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2008年12月16日

ここに、ちょっとした治療の一例を示します。光硬化型コンポジットレジン(CR)という材料を使って、見かけ上も美しく即日完了するちょっとした治療の一例です。このケースのように問題が生じずらいシンプルな方法論を患者さんへ提示ですることも、我々歯科医師のつとめであると考えています。


[ 症例1 ]



この患者さんは、上顎の左側前歯(左側中切歯)と右側前歯(右側中切歯)の先端部(切縁)のカタチが揃っていないことによる見かけの悪さの改善を希望していました。

治療方法は以下のように幾つかあります。



1.左の歯を削り(形成して)、白い歯(セラモメタルクラウンやキャスタブルセラミック)をかぶせる方法
2.左側中切歯の表層だけ形成しラミネートベニア(薄い瀬戸モノの歯や合成樹脂や競れミック系の薄い歯を貼る方法)を切端まで処理する方法

3.切端部をCR充填して処理する方法



等々が考えられます。



このうち、1と2の方法は歯の前面の表層もしくは全周を形成する事になり、しかも費用は比較的高額になります。また精度が良くないと歯周炎やう蝕といった問題も起きるリスクを含んでいます(逆に、精度ある仕事が成されれば長持ちのする良い方法でもあります。)

一方、3の方法は変色や摩耗などは1,2に比べ劣るものの、治療費は安価であり、修整・やり直しも容易です。



注意:1~3は、ある確かな意図があればどの方法を選択しても良いわけです。その意図するところが、適切であれば問題ではありません。



tezuka1



術前:左右側の中切歯の切縁が不揃いで、審美的に問題があります。



左側中切歯の切縁から続くやや茶色い部分は深部から生じておりますが、患者さんが気にされていないので手をつけないことにしました。



tezuka2



術後:左右側の切縁が自然観を持って揃い、かなりきれいに修復できました。



左側切縁の透明感も再現されています。現在材料の向上とテクニックでこのくらいは可能です。



歯をほとんど削らずにしかも、形態や色の再現もかなり出来て治療費も抑えられるので左側中切歯切縁部にCRを充填しました訳です。





[ 症例2 ]


この症例では、患者さんは前歯切縁近くの白斑が気になり、この改善を希望して来院されました。





furomoto術前



切縁近くに白濁した白斑*があります。

(白斑周囲の黒い線は、鉛筆で書いた線が写り込んだものです。)

白斑削除後.jpg

歯を余り切削したくないという意図に沿って白斑の層のみを一層切削しました。



furomoto充填後



白斑があった部分へCRを充填して研磨を終えたところです。





*白斑とは歯を覆うエナメル質の表層から数十~数百ミクロン下の層に軽い脱灰を起こした状態ですがこれは臨床的にはう蝕(虫歯)ではありません。よって、
ブラッシングなどコントロールをしていれば、う蝕とは違って特に進行しません。そういった白斑ですが、審美的問題(観た目が悪いこと)の改善を希望されました。



他医院でパーシャルベニアやクラウンで修復する方法を奨められたそうですが、私のすすめる侵襲が少ないCR充填法を希望され修復に至ったわけです。



敢えて顔の間近で手鏡でよく観察するとCRを充填した部分は一応は判別できます。患者さん本人はその点を少し気にされるかもしれませんが、他人からはそういったことなど全く解らないと思います。このようなケースとしては、臨床上は十分成功したケースと考えています。

また、クラウンなどで修復する方法はありますが、十数万円の自費治療費が派生します。しかし今回のような低侵襲の方法で、もし将来更に希望する場合はより侵襲が多い方法を行えば良いと思います。
基本は出来るだけ侵襲が少ない方法を第一選択にしてより侵襲の多い方法はその次のステップと考えるのが合理的だと思います。


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現在、やたらに歯科医師が歯牙を切削する傾向が見られます。臨床家は補綴・修復をするときにはもちろん形成を行うわけですが、必要のない事をするような、いわゆる"オーバー・トリートメント"を行う傾向が巷に散見されます。この背景には、歯科医師側の高額治療費を得ようとする思惑があると思います。
また、例えオーバー・トリートメントであっても精度が高い仕事であれば良いのですが、精度不良では治療したこと自体が結果的に歯の寿命を縮めることになります。それは一種の医原性疾患です。



私の学生時代にはCRは強度や耐久性に劣り、安物の修復材料のように見られていました。しかし、現在では接着歯学歯科材料学の向上からケースによっては金属やセラミックに代わり得る歯科材料として推奨できるものと考えています。

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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

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