X線写真を観て治療状態を確認したことがありますか?:臨床の記録その2
麹町に移転して、設備は格段に良くなりました。以前はアナログだった部分がデジタル化されました。デジタルの時代になって、磁気媒体へ記録するようになっ
てから、アナログ媒体(X線フィルム、スライドフィルム)を使用していた時代に比べれば、それらの保管場所をとらないですむという利点があります。しか
し、以前はフィルムを手に取ってみることができたのですが、磁気媒体ではコンピュータがないと観ることができないようになりました。必ずしもデジタル化が
良い点ばかりでもありません。
デジタルでも、アナログでも記録をある規格性をもって撮影することが重要である点は全く変わりません。患者さんには、直接関係の無いようなことですが、理屈を理解した上で受診していただくと、我々の仕事をより高いレベルでご理解いただけると思います。
真っ当な臨床家は、X線での記録を大切にしています。皆さんもお口の中を撮影されたことがおありだと思いますが、術前術後の比較ができるようにある程度の基準を設けて撮影することが必要です。

これは、デンタルフィルム(3×4センチほどのフィルム)を保持してお口の中に噛んで位置づけるホルダーです。このホルダーで以下のような位置づけをして撮影することで規格性のある撮影が可能です。

撮影用のホルダーの正しい位置づけ(○の方が正しい位置づけ)で、歪まない正しく規格性のある撮影ができます。未だに、フィルムを手指で押さえて撮影させ
ている医院も多いようですが、歪んで正しい記録とはなりません。正しい医療機関は、上のようなホルダーを使用しています。
*歯内療法の治療途中で撮影する際は、ホルダーが使用できない場合もあります。この場合は、手指で押さえることも希にあります。

これは14枚法という、お口の中を分割して撮影する方法です。勝手にフィルムを分割するのではなく、それぞれ基準を設けて分割します。上の写真は、その分割の基準を示しています。
*智歯が無い場合など臼歯部で1づつ省いた10枚法も多用されます。
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すでに、先日のブログで書いている症例ですが、以下にそのとき提示した10枚法でのX線写真を再度載せます。

初診時のひどい状態(詳しくは前のブログ参照)
歯内療法がなされていない点に注目
X線撮影すると行われた治療の状態がすべて見えてしまいます。
初診時に、各患者さんの過去の治療が一目で解ってしまうのです。不良な治療を見つけても、単に過去の担当医を非難するようなことは倫理的ではありませんが、治療する必要性がある場合、不良な現状は正確にお伝えせざるを得ません。

私が治療した後の(メインテナンス前の)状態
歯内療法が正しく行われた点に注目
上の2つの写真を比較できるのは、ある程度の規格性を持って撮影したからです。全く規格性がない方法では、術前術後の細かい比較ができません。
歯のカタチが変わったため、術前術後で正確な位置づけの再現ができませんでしたが、ホルダーによる規格性があったので、かなり比較しやすくなりました。歯内療法による治療効果は、根尖病巣の縮小や消退でわかります。
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ここで、良い医院選択のキーポイントです。
臨床写真と同じで、正しい医療機関では規格性を持って正しく撮影したモノをきちんと保管しています。撮影したフィルムが汚かったり、保管が悪い医院は、ろくな診療をしていないと思います。
X線画像は、臨床家の仕事をうつす鏡です。