい。

 耳障りの良い話は、他の先生方が宣伝用に沢山書いていますから、私はその逆を中心にお話しします。患者さんには、怪しい歯科医療を受けることを回避して 頂きたいので書かせていただきます。歯科医療機関にはミシュランのようなモノは存在しません。自分の知識と勘で良医を見つけて頂く他ないのです。


「 歯周外科手術を衛生士がする?? 」

 これは、かなり前(25年前)から一部の歯科医師の間では噂になっていたことなのですが、歯科衛生士が歯周外科手術を行っている歯科医院や大学があるという噂です。

 これには、背景があります。○歯科大学の某助教授(当時)が主催する研修会がらみで北欧某国にセミナー旅行を行っていたことがありました。北欧某国・某 大学の歯周病科L教授は、「歯周外科時に歯肉を剥離した後、歯科衛生士に根面をキュレットでルート・プレーニングさせている」といった噂がおこりました。 また、そのようなことを平然と歯科商業誌Qに投稿した先生もおりました。実際に、L教授がそういったことを一回でも行ったことがあるか否かの真偽はともか くとして、そういった一般臨床家が行ってはいけない間違ったやり方が講習会受講者を中心に広まってしまったという事実がありました。

 去年、以前○歯科大で歯科衛生士をしていたAさんに実際に聞いたら、○歯科大学では某助教授の下、衛生士が歯周外科手術時にルート・プレーニングをして いたと言っていました。すなわち、某助教授は大学でも歯科衛生士にオペ中にルート・プレーニングをさせていたのは本当だったのです。

 ところで、日本の法律では、歯科衛生士は歯周外科時に直接施術することはできません。ですから、それが本当なら某助教授が採ったこの方法は日本では完全 に違法となります。また、現在Aさんが勤務するYデンタルでも同じように歯科衛生士がオペ中にルート・プレーニングしているそうです。大学教授・助教授と いった学会のリーダーと目されている先生方は、指導的立場にいてその影響力も大きいのです。そういった先生が間違ったことを広めてしまうと大変なことにな ります。さらに、25年前から噂だったことが、未だにYデンタルのような認識の低い歯科医院で行われているかと思うと誠に恐ろしいことです。

 これは法律に違反するといったことのみならず、歯科医師の治療に対する責任を問われることだと考えています。歯周病治療では、歯科衛生士が歯科医師に代 わってスケーリングやルート・プレーニング(非外科的処置)を行うことが多いと思いますが、再評価検査で十分に治りきっていない箇所には、歯科医師の手に より歯周外科手術で感染を十分に除去し治癒に導く責任があります。上のような方法は、この責任を歯科医師が放棄して、歯科衛生士に責任を押しつける態度と も言い換えることが可能です。
 結局、患者さんに迷惑をかけることになります。このYデンタルの院長は、講習会でインプラント関連の指導もしていますから、日本のレベルは患者さんの想像を超えてひどいものです。

 日本の多くの不勉強な歯科医師は、有名な先生がする治療方法を無批判に模倣する悪い癖があります。ですから、指導的立場の先生が間違ったことを教えれ ば、それが広まってしまい、ついにはそれがスタンダードな方法として定着してしまいます。その結果、患者さんには大変なご迷惑をかけすることにもなりま す。他の例で言えば、3Mix-MP法なども無責任な先生が一般臨床に応用することを広めてしまったために、頭の悪い先生達が平気で自費診療のネタにしています。指導的立場にいる先生方には、もう少し責任を持っていただきたいと思います。


あなたは、歯周外科を受けたことがありますか?

歯科衛生士が手術途中で先生に代わって手術していませんでしたか?
もしそうだとしたら、それは違法な治療を受けたことになります。

あなたは,そういった先生や歯科医院をどう思いますか?



・・・


「 ブログ写真は私の治療記録です 」

 歯科医院のHPを観ていると、「こんな治療は、この先生はしていないだろうな」という画像を平気でHPに掲載している医院が多いことに気がつきます。番 町・麹町・四谷近辺の医院HPを観ても、既製の臨床写真を載せている医院が多いのです(逆に汚い写真は、その先生の症例だったりします)。HPを持ってい ても、臨床写真など撮っていない先生が大半です。ですから、HPに自分の治療した症例など載せることもできないわけです。結局、業者から提供されるサンプ ル画像やどこかの臨床家の画像を二次使用することが多いようです。特に、開業したばかりの先生は、その傾向は一層強いと思われます。既製の綺麗な臨床写真 を掲載して、目新しい医院の設備など併せて見せられると「ココは凄いのかな!?」と、認識の甘い患者さんは錯覚すると思います。HPだけでは、医院の内容 までは解らないものです。どうか、HPだけでは医院を判断できないことを知っておいて下さい。

 ところで、私のブログでは過去に実際に治療した症例のみをご覧頂いております。また、ココに書かれた文章も私が自身で書かせていただいたモノで、もちろ ん盗用などではありません。このブログに掲載した症例は、私の臨床の典型的例とお考えになって下さい。私は、特殊なことなど全くしていません。ブログの写 真のように、ただ当たり前のことを正確に行うことを信条としているのです。世の中、いい加減な診療が横行していますから、当たり前が当たり前でなくなった いるようです。

 既に、ブロブをご覧になって、コンポジットレジンによるう蝕治療を希望されてお出で頂いた患者さんが幾人もおります。また、当院ではラバーダム防湿法をルーティンで施していますが、歯内療法でラバーダムを使用しないダメな近隣の歯科医院から昨日も患者さんが転院されてきました。これは賢明な選択だと思います。

 皆様も、普段受けている治療と異なる箇所が私の症例や文章から見つかるかも知れません。客観的に自分の受けた治療をチェックしてください。例えば、ラ バーダムすら使わないで歯内療法をする先生では、絶対に予後の良い治療はできないので(歯がダメになります)、受診は即刻やめて正しく治療している歯科医 院へ転院した方がよいと思います。


 

*イメージ検索した先生方、くれぐれも無断で使用しないでくださいね!

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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

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