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2010年8月10日

ー3MiX-MP法は何故人気?ー
 3MiX-MP法は、かなり以前から私も知っておりました。なぜか、この頃TVや雑誌などマスコミで大々的に3MiX-MP法が紹介されています(誰が売り込んだのかは解りません)。その際、「無痛治療」「麻酔なしで出来る虫歯治療」「虫歯が薬で治る」など、全く見当違いの売り文句が使われています。これは、患者さんの多くが歯科治療で"痛い"という事を嫌がる傾向が強いため、"無痛"や"痛くない"などの文句を加えるとそれだけでセールスポイントになるという、全く安易な作戦を使ったわけです。しかし、こういった患者心理につけ込まれ、踊らされている患者さんも多いように思います。3MiX-MP法では、"全く痛くない"といったこと自体が嘘です。確かに、有る程度"無痛"と言ってよい状態で治療できるケースは多いとは思いますが、麻酔を使用しない方法で行うなら、深い齲蝕(虫歯)のケースでは程度の差こそあれ、疼痛が生じます。逆に、通常の齲蝕治療(虫歯治療)は麻酔下で行うので麻酔が効いていれば術中の痛みは特にありません。
 また、時に"麻酔薬が毒なので使用しない"といった理由を言う先生がいますが、麻酔をしないことで痛くて完全な治療が出来ないのなら、この方が遥かに害があります。
それよりも何よりも、この方法やその扱われ方には、根本的におかしな部分が沢山あります。ただの小さな事とお思いになるかも知れませんが、実は歯科医師の倫理的でない姿勢までもが露呈してくる事柄なのです。
以下は、少し自分のことを棚に上げてお話ししますがお許し下さい。

回りくどいお話なので、ご興味のない方はお読みになれないと思います。これをご理解いただいた上で、読み進んでください。また、歯科医師の方にこそ、お読みいただきたいと思います。

ー歯科医師の多くが、正しく虫歯治療を行っていない可能性があるー
 私も、齲蝕治療(虫歯の治療)を日常的に行っておりますが、一般の歯科臨床医のかなり多くが真っ当な齲蝕治療さえ行っていないだろうということを日常的に感じております。

この理由は、かなり多くの充填物(インレーやコンポジットレジン)が適切に充填されていないかつ精度不良である点と、充填物を除去すると、二次齲蝕(充填物と歯の間から細菌が侵入して虫歯を作ったもの)のみならず、軟化象牙質(細菌に侵され、軟化・変色した象牙質)の取り残しと思われるモノが多く観られ、歯痛の原因はこういった不完全な処置が原因と考えられるからです。

 私の臨床経験からは、深い齲窩(虫歯の穴)でも、軟化象牙質など齲蝕検知液(細菌が侵入している歯質が染まる液)で真っ赤に染まった層とその下層の薄いピンクに染まった部分まで除去し、必要が有れば覆罩(歯髄保護)し、露髄(神経組織の角が露出)していないのなら、適切な充填処置をした後は歯髄炎(歯髄の炎症、ズキズキ痛み出す)に移行することはむしろ希です。

ですから、齲蝕処置では多くの場合、初めから3MiX-MP法など薬剤を使用する必要性がない
と考えています。また、再石灰化などの修復機転が3MiX応用にのみ生じるような印象をうけますが(そうは書かれていないかな?)、そうではないと思います(*)。



*再石灰化など齲蝕処置後の硬組織・修復機転自体、他の無菌操作(化学的処理や機械的除去のみ)によっても生じると思います。換言すると、齲蝕の際に観られる透明層は、生体防御反応による高石灰化層であるといえます。これは、細管が閉塞しているので、検知液では染まらない健全な層です。この層を上手く残せれば、問題になりません。
理屈から言えば、象牙細管が完全に閉塞していれば痛みもありません。逆にこの層がキレイに残ったような状態では、抗菌成分の帖薬に何も意味はありません。3Mix-mp法は、こういった側面からも方法自体に矛盾を含んでいます。

ー当院での齲蝕処置の一例 (3MiX法など使いません)ー

 3MIiXーmp法のような詐欺療法を使わないで世界標準の正しい治療方法でう蝕治療をした臨床例を画像と供に提示致します。


これは、数日前に行ったある患者さんの齲蝕治療です。日常的に行っているケースを例として提示しました。特に3MiX-MP法に対し比較するためにお見せする訳ではありませんが、当院での基本に即したスタンダードな処置の一例と思ってください。当然、3MiX-MP法など使用していませんが、予後は良好で術後に疼痛もありませんでした。
す。
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001.jpg


下顎左側第二大臼歯には、金のインレーが充填されていますが、辺縁が不適合な不良な充填状態です。詰め物と歯との間から細菌が内部に侵入していることも疑われます。このような不良修復物に、金合金であるというだけの理由で数万円の自費治療費を支払ったのですから、この患者さんは気の毒です。

歯の背景の緑色の部分は、ラバーダムというゴムの膜です。これを使用しないと唾液や呼気の湿気などで術野が汚染され、処置(接着にも障害があります)が適切に行えません。当院では、歯内療法やこのような修復処置時には必ずラバーダム防湿法を使用しております。残念ながら、日本では多くの医院でこれが実践されていません。特に、歯内療法(根の治療)時にラバーダム防湿法を使用しない先生は、適切な診療をしていないので上手く治せないと思います(予後不良)。医院を変えた方がよいでしょう。
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金インレーを除去したら、近心側(歯の前側のコンタクト部)に齲蝕が見つかりました。下層には齲蝕が大きく広がっています。写真では隠れていますが、遠心側にもコンタクトから波及している齲蝕がレントゲン上で確認できました。これも(写真には出ていませんが、)近心側と同様に治療しました。
近心側に齲蝕検知液に赤く染まる感染巣が確認できます。感染歯質の除去と検知液での染色・水洗を何回も繰り返しました。
検知液で赤く染まった感染歯質を完全に取り去った後の様子です。術中には超音波器具に小さいダイヤモンドチップを付けたモノを使用したり、エキスカベーターという耳かきのような小さな先端部をもった手用器具で丹念に除去してゆきました。 実に、この操作に時間がかかるのです。この時は近心側と遠心側合わせて30分ほど時間を要しました。最終的な除去状態の確認と取り残しの除去は、マイクロスコープを使用し拡大下で行いました。また、近心側コンタクト部には、メタル製隔壁(マトリックス)を挿入しました。 さらに、クサビ(写真ではブルーのモノ)やリングでコンタクト部をわずかに離開させて充填し、コンタクトが喪失しないように形状を再現しました。

充填後

コンポジットレジンという強い可視光線で硬化する材料により天然歯のように綺麗に充填を完了しました。この時、解剖学的形態を再現し、硬化時収縮など生じないように注意するため、小部位に分けて充填してゆきました。このため、充填操作に20分ほどかかりました。

このように、正しい方法の丁寧な齲蝕処置では、たった1本の歯にも麻酔を施す時間を含めればチェアータイムが1時間以上かかります。齲蝕処置では微小部分を丁寧に治療する必要があります。どうか、繊細な操作を必要とする治療の価値をご理解いただきたいと思います。

健康保険での診療は、負担金が少なくてすむため、患者さんにとっては有り難い制度です。しかし、採算性から十分に時間をかけられないことが多く、結果的に不十分な治療となり、この症例のように感染巣の取り残しなどが原因で後で虫歯が進行する事が起きるかも知れません。そういったことと、対価を払ってこの治療のように十分な時間をかける良い治療(自費治療)を受けるのとではどちらをあなたは選びますか?


ちなみに当院では、これは3万円の自費治療*です。技量や治療時間など考慮されていない保険治療ではこれは行えません。ご理解いただき、真っ当な歯科治療をさせて頂きたいと思います。

*治療費は、ケース(虫歯の状態)や充填物の種類により異なります。また、充填する範囲によって、充填方法などが変わります。詳しくは、来院時にお尋ね下さい。

ー歯科における薬剤療法は正しく研究されるべきことー



 ところで、私の父親は以前ある保存学系学会の会長をしておりましたが、大学研究室も介した研究テーマの一つには、難治症例における抗生剤などの使用によ
る研究が有りました。根管(歯の中心にある歯髄が入っているところ)に感染した細菌に関して、寒天培地で感受性試験(薬剤効果の有無の判定)をして、抗生
剤の効果などの研究をしていたわけです。感受性試験は、一般臨床家がチェアサイドで簡易に行えるわけではないので、研究目的での方法論の域を出ませんでし
たが、難治性といわれたモノに対しては、有効な場合が多かったのです。あくまで、ルーティーンで薬剤療法を行うわけではなく、一般的治療法で治癒しない、いわゆる"難治性の症例"に対して、感受性試験を行って有効な抗生剤を局所に使用する療法であったと認識しています。

cf. 3MiX-MP法による歯内療法への適応では、3MiXのカバーするスペクトルが広域(多くの菌に効く)で万能であるような前提で使っているように思います。先の研究での難治症例では、こういった三剤に感受性のない細菌や真菌感染(抗生剤は効かない)による症例が幾例も存在していました。3MiXが歯内療法でも万能であるような考え方は、少し安易であろうと思います。


 3MiX-MP法のオフィシャルサイトに書かれている事柄は個別に観れば全くの間違えではないと思われることもあります。しかし今のように臨床で全く根拠なく自費診療のネタとして使っている現状は非難されるべき行為です。絶対にこのような馬鹿な臨床家に騙されてはいけません。


 ところで、3MiX-MP法のサイトでは、この療法を完全にマスターした先生が10名足らずと記されています。では、マスターしていない先生は、勝手に診療室で"治験のようなこと"を日常的にしていることにはならないでしょうか?"治験のマネごと"や、正式な"治験の結果を得ていない療法"を、臨床医がオフィスで行うべきではありません。ですから、集団で"根本的に過ちを犯している"と思います。

 もう一度言っておきますが、私は歯科における薬剤療法自体には賛成です。もっと研究されて良いと思っています。しかしこれは、科学的根拠を探求できるだけの資格のある歯科医療機関、すなわち主に大学で正式に行われるべきことで(開業医中心の研究グループではなく)、決して一般開業医の個別オフィスでいい加減に行われるべき事ではありません。

さらに治験は、倫理規定をクリヤした科学的プロトコール(研究計画)に則り行われるべきです。そして治験結果から、確固たる科学的根拠に基づく治療方法が確立し、認可が下りた製薬会社の製剤を使用して、その治療法が一般臨床医に正しく使用されるようになる事が医療倫理を考慮すれば、正しい手続きだと思います。そういったステップに時間がかかると言うかも知れませんが、ステップを飛び越えたら過ちを犯すことになりかねません。これは、素人でも解る簡単な理屈です。(正式に研究機関の治験で行われるのならば、製薬会社から正規に入手した抗生剤の原抹を混合して使用すべきです。)

 新潟大学の先生らの基礎研究は、ある程度行われているようなので(論文が出ている?)、もっと確かな方法論でこの治療法を臨床面で確立すべきだと思います。学内での何らかの問題がネックになって出来ないことは多いと思いますが、巷の臨床医に野放しで臨床応用されている現状は誠に残念です。
(もっとハッキリ言えば、この方法を著しく"怪しく"かつ"ナンセンス"な方法としか学内でも受け取られていないので、治験が出来ないのだと言えます)。この方法の表層だけマネをして、"無痛治療"などと宣伝している医院がかなり増えてきことは危険な傾向です。患者さんは、こうした似非専門医に騙されないようにご注意願います。そして、こういった状況では薬剤を使った歯科治療自体の評価が著しく落ちることは必至です。

ー3Mix-MP法は、薬事法違反では?ー

 3MiX-MP法で使う薬は三種類の抗生物質を乳鉢などで粉砕し、各医院で調剤されたモノです(いわゆる自家製剤を使用する治療法)。
しかも、これらの調剤法が研究学会で説明や指導もされていました(関連HP参照)。本来の使用法が粉にして虫歯などに使用する目的で作られていない薬剤であり、かつ勝手に調合や複数の薬を調剤しているため、明らかにこれは薬事法違反だろうと思われます。
10年以上前ですが、この自家製剤を作っている事実を外国の教授陣が知って"信じられない"、"日本人はクレイジーだ"と驚いていました。このような"自家製剤を臨床家がかってに作る事"が、医療人としてトンデモナイ行為だという認識が、日本では全く歯科医師にないのも情けない限りです。
 すでに数年前、千葉県の歯科医師会から自家製剤を使用する3MiX-MP法に関して、薬事法違反の可能性など数項を載せた通達文が配布されたことがあります。歯科医師会の見識がいつも正しいわけではありませんが、この件に関しては、歯科医師会の薬事法違反の可能性を示唆した見解については私も賛成しています。なぜ、医療の論理的筋道や医療倫理を見識があるはずの先生までが理解していないのか?誠に不思議でなりません。


 一事が万事です。すなわち、現在の日本では医療倫理に即しポリシーを持って行動できる歯科医師が指導的立場にいる先生でも非常に少ないのです。このように、残念ながら日本の歯科医療は全く信用できない状況に陥っているのです。
他業界のヒト達から歯科医は馬鹿だと言われるのはその程度の倫理観しかないからです。


ー最後にお読みいただいた患者さんへの一言ー


 3MiX-MP法は、まだその効果や臨床手技が確立されたものではなく、また研究機関で臨床面での正しい治験が成されていないようです。すなわち、まだ未知数な治療法で、本来これを一般医が臨床に応用してよい時期には未だ至っていないはずです。
というより、基本的に間違った治療の方法論です。
ですから、もし患者さんが"ボランティア"のようなカタチでこの治療を受けるならば、問題が生じる可能性があります。特に、術者が齲蝕治療の基本を忘れて、3MiX-MP法の効果を過信するならば、リスクはさらに大きいと思います。そして、何よりもこの療法をウリにする歯科医師の医療倫理的に問題がある姿勢にこそ、日本における歯科界の根深い問題があるという事を忘れないでください。


当院にも年間に何人も3mixーMP法を受けたという方がお出でになります。多くは治療を受けた部位に疼痛があるので来院しています。そして、変色した軟化象牙質が窩洞から発見されます。はっきりと原因除去しないまま薬剤の効果を期待する原因除去療法の基本を間違えた治療法です。そして患者さんへ迷惑をかけています。

 上のような理由から私は、この方法を全くオススメいたしません。これをお読み下さった皆様には、怪しげな効果を宣伝してすり寄ってくる療法に惑わされることなく、慎重に歯科医院を選択され、基本に忠実な正しい歯科治療をお受けになるようお願いいたします。


○3MiX-MPオフィシャルサイトHP:http://www.3mix-mp.com/ 

↑この方法を研究されている先生方のHPです。



○mixiのニュースでも この問題が冷静に書かかれていますので 、mixi会員の方は是非お読みください。



http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=44&id=507416

2009年4月 2日

 私は、下町が好きで以前は文京区千駄木に住んでいました。下町の馴染みの店で飲んでいると、歯科医院の悪口をよく耳にしました。下町の人間はとにかく口 が悪いヒトが多いのです。同業者としては、辛いものがありました。それは、だいたい以下のようなことです。すべて、控えめに標準語に言い換えています。

ココにあげるのは、ほんの一部ですが...


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1.診療時間が短い(1回15分位で、ハイまた次回)

 まず、保険主体の医療環境であれば、当然時間をかけた診療をすると不採算きわまりない状況になると思います。ですから、全体に時間的余裕を持たせた診療が可能となるには、対価以上の診療費を自費診療から得ることが一方ではどうしても必要になります。

 ところで、これは歯科医院を経営する側の意見ですが、昨今の景気悪化を考慮すると、以前ほどの自費診療を患者さんから頂くことは難しくなってきました。 そういった中で、もしコミュニケーションが取れる余裕ある医院を探すとすれば、自費主体の医院か、不採算をある程度承知で診ていただける良心的歯科医師を 捜すしかありません。しかし、なかなか難しいと思います。

 私は、自分のオフィスではできるだけ時間をさいて患者さんと、コミュニケーションを取るように心がけています。特に、ある程度のまとまった処置を必要と する患者さんへは、初診時には1時間程度は時間を取っています。患者さんの根本的な考え違いなど、時間をかけてお話ししないとこちらも解らないことがあり ます。また、丁寧に基本的な考え方をご説明しないと患者さんにも、必要な歯科治療がご理解いただけないことが多いようです。

 我々歯科医師は、専門分野の人間として治療のご説明をし、治療方針の提案を致します。ですから、これに関しては、聞く耳をお持ちになって欲しいと思いま す。先日も、自分のご希望と合わないということで、こちらの説明を理解しようともしなかった方がおりました。残念ですが、あれでは今後まともな治療は如何 なる医療機関でも、お受けになれないだろうと思いました。



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2.医院内部が汚れていて汚い
3.器具が錆びていたので、行くのを止めた

 知り合いの店でよくお会いする中学校のある先生が通っていた近所の歯科医院で、治療用のトレーに乗った器具が錆びていたそうで(患者さんの言)、それを見てそれ以降その医院には通わなくなったそうです。
 現在、多くの医療機材がステンレス製で耐蝕性がありますが、一部の切削器具に錆び易い鋼(刃がね)を使用したモノも使うことがあります。このケースでは、どんな器具だったか解りませんが、医院全体が汚いそうですから、治療内容も悪い歯科医院だろうと思います。

 2,3これらは、医療機関としては致命的です。まず、医院の清掃が行き届いていないところは、医療機器や器具の滅菌など、必要な感染予防処置が十分でな い懸念もあります。こういった医院へは通院を避けるべきでしょう。よく言われるのは、「待合室が汚い医院は通ってはいけない」というものがあります。私 も、これは常識だと考えています。

 最近、銀座の眼科で、レーシックの手術を続けた結果、沢山の患者に術後に感染症が併発してしまったという事件がありました。これは、手術器具の滅菌管理 が徹底されていなかったからです。医療機関でこんなずさんなことは許されないはずです。しかし、全く患者さんはそういったことに気づかず、来院患者が次々 にあったようです。なぜか、医療常識を無視した診療をしている医療機関へ吸い寄せられるように多くの患者さんが受診してしまう例を目にします。そういった 医療機関は、下品なまでに雑誌などに宣伝広告を沢山出している傾向があります。派手目の宣伝には怪しさを感じるくらいの感覚はお持ちになった方が良さそう です。まさに実情を知らないのは、患者さんだけなのかも知れません。



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4.仮歯のまま1年以上になるが、新しい歯を入れてくれない

 これは、ある店で以前頻繁にお会いしていたある会社の社長さんのお話です。中央区のある有名な先生に、インプラントを含む有歯顎の治療を受けていたよう です。そして、大きな規模のプロビジョナル・レストレーション(=テンポラリー:クラウン:レジン製の仮歯)が装着されていたようです。

 「1年以上、仮歯を入れてるんだけど、先生が一向に最後のブリッジとか入れてくれないんだけど、これ、おかしくないですか?」「何かおかしいはずだか ら、先生、おかしいと言ってくれませんか?」といったことを私に言ってきました。この方が通っていた先生は、私も名前は良く知っている先生でしたが、主治 医でない私が事情も知らず、かつ診察もしないで勝手に治療に関して言及すべきでないので、何も言わずにいました。何回も会う度に言われたので当時は本当に 困りました。

 プロビジョナル(仮歯)のまま、1年以上お使いいただくことは、オペを数回する場合にはさほど珍しいことではありません。事情はわかりませんが、説明を できないような歯科的問題もあったかも知れません。その後トラブルが生じたことは、想像に難くありません。まず、この場合必要な患者への説明を主治医が 怠った可能性があります。このケースでも患者と先生とのコミュニケーション不足が関わっていると想像できます。



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5.うちのおばあちゃんは大学病院に通っているが、眼の下が腫れてきた

 これは、某国立大医学部病院に三叉神経痛の治療で通院していた近所のおばあさんのお話です。この方の場合、医学部に受診していて、その間に歯科領域の問 題が生じたにもかかわらず、神経痛からはそんな症状は生じないと言っただけで、医科の主治医が同大の歯学部へ受診するよう勧めなかったことが原因です。上 顎犬歯(犬歯の感染根管→急発)が原因だったようで、眼下部がお岩さんのように腫脹してしまったのです。ここで、担当医師が歯科領域の原因だと解釈でき ず、併設の歯学部・保存科に即座に受診を勧められなかったことが問題でした。このおばあさんの家族から、間接的に飲み屋の店主を通じて私に相談されたの で、とにかく歯学部で診てもらえるよう勧めたのです。それで、そのおばあさんは隣の歯学部の病院へ行き、それ以上大事に至らないで済んだのです。

 この例は、医科の融通のきかない病院組織で生じた問題ですが、歯科領域の疾患を医科では診断できないことがあるという1例だと思います。歯学部が隣にあ るにもかかわらず、こうなるのは理解できませんが、これが実情です。信じられないことですが、大学病院などでは、担当医が個人としての責任を放棄するよう な傾向も時々見られます。自分の分野外のことは、知らぬ顔をするのは呆れますね。こうなると,自分の身は自分で守らなければいけないのか?と悲しい気持ち になりますね。でも、究極的にはその通りなのです。



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6.顎の障害で歯を診てもらったが、歯をガリガリ削られた結果、全く治らなかった

 これは、大変な問題です。いわゆる顎関節症(TMD)の患者さんは、色々な医療機関に通い,結局治らない,悪化したなどの訴えをされる方が多いように思 います。症状によっては,何もしないことが最良の方法となることも多いので、ある程度経過観察するようにすべきかも知れません。

顎関節症では、

・口が開かなくなる
・顎が痛む
・口を開けると顎がガクンガクンして音が鳴る
・顎から肩のあたりまで筋肉が痛み肩もこる
・顎が痛くて気が変になりそうだ

などと、色々な症状や訴えが起きます。

 顎関節症は、原因と成り得るモノがいろいろと考えられ、その原因を取り除かない限り完全には治ってくれないと思います。よく見られるのが、痛みなどに対 する対症療法を延々としている例です。私は日本国内には、質の高い顎関節症の研究機関とその研修施設が、存在しないと思っています。ですから、どうしても 我流で治療しようとする先生が多く、症状の悪化を招くことも希ではありません。

 一番問題になりやすい治療方法は、咬合調整と称して、顎関節症患者の歯牙をガリガリ削って治療しようとする方法論です。よく調べもしないで、根拠もなく、安易に咬合調整を行ってしまう先生が一部にいることは事実です。

 歯は、安易に特に広範囲に削るべきではありません。切削は、非可逆的変化を歯牙に与えてしまうので、確かな分析(←実はこれが曖昧なことが多い)で、この方法を採ることが最良の方法論となる以外には、可及的に避けるべきです。

 10年以上前、あるテレビ局のニュース内の特集で、"顎関節症の名医"と称する先生が、患者さんに咬合調整をしているシーンを流したことがあります。受 診前には、顎関節症の症状がひどく自殺まで考えたという若いOLが、受診後一瞬で信じられないほど症状が軽くなったと語っておりました。いわゆるヤラセじ みて見えるシーンです。この先生は、我々の世界では評判が良くない有名な方だったので、「マスコミに上手く取り入ったな」と、私はその時感じました。

 潜在的に患者さんが沢山いる顎関節症のような疾患に対しては、宣伝をすると全国から患者さんが来ます。勘ぐった言い方をすれば、この疾患をターゲットに 儲けようという怪しい先生も当然出現します。ですから、安易に記事広告(雑誌の記事を装った単なる宣伝)や先生がお金を払い掲載して貰う「名医辞典」を疑 い無しに信じて受診することは避けるべきです。日本国内に、米国並みの専門医育成機関ができることを望みます。

*顎関節症に関しては、研究や専門的なトレーニングを受けていないので、私自身が積極的に加療することはありません。ただし、う蝕や歯周病を治療した後、結果的に顎関節症状が良くなった方はいます。



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7.入れ歯が浮き上がって、ご馳走が食べられないので困っているが、ある先生に執拗にインプラントを勧められ困っている

 現在、まともな義歯も作れない先生が多いように思います。義歯をしっかり勉強する機会も、そういった気持ちもない先生が多いからだと思います。義歯が不安定な問題は簡単な話で、多くの場合は先生の技量がないのです。

 最近では儲かるので、欠損部があればインプラントを勧める傾向があります。義歯を入れずに自分の歯のように気持ちよく使えるといったふれこみで、宣伝さ れていることが多いようですが、私がBlogで何回も言及しているように、リスクなど考慮すれば,安易にそういった治療を第一選択すべきではないと思いま す。

 実は、昨日某医科大に勤務する先生が、私の文章をネットでお読みになり来院されました。彼女のお話の中で、「すぐにインプラントなどいれる先生にはかか りたくない」とおっしゃっていました。また、「インプラントのような人工物を沢山入れるなんて、怖くて信じられません」ともおっしゃっておりました。私 が,今までお会いした医師の多くが、インプラントには否定的でした。これは、以下のような理由からでしょう。

・バイ菌の巣窟にインプラントが埋入されているわけだから、当然大きなリスクがある(常識的判断)

・医学的な基礎的知識もないような歯科医師が埋入するのは、おかしい(信用できない)


私も、これ↑には同感です。


 欠損補綴ではブリッジが非適応の場合、まずは可撤式局部義歯や総義歯を考慮すべきだと思います。歯科医師も、従来型のオーソドックスな治療方法の習得を 優先すべきです。また、左のような従来型の補綴物が満足にできないような歯科医師は、インプラントなど治療すべきでないとも思います。

また、口腔内であっても、外科的手術で神経・脈管が集まる部分を扱うことなります。さらに、十分な知識・技量と緊急時の適切な対応も前提として求められる のです。しかし、そういった緊急時の対応も含めて責任を持てるような対応ができるとも思えない歯科医師や医療機関で平気でインプラント手術が行われている ことを知ってください。銀座の眼科での事件と同じようなレベルの問題も潜在的に歯科界にもあるだろうと思います。去年起きたインプラントオペに付随する死 亡事件など、氷山の一角に過ぎず、沢山の問題が起きているようです。

 現在の日本の歯科界が少し冷静さを欠いています。もう少し、倫理性や患者の視点から歯科医師は客観的に、自身の行う歯科治療について反省すべき時期に来 ていると思います。患者さんの多くが、現在の歯科界の状況で迷惑を被っております。なぜか、患者さんがこういった確かな認識を持っていないので解らないだ けなのです。あなたの受けた治療は、不都合・不完全・医原性疾患だらけかも知れません。



  さて皆さんは,どうお考えになりますか?
2009年3月13日

 私は、歯科医師になって20年以上経ちました。振り返ってみると、どれだけ責任を持てる治療をしてきたのか私自身疑問に思うこともあります。ただ、昨今 の業界の現状をみると驚くほど無責任な状態が目についてきます。毎度、自分を棚に上げてお話しさせていただいておりますが、どうかお許し下さい。

 耳障りの良い話は、他の先生方が宣伝用に沢山書いていますから、私はその逆を中心にお話しします。患者さんには、怪しい歯科医療を受けることを回避して 頂きたいので書かせていただきます。歯科医療機関にはミシュランのようなモノは存在しません。自分の知識と勘で良医を見つけて頂く他ないのです。


「 歯周外科手術を衛生士がする?? 」

 これは、かなり前(25年前)から一部の歯科医師の間では噂になっていたことなのですが、歯科衛生士が歯周外科手術を行っている歯科医院や大学があるという噂です。

 これには、背景があります。○歯科大学の某助教授(当時)が主催する研修会がらみで北欧某国にセミナー旅行を行っていたことがありました。北欧某国・某 大学の歯周病科L教授は、「歯周外科時に歯肉を剥離した後、歯科衛生士に根面をキュレットでルート・プレーニングさせている」といった噂がおこりました。 また、そのようなことを平然と歯科商業誌Qに投稿した先生もおりました。実際に、L教授がそういったことを一回でも行ったことがあるか否かの真偽はともか くとして、そういった一般臨床家が行ってはいけない間違ったやり方が講習会受講者を中心に広まってしまったという事実がありました。

 去年、以前○歯科大で歯科衛生士をしていたAさんに実際に聞いたら、○歯科大学では某助教授の下、衛生士が歯周外科手術時にルート・プレーニングをして いたと言っていました。すなわち、某助教授は大学でも歯科衛生士にオペ中にルート・プレーニングをさせていたのは本当だったのです。

 ところで、日本の法律では、歯科衛生士は歯周外科時に直接施術することはできません。ですから、それが本当なら某助教授が採ったこの方法は日本では完全 に違法となります。また、現在Aさんが勤務するYデンタルでも同じように歯科衛生士がオペ中にルート・プレーニングしているそうです。大学教授・助教授と いった学会のリーダーと目されている先生方は、指導的立場にいてその影響力も大きいのです。そういった先生が間違ったことを広めてしまうと大変なことにな ります。さらに、25年前から噂だったことが、未だにYデンタルのような認識の低い歯科医院で行われているかと思うと誠に恐ろしいことです。

 これは法律に違反するといったことのみならず、歯科医師の治療に対する責任を問われることだと考えています。歯周病治療では、歯科衛生士が歯科医師に代 わってスケーリングやルート・プレーニング(非外科的処置)を行うことが多いと思いますが、再評価検査で十分に治りきっていない箇所には、歯科医師の手に より歯周外科手術で感染を十分に除去し治癒に導く責任があります。上のような方法は、この責任を歯科医師が放棄して、歯科衛生士に責任を押しつける態度と も言い換えることが可能です。
 結局、患者さんに迷惑をかけることになります。このYデンタルの院長は、講習会でインプラント関連の指導もしていますから、日本のレベルは患者さんの想像を超えてひどいものです。

 日本の多くの不勉強な歯科医師は、有名な先生がする治療方法を無批判に模倣する悪い癖があります。ですから、指導的立場の先生が間違ったことを教えれ ば、それが広まってしまい、ついにはそれがスタンダードな方法として定着してしまいます。その結果、患者さんには大変なご迷惑をかけすることにもなりま す。他の例で言えば、3Mix-MP法なども無責任な先生が一般臨床に応用することを広めてしまったために、頭の悪い先生達が平気で自費診療のネタにしています。指導的立場にいる先生方には、もう少し責任を持っていただきたいと思います。


あなたは、歯周外科を受けたことがありますか?

歯科衛生士が手術途中で先生に代わって手術していませんでしたか?
もしそうだとしたら、それは違法な治療を受けたことになります。

あなたは,そういった先生や歯科医院をどう思いますか?



・・・


「 ブログ写真は私の治療記録です 」

 歯科医院のHPを観ていると、「こんな治療は、この先生はしていないだろうな」という画像を平気でHPに掲載している医院が多いことに気がつきます。番 町・麹町・四谷近辺の医院HPを観ても、既製の臨床写真を載せている医院が多いのです(逆に汚い写真は、その先生の症例だったりします)。HPを持ってい ても、臨床写真など撮っていない先生が大半です。ですから、HPに自分の治療した症例など載せることもできないわけです。結局、業者から提供されるサンプ ル画像やどこかの臨床家の画像を二次使用することが多いようです。特に、開業したばかりの先生は、その傾向は一層強いと思われます。既製の綺麗な臨床写真 を掲載して、目新しい医院の設備など併せて見せられると「ココは凄いのかな!?」と、認識の甘い患者さんは錯覚すると思います。HPだけでは、医院の内容 までは解らないものです。どうか、HPだけでは医院を判断できないことを知っておいて下さい。

 ところで、私のブログでは過去に実際に治療した症例のみをご覧頂いております。また、ココに書かれた文章も私が自身で書かせていただいたモノで、もちろ ん盗用などではありません。このブログに掲載した症例は、私の臨床の典型的例とお考えになって下さい。私は、特殊なことなど全くしていません。ブログの写 真のように、ただ当たり前のことを正確に行うことを信条としているのです。世の中、いい加減な診療が横行していますから、当たり前が当たり前でなくなった いるようです。

 既に、ブロブをご覧になって、コンポジットレジンによるう蝕治療を希望されてお出で頂いた患者さんが幾人もおります。また、当院ではラバーダム防湿法をルーティンで施していますが、歯内療法でラバーダムを使用しないダメな近隣の歯科医院から昨日も患者さんが転院されてきました。これは賢明な選択だと思います。

 皆様も、普段受けている治療と異なる箇所が私の症例や文章から見つかるかも知れません。客観的に自分の受けた治療をチェックしてください。例えば、ラ バーダムすら使わないで歯内療法をする先生では、絶対に予後の良い治療はできないので(歯がダメになります)、受診は即刻やめて正しく治療している歯科医 院へ転院した方がよいと思います。


 

*イメージ検索した先生方、くれぐれも無断で使用しないでくださいね!
歯科倫理
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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。