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2012年1月31日


  

先日、来院した患者さんの口腔内を診たら、典型的な危ないインプラント治療を受けていました。(このケースは、レントゲン画像のみからでは危険性は充分には解らないことですが...)

以前からブログやtwitterで私が書いてきた通り、日本で行われている一般的なインプラント治療の一部はひどい現状です。

インプラント治療という学問自体は、かなり研究が進歩して良い学問体系が現在では出来上がっています。しかし、学問的常識外の治療を行う臨床家が沢山いる状況に私は警戒を促しています。

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インプラント部は周囲に出血があって、たぶん適切な状況にはないでしょう(インプラント周囲炎?)。

また、患者さんご本人が言及されていた通り、隣在歯の補綴精度もマージン部が不適合で酷い精度不良のセラモメタルクラウンが装着されていました。


患者さんは、このケースで従来から行われている一般的な隣在歯を支台とするブリッジ装着の選択に関して担当医から説明すら受けていませんでした。

一歯欠損では従来型のブリッジが第一選択の補綴方法です、しかしこの患者さんはそれすら知りませんでした。

歯科医は、恣意的に治療費が高い儲かるインプラント治療に誘導するような偏った説明をすることが多いようです。皆さんは、ブリッジの選択余地もあるという知識を持って下さい。

"インプラントは支台として隣在歯を削らない(形成しない)ことが利点になる"という理由を利点と主張する先生もいます(確かに利点にはなり得ます)が、例えば、このケースでは隣在歯は既に削られて補綴されています。
患者さんの言では、隣在歯を削らない利点を担当医が説明したと語っていましたが、隣在歯が既に削られているこのケースでは全く通用しない理由です。

また違った見方をすれば、不適切な状況でインプラントを埋入することでインプラント周囲炎という未だに治療方法が確立していない疾患に罹患するリスクが生じ得ます。
そのような本当に重要なインプラントの特性さえ説明しないで、結果的に患者さんに不利益を与えるケースが巷には沢山存在しています。


モノの見方が解らない、患者本位の視点が全く無い先生が高額治療費を得るために患者を騙して説明もナシにこういった治療をする現状を私は同じ歯科医として本当に嘆かわしく思えてなりません。


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○インプラント治療(埋入)は、残存歯の歯周病治療が終わってから歯周組織が健全な状態に治癒してから行われるべきです 。

このケースでは口腔内は全体的に歯周病に罹患しています。
6〜8㎜ほどもある深い歯周ポケットが臼歯部には幾箇所も存在します。
そしてインプラント植立部も含めて全ての歯牙で歯周ポケットへのプロ-ビングで出血があり、排膿している部位さえあります(=全顎的に歯周炎です)。

すなわち、歯周病に罹患した口腔内に不適切にインプラントを埋入して、しかもインプラント自体も歯槽骨に適切に生着していないまま放置されています。

そもそも歯周病の治療を全くしないでインプラントを埋入すること自体が禁忌(症)ですから、インプラントを埋入したことは一種の犯罪的な加療行為です。

この治療は医原性疾患を故意に作り出したことになります。
このような詐欺的治療をするのですから、患者さんへのインプラント治療の基本的説明も無かったようです。もちろんインフォームドコンセントは不成立のままインプラントを埋入して高額な治療費を請求し受け取ったことになります。


「ただ儲かればよいと考える歯科医の罪は大きい」

このような治療は氷山の一角にしか過ぎません。

初診患者さんでインプラント治療を受けた既往がある方が最近はよくお越しになりますが、殆どの患者さんが歯周病治療が行われていないままもしくはう蝕治療も完了していない感染歯牙も残したままインプラントが埋入されています。

インプラント周囲へ口腔内に存在する歯の歯周ポケットやう蝕病巣から細菌が移動して来ることが懸念されます。
ですから、そういった感染したモノが有る口腔内へインプラントを埋入すればインプラント周囲炎のリスクを故意に高めることになります。よって禁忌だと言われています。

驚くことには、巷の歯科医は歯周病治療を完了しない状態でインプラントを埋入するのが一般的な状況のようです。

元々、短期間で比較的簡単に儲けようとする先生方が多いのが日本の歯科界の傾向です。そういった無責任な先生方もインプラント治療を平気で行っています。手間が掛かる歯周病治療は殆ど行わないでインプラント治療を終了して治療費をもらっているのです。

これが日本の無責任な歯科医が現在行っている歯科インプラント治療の現実です。


歯周病治療を完了してインプラント治療を行うことは世界的には常識で、欧米では歯科医の不適切な過失事実が発覚すると訴訟で敗訴して数万ドル以上の慰謝料等を請求されることになるので、日本のような子供だましの詐欺のような治療は行われていません。

日本では患者さんにも、もっと認識を高めて頂き不良なインプラント治療がなくせるようになって欲しいと思います。もちろん、悪いのは不良歯科医側の問題ではありますが....


繰り返しますが、常識では全く考えられないはずの学問を無視した危険なインプラント治療が行われている例が日本の歯科界では頻繁に患者さんの口腔内に見受けられます。

そして高額な治療費を患者さんから悪びれもなく無責任にもそういった歯科医は頂いています。

このような危険な状況を1人でも多くの患者さんに認識して頂き、危険な歯科治療を避けて頂きたいと思います。
ここではそのためにも敢えて、多くの患者さんに現状認識をして頂けるように啓蒙しています。
































2010年8月10日

先日、週刊朝日に3週連続企画でインプラントに関わる危ない実態の記事が載っていました。マスコミの中では、歯科に関して面白い記事を書くことで有名な週刊朝日が、真っ当な記事を載せていました。

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「週刊朝日」10/16号、10/23号、10/30号の3週連続企画として、インプラント周辺の諸々の危険な問題を伝えています。



今回の「週刊朝日」は真摯にレポートしていると私は評価いたします。ただ、最終的にはどのケースでもインプラント自体にリスクが大きく存在する事までは、
歯科医師の反論に留意して触れていませんでした。大きくインプラント治療を宣伝したM大学の教授やインプラント学会の記事広告(お金を払って掲載する記事
を装った宣伝)も既に「週刊朝日」は掲載している訳ですから、こういった広告を出してくれるお客さんがいるので、余り悪く書けない訳です。



しかし、この企画では"インプラント周囲炎(peri-implantitis)"の話を挙げていたのですから、聡明な読者の一部は、ここに書かれていな
い本来のリスクの存在をも行間から読み解いたことは想像に難くありません。そのリスクに関しては、この後書かせて頂きます。



*週刊朝日を購読していない方で、この記事をお読みになりたい方はバックナンバーが公立図書館に保存されていますから、上の3号の複写を図書館に請求して下さい(詳しくは各図書館におたずね下さい)。





「 まずは義歯を第一選択にする 」



ここで、最もリスクが少ない義歯の長所と「義歯は噛めない」といった誤った認識に関して、認識を新たにして頂きたいと思います。



私は、著書や論文の共著者でもあり、今回「週刊朝日10/23号」にもコメントを寄せた弘岡秀明先生のオフィスへ10年ほど前までは頻回に遊びに行っておりました。その当時、患者さんも数名任されていました。



任された患者さんの中で、某有名会社の役員をされている患者さんがいました。この方は、上顎が重度歯周病で、全部保存できない状態だったので、全部抜歯し
てインプラントを埋入する予定でした(弘岡先生の治療計画)。まず、予め歯がある状態で印象して、抜歯した状態を想定して義歯(即時義歯)を作製してお
き、抜歯と同時に義歯を装着しました。治癒と共に変化する顎に合わせて何回も修整して、3ヶ月程で即時義歯で快適に噛めるようになりました。



患者さん曰く、「これで何でも良く噛めるね」「義歯は噛めないって聞いてたけど、ウソだね」「でも、インプラントならもっとしっかりしていいんでしょ?」



多くのインプラントを希望する患者さんは、義歯ではご馳走が噛めないと思っているようです。噛めないと思っているから、インプラントにしようと考えるので
しょうが、適切に調整した義歯は,例えこのような即時義歯でも大変に良く噛めて吸着も良いのです。これは、局部床義歯(部分義歯)でも同様です。



結局この患者さんは、この後その義歯のままインプラントへ移行しなかったように聞いています。ちょうどその頃、この患者さんの会社の女子スポーツ部(実業
団系チーム)が解散したとのニュースを聞きました。業績悪化で役員給与もカットされたような状況だったのでしょう。そういった中、高価なインプラントでな
くて総義歯で充分だと思われたのだと想像しています。この患者さんにとっては、むしろ総義歯がベターな選択だったかも知れません。



このように、何本ものインプラント体をケアし、リスクを背負って生活するよりも、チャージも安い安全な義歯で解決する方が患者さんにとって良い場合は圧倒的に多いと考えています。もちろん、リスクを受け入れた患者さんの選択ならインプラント治療も可能ではありますが。





「 埋入後はインプラント周囲炎対策は必須 」



「週刊朝日10/23号」にも載っているように、インプラントが埋入される部分以外の残存歯部分にはインプラント埋入前に、歯周病やう蝕などの感染を充分に除去しておく必要があります。



もっときちんとした言い方をすれば、歯周病処置(う蝕処置含む)をする中で、欠損部対応の一方法論として、インプラントを使用するのです。もちろん、術後のプラークコントロールはインプラントおよび残存歯牙ともに徹底する必要があります。



残念ながら、多くの先生が全顎的に歯周病治療を全く施さないで、欠損部にいきなりインプラントを埋入しているのが現状です。全顎的に歯周病治療をしないで、インプラントを埋入するような先生の治療を受けるのは、大変に危険ですから絶対に避けて下さい。



歯周病やう蝕などの感染除去を徹底する根拠は、(細菌が棲む)感染組織が口腔内にある場合は、そこから悪い細菌が移動してインプラント周囲へ棲み着く可能
性があります。そうなると,インプラント周囲炎の可能性が高くなるのですから。(=インプラントがダメになる可能性が大きい)



また、私は歯周病の講習会でインストラクターをしておりましたが、インプラントを精力的にしている名前が出ている先生が、基本的な歯周病の治療や知識がな
いことを目の当たりにして、歯科界の現状にショックを受けました。またどれだけ、患者さんに迷惑を掛けたのだろうかと怖くなったことを思い出します。





「 インプラントは強いと言った先生は嘘つき 」



都内Yデンタルクリニックの院長は、日頃「インプラントは強い」と言ってはばからないそうです。インプラント周囲炎が、平気なのでしょうか?



天然歯に比べて、インプラント周囲は細菌感染に強くはありません。むしろ、天然歯牙周囲(歯茎)より細菌感染の侵襲を受け易い側面があります。ですから、ダメになりやすい傾向があります。



あるインプラントの第一人者と言われている先生に至っては、インプラント周囲につくプラークが無害のような事を、講演で平気で言及されていたことは有名な
話です。特に、残存歯があるのにプラークに問題が無いというのは、細菌学や歯周病学を知らないヒトのコメントです。スーパーバイザーとして驚く程の無知で
無責任なコメントと言わざるお得ません。権威者と目される方までこの程度ですから、一般の無知な歯科医師では、どの程度のレベルか想像に難くないと思いま
す。



更に付け加えると、天然歯牙の場合は歯周組織へスケーリングなどの歯周病の治療が可能ですが、人工物のインプラントの場合は、そう簡単に治療できるわけで
も、やられた組織が天然歯牙のように簡単に治癒するわけでもありません。多くの場合進行を止めることすら難しいのです。未だ、侵されたインプラント周囲の
治療方法は確立していません。インプラントの周囲炎では、一度やられた際には、天然の歯牙における歯周病より遙かに急速に進行してしまいます。



ですから、既に埋入されている患者さんでは、インプラント周囲炎にならないように天然歯以上の厳格なプラークコントロールが必要なのです。患者さんにイン
プラントを埋入した後、患者さん自身が質の高いケアが可能か否か想像してみて下さい。そもそも、歯牙を失った原因は歯周病です。これは、プラークコント
ロールが悪いから生じた訳なのですから。どんなに、プラークコントロールを指導しても、どれだけ長い間こういったケアが持続できるか?特に高齢者では、以
前より質の高いケアなど非常に困難なのですから。







「 ケアが困難なヒトに、インプラントを勧めるのは良心的か? 」



人間、60代頃から急に体が故障する傾向が強くなります。入院をすると、必ず口腔清掃は悪くなります。そういった時、インプラントが口腔内に埋入されてい
る患者さんは、インプラント周囲炎のリスクが著しく高くなります。(インプラント埋入患者さんは、平均して60代以上の方が多いと思います。)



現在、日本の病院ではインプラント装着患者を想定したような質の高い口腔ケアを看護師がしてくれる訳ではありません。もちろん自宅でも充分なケアは無理で
しょう。ですから入院した場合や自宅療養でも、インプラントがダメになり易い事を考えなければなりません。そういったことを公で誰も語らないことは不思議
でなりません。



大学の教授などへは、研究費の一部や一種の見返りが業者からきているので、インプラント関連でネガティブな事を言わない傾向にあります。また、無知な臨床
家に沢山インプラント材料を売る業者は、インプラント関連で問題が起きても、自社に火の粉がかからない程度であれば、自社製品を沢山売ることだけに奔走し
ます。このように歯科界での全く顧みられない悪循環は、多くの患者さんに結果的に迷惑を掛けているのです。ただ多くの患者さんは、インプラントがダメに
なって初めて気がつくのものなのです。



お年寄りや、初老の患者さん達(=小金持ちの方々)をターゲットにして,どう考えてもケアができないような状況が想像できるのに、平気でインプラント治療を第一選択として勧めるような歯科医師が良心的でしょうか?



この点、よく考えて下さい。



私は、こういった患者さんにリスクを説明することなしに、すすんでインプラントを第一選択で勧めるのは、一種の詐欺行為だと考えています。



これは、口腔清掃ができなくなった患者さんの例です。こういった事を知って、あなたはどうお考えになりますか?







「 インプラントの故郷・スウェーデンでも困っています 」



忘れてはいけないのは、インプラントは社会保障制度が充実した北欧・スウェーデンに生まれたシステムだということです。



0歳から居住区内のドクターに毎年検診を受けて、う蝕や歯周病に関する知識の指導やそのケアを受けるように国家的にサポートが整っています。スウェーデンで国をあげての医療改革が行われて既に30数年経っています。ですから、う蝕も歯周病も激減しています。



また、国の負担(現在は一部負担かも知れません)でインプラント治療も行われていますが、診査を受けて適応症の患者さんに専門医が治療する訳です。ですから、埋入前・埋入時・埋入後のケアは日本に比べれば遙かに正確で徹底しています。



病院では入院患者には、専門のスタッフがケアをしてくれます。このようにオールラウンドのバックアップがスウェーデンでは存在します。こういった状況でも、スウェーデンでは1/4人がインプラント周囲炎に罹患してしまうとの統計が既に出ています。



さあ、全てにいい加減な日本ではどうなるか想像して下さい。全く、日本の国民(患者さん)は本当の姿を解っていないようです。現在も沢山訴訟が出ているよ
うな状況です。十年後は、トンデモナイ結末になると考えています。そうなれば、日本のインプラント治療の本当の姿を知って、インプラントを安易に希望する
患者さんはいなくなるのではないかと想像しています。





「 インプラントとは本来、リスクがあるモノ 」



日本では、多くの先生がリスクを説明しないでインプラントを患者さんへ埋入しています。(リスクを説明すれば、インプラント治療をあきらめてしまうと考えて、説明すらしないことが一般的です。)



診療契約時、インフォームドコンセント(説明と同意)をする際、リスクの説明が不可欠です。リスクの説明がない先生方は、インフォームドコンセントが完了していないまま治療に入ったことになり、これは法的にも大問題だと言えます。



どんなに、完璧にインプラント治療が完了しても、その後が問題です。インプラント周囲炎などは、あらゆるケースで生じる可能性があります。ですから、良い先生に診てもらったと喜んでいる患者さんも、ケアを怠れば結局ダメになるものなのです。



私は、17年前に米国のメイヨ・クリニックの教授のレクチャーや実習を受けてブローネ・マルク・インプラントを教えて頂きました。しかし、歯周病学を深く
知るにつれてインプラントのリスクが大きいことを感じ、(上に書いたような理由から、)インプラントを臨床で勧めることを止めました。



インプラント治療中までは、ほぼ歯科医師がコントロールできるステージです。しかし、その後は我々歯科医師が必ずしもコントロールできないステージになり
ます。必ずしも責任を持ってケアできないステージが長いほど、問題は我々に処理できない部分で発生します。ですから、責任ある治療をしようと考える私には
どうしても選択できないのです。



何も解らない多くの先生方が無批判にインプラント治療を行っているこの状況だからこそ、尚更自信を持ってインプラントを避けるべき方針を私は表明します。



私だけではなく、海外留学をされた先生や専門的見識が非常に高い先生の中に、批判的な方が意外に多くいることも心強く思っています。



安全な方法論を採って、患者さんに確かな治療をお勧めすることが私のポリシーです。







◎麹町アベニューデンタルオフィスでは、このブログで述べたようなポリシーをもって正確に治療しています。ポリシーに共鳴された方、歯でお困りの方は虫歯一本から丁寧に治療させて頂きますので、お気軽にご連絡下さい。



また、お口の中全体に及ぶ治療をお考えの方は、カウンセリング(診断及びご相談)の時間を充分お取りしますので、お問い合わせ下さい。





*私のブログに共鳴された方は、ご自身のブログにリンクして下さい。

2008年12月19日

あなたは、自分の受けた治療の内容やレベルを本当に理解していますか?不完全でトンデモナイ治療を受けているかも知れませんよ!?

ここにお見せするのは、かなり大きな医原性疾患を他院のある歯科医師が作ってしまった例です。ある日(15年前のこと)、30代後半の患者さんが来院され ました。「ある医院で口の中全体に白い歯を被せてもらったが、鼻の下辺りが何箇所も腫れてどうしようもない。」「元の医院に行っても直してくれないので、 いろいろな医院を廻ったが、抗生物質をもらうだけで治療してくれない。」といったことだった。数軒廻ったあげく、我が医院へたどり着いたらしいのです。医 院に訪れたときには、抗生物質のおかげか小康状態で特に腫れた状況ではなかったのです。

この患者さんが通われた医院は、私の前の医院の近くだったのですが、何故あそこへ行ったのか?全く理解に苦しみます。

医院内の様子や、歯科医師に会って話を聞いた時の印象だけでも、ある程度は解るはずなのに...世の中には、ヒトが生きてゆくために必要な"勘"が悪い方 がいるようです。この患者さんも"勘"が狂っていたように思います。(それから、この医院は燃えないゴミを医院の裏で焼却して、何度も市役所から注意され ていた札付き医院でした。待合室も小汚い...)


正面ー術前

この患者さんの正面観です。
前歯に被せられた冠が何か変です。
切端も一致してもいませんし、歯肉も...


術前五枚法

これが、お口の中の様子です。
陶材を金属に焼き付けたセラモメタルクラウン(=通称"メタルボンド冠"・自費負担)が沢山装着されています。
まともな歯科医師ならこれを見ただけで、この症例が何かおかしい治療であることがだいたい解るのですが、この患者さんは白い歯が入ったということで当時は、とても喜んでいたそうです。

そして、お口の中のレントゲンを撮影し、驚くべき状況が判明しました!


術前X-RAY

前歯の根管治療(根の治療)が全くされていないまま、いたずらに大きく太いコア(支台築造物)がそこへ挿入されています!!それらの歯の先端には、黒い影に見える根尖病巣が確認できます。これが、腫れの原因だったわけです。

これは、ハッキリ言って"犯罪"です。

その他の部分も根充不足だったり、根充がオーヴァーだったり著しく歯内療法の状態が不良です。歯内療法の問題は、毎日いらっしゃる患者さんの多くが、大なり小なり抱えている問題ですが、これほどまでに沢山いい加減な治療をされているのは初めてでした。

別途・追記を参照していただきたいのですが、冠も歯の削ったマージンと全く一致していません。不良補綴物が装着されています。前歯部では辺縁の歯肉を不適 合な冠が無理に押していますし、無理に歯肉溝の深いところまで削っています(生物学的幅径の破綻:後述)。それによって、歯肉が悲鳴を上げています (>_<)ゞ

生物学的幅径は、結合組織性付着と上皮性付着を合わせて約2ミリで、歯間乳頭部ではこの幅が広く、唇側ではより狭い傾向があります。生理的歯肉溝を考慮すると、骨頂からおよそ3ミリの部分に補綴物のマージンを設定するようにすることが必要と考えられます。

プロビジョナル5枚法

これは、歯内療法・歯周治療(オペを含む)など終えて(詳細は追記を参照のこと:要クリック!)、患者さんのお口にプロヴィジョナル・レストレーション (仮の樹脂製(レジン)の冠)を装着したところです。この状態でオペ後の更なる歯肉の成熟、口腔清掃のし易さ、かみ合わせの具合、歯のカタチに関する修 整...等々をチェックして良好ならば、外形を参考に最終補綴物(=冠やブリッジ)を作製して装着します。


final 正面

最終補綴物が装着されました。

この患者さんは、歯肉角化層の薄い部分がある歯肉のタイプです。時々、女性で見かけられるタイプです。プロービングでBOP(ー)(=出血がない=炎症がない)でも、辺縁歯肉が少し赤みがかり炎症を思わせるような外観です。(しかし、炎症はありません)

final 5枚法

バイトアップ(かみ合わせを挙上)し、骨を削除するオペをしたことで、前歯部は歯が長い状態になりましたが、健全な歯周組織と正常な咬合(かみ合わせ)が獲得されました。

*セラモメタルクラウンの設計も、ご注目いただきたい。
セラミックとセラミック(陶材=瀬戸もの)、金属と金属が噛み合うように設計されています。特に気をつけるべきことは、セラミックと金属が噛み合うような 場合は、セラミック冠が著しく摩耗してしまい、破折の原因にもなります。こういったことを歯科医師でも知らないヒトがもの凄く多いのです。補綴学の基本の トレーニングが出来ていない先生に大きな規模の補綴治療を受けるのは危険なのです。


final X-ray

これが、私が治療した後のX線写真です。術前と比較して十分に根管治療が成されてことがお解り頂けると思います。

今から15年ほど前なので、今より技量の点では未熟だったと思いますが、かなり一所懸命にこの症例に向き合ったことを思い出します。結局、まるまる2年治療期間がかかりました。



上下6前歯比較 X-ray

前歯部だけ、術前・術後を比較するともっと解りやすくなります。

根尖病巣(根の先の黒い部分)の消失と縮小が確認できます。術前、ある程度長い間感染した状態に根が放置されたことから、象牙質深部まで細菌の感染が懸念 され、一端病巣が消失しても安心は出来ません。厳しく言えば、予後は必ずしも良好とは言えないのです。ここが難しいのです。どんなに後でよい治療が施され ても再発を抑えられる保証が必ずしも無いのです。→最初にきちんと治療してもらわないと歯の寿命は短くなります。ちゃんと治療できる先生のいる医院へ受診 しましょう。

前医が、コアを装着するために根管上部を大きく拡大したことで、今後破折のリスクが高くなりました。この点は私ではどうも出来ないことで全く残念です。 削った歯は戻ってきません。こういった原理・原則を正しいカタチで理解して臨床で実践する臨床医に診てもらいたいものです。


二枚比較

更に、術前・術後の二枚を比較してみましょう。

ほぼ消失・縮小が解ります。


◎治療過程をもう少し詳しく知りたい方は、以下をご覧下さい。



[ 治療過程・詳細 ]

クラウン・コア除去4枚


1.前歯セラモメタルクラウンと歯のマージン(継ぎ目の部分)をプローブで探っているところです。マージンが著しく不一致なことが解りました。この後、冠を除去しました。

マージン相当部を尖った器具(探針など)で探ると、ここに段差を感じることがあります。これが明らかな時は、精度の悪い補綴物が装着されていると考えられます。

2.冠を除去するとコア(金属の土台)が出てきました。形成が全くデタラメでヘタです。一本のマージンに仕上げられていません。

3.これが除去されたセラモメタルクラウンです。たぶん1本10万円くらいかけて装着したのでしょう。気の毒です。

4.これが除去されたコアです。一度、装着されたコアを外すのは容易なことではありません。この時もかなり時間がかかりました。それから、コアを外す際に残存歯質に力が沢山かかるため根の破折が生じるリスクが高くなります。


sakurai

冠を除去し、コアを除去した後の痛々しい歯周組織(下の写真1に続く)


endo治療

コアを外した後は、感染根管処置をしました。

1.コアが外された根の周囲の歯肉にびらん状の歯肉の腫脹が見られます。全く適合していない冠が装着されたことにより、歯肉は不用意に圧迫されていたことが解ります。先に書いた"歯肉の悲鳴"とは、このことです。

2.根管治療をしているところです。歯根が歯肉縁下に潜っているため、ラバーダムを正規の方法で掛けられず、妥協的に写真の様な格好で装着しました。この際。周辺軟組織には器具を接触させずに時間を掛けて行いました。この後、水酸化カルシウム系の糊剤で仮充填しました。

3.仮封(仮のフタ)して、

4.前歯部だけ、プロヴィジョナル(仮歯)を仮着しました。

しばらく、水酸化カルシウム系の糊剤で仮充填した後、ガタパーチャポイント(樹脂系根充剤)による根管充填をしました。


上顎ope4枚

1.前歯部に、歯冠長進展術(crown lengthening)を施しました。
これは、いわゆる生物学的幅径(Biologic width)を得るために行いました。この症例のように、不適切な位置に形成された場合すなわち、歯周組織の生理的かつ解剖学的適正な位置を超えて冠の マージン設定などされてしまうと歯周組織は悲鳴を上げるわけです。こういったケースでは、歯冠長進展術を行います。この手術後精度が高いジャストフィット の補綴物を装着することで歯周組織の生理的環境が獲得されます。

2.これは、オペ後1週間の抜糸前の画像です。

3.これは、オペ後3ヶ月の画像です。歯肉が引き締まりきれいな治癒が達成されています。

4.プロヴィジョナルの装着後です。

右側冠除去 ope

1.下顎左側臼歯部の不良補綴物を除去しました。このブリッジも精度が悪く、前歯部と同じような不適合を呈していました。

2.ここでも、不明瞭な形成形態が明らかになりました(=ヘタな形成です)。歯肉が悲鳴を上げています。

3.生物学的幅径が侵され確保されていません。ですから、これを獲得するために骨切除を伴う歯冠長進展術(crown lengthening(歯周外科手術の一種))を施さざるを得なかったのです。本当は、大切な歯を支持している骨は除去したくないのですが...



上下形成後,B.T.など

1.プロヴィジョナルが装着された状態です。これから形態等が決定されました。半年くらいこの状態だったので、良い情報が得られました。

こういったプロヴィジョナル・レストレーションの状態で様子を見ることが大切です。単に、"仮歯"という仮の"被せ物"ではなく、ここから得られる情報が最終の補綴物に反映することこそ、ねらいなのです。

2.最終印象後、バイト採得(かみ合わせを記録)しているところ。当初、顎間距離(上下の顎の距離:噛み合わせの高さに関係する)が低くなっていたので、これ前歯で3ミリほど挙上しました。これにより、咬合学的に生理的状態を獲得しました。

3.4上下顎の最終印象時の様子
医原性疾患
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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。