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2010年8月10日

ー3MiX-MP法は何故人気?ー
 3MiX-MP法は、かなり以前から私も知っておりました。なぜか、この頃TVや雑誌などマスコミで大々的に3MiX-MP法が紹介されています(誰が売り込んだのかは解りません)。その際、「無痛治療」「麻酔なしで出来る虫歯治療」「虫歯が薬で治る」など、全く見当違いの売り文句が使われています。これは、患者さんの多くが歯科治療で"痛い"という事を嫌がる傾向が強いため、"無痛"や"痛くない"などの文句を加えるとそれだけでセールスポイントになるという、全く安易な作戦を使ったわけです。しかし、こういった患者心理につけ込まれ、踊らされている患者さんも多いように思います。3MiX-MP法では、"全く痛くない"といったこと自体が嘘です。確かに、有る程度"無痛"と言ってよい状態で治療できるケースは多いとは思いますが、麻酔を使用しない方法で行うなら、深い齲蝕(虫歯)のケースでは程度の差こそあれ、疼痛が生じます。逆に、通常の齲蝕治療(虫歯治療)は麻酔下で行うので麻酔が効いていれば術中の痛みは特にありません。
 また、時に"麻酔薬が毒なので使用しない"といった理由を言う先生がいますが、麻酔をしないことで痛くて完全な治療が出来ないのなら、この方が遥かに害があります。
それよりも何よりも、この方法やその扱われ方には、根本的におかしな部分が沢山あります。ただの小さな事とお思いになるかも知れませんが、実は歯科医師の倫理的でない姿勢までもが露呈してくる事柄なのです。
以下は、少し自分のことを棚に上げてお話ししますがお許し下さい。

回りくどいお話なので、ご興味のない方はお読みになれないと思います。これをご理解いただいた上で、読み進んでください。また、歯科医師の方にこそ、お読みいただきたいと思います。

ー歯科医師の多くが、正しく虫歯治療を行っていない可能性があるー
 私も、齲蝕治療(虫歯の治療)を日常的に行っておりますが、一般の歯科臨床医のかなり多くが真っ当な齲蝕治療さえ行っていないだろうということを日常的に感じております。この理由は、かなり多くの充填物(インレーやコンポジットレジン)が適切に充填されていないかつ精度不良である点と、充填物を除去すると、二次齲蝕(充填物と歯の間から細菌が侵入して虫歯を作ったもの)のみならず、軟化象牙質(細菌に侵され、軟化・変色した象牙質)の取り残しと思われるモノが多く観られ、歯痛の原因はこういった不完全な処置が原因と考えられるからです。

 私の臨床経験からは、深い齲窩(虫歯の穴)でも、軟化象牙質など齲蝕検知液(細菌が侵入している歯質が染まる液)で真っ赤に染まった層とその下層の薄いピンクに染まった部分まで除去し、必要が有れば覆罩(歯髄保護)し、露髄(神経組織の角が露出)していないのなら、適切な充填処置をした後は歯髄炎(歯髄の炎症、ズキズキ痛み出す)に移行することはむしろ希です。

ですから、齲蝕処置では多くの場合、初めから3MiX-MP法など薬剤を使用する必要性がない
と考えています。また、再石灰化などの修復機転が3MiX応用にのみ生じるような印象をうけますが(そうは書かれていないかな?)、そうではないと思います(*)。



*再石灰化など齲蝕処置後の硬組織・修復機転自体、他の無菌操作(化学的処理や機械的除去のみ)によっても生じると思います。換言すると、齲蝕の際に観られる透明層は、生体防御反応による高石灰化層であるといえます。これは、細管が閉塞しているので、検知液では染まらない健全な層です。この層を上手く残せれば、問題になりません。理屈から言えば、象牙細管が完全に閉塞していれば痛みもありません。逆にこの層がキレイに残ったような状態では、抗菌成分の帖薬に何も意味はありません。3Mix-mp法は、こういった側面からも方法自体に矛盾を含んでいます。

ー当院での齲蝕処置の一例ー

これは、数日前に行ったある患者さんの齲蝕治療です。日常的に行っているケースを例として提示しました。特に3MiX-MP法に対し比較するためにお見せする訳ではありませんが、当院での基本に即したスタンダードな処置の一例と思ってください。当然、3MiX-MP法など使用していませんが、予後は良好で術後に疼痛もありませんでした。
す。
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001.jpg


下顎左側第二大臼歯には、金のインレーが充填されていますが、辺縁が不適合な不良な充填状態です。詰め物と歯との間から細菌が内部に侵入していることも疑われます。このような不良修復物に、金合金であるというだけの理由で数万円の自費治療費を支払ったのですから、この患者さんは気の毒です。

歯の背景の緑色の部分は、ラバーダムというゴムの膜です。これを使用しないと唾液や呼気の湿気などで術野が汚染され、処置(接着にも障害があります)が適切に行えません。当院では、歯内療法やこのような修復処置時には必ずラバーダム防湿法を使用しております。残念ながら、日本では多くの医院でこれが実践されていません。特に、歯内療法(根の治療)時にラバーダム防湿法を使用しない先生は、適切な診療をしていないので上手く治せないと思います(予後不良)。医院を変えた方がよいでしょう。
3


金インレーを除去したら、近心側(歯の前側のコンタクト部)に齲蝕が見つかりました。下層には齲蝕が大きく広がっています。写真では隠れていますが、遠心側にもコンタクトから波及している齲蝕がレントゲン上で確認できました。これも(写真には出ていませんが、)近心側と同様に治療しました。
近心側に齲蝕検知液に赤く染まる感染巣が確認できます。感染歯質の除去と検知液での染色・水洗を何回も繰り返しました。
検知液で赤く染まった感染歯質を完全に取り去った後の様子です。術中には超音波器具に小さいダイヤモンドチップを付けたモノを使用したり、エキスカベーターという耳かきのような小さな先端部をもった手用器具で丹念に除去してゆきました。 実に、この操作に時間がかかるのです。この時は近心側と遠心側合わせて30分ほど時間を要しました。最終的な除去状態の確認と取り残しの除去は、マイクロスコープを使用し拡大下で行いました。また、近心側コンタクト部には、メタル製隔壁(マトリックス)を挿入しました。 さらに、クサビ(写真ではブルーのモノ)やリングでコンタクト部をわずかに離開させて充填し、コンタクトが喪失しないように形状を再現しました。

充填後

コンポジットレジンという強い可視光線で硬化する材料により天然歯のように綺麗に充填を完了しました。この時、解剖学的形態を再現し、硬化時収縮など生じないように注意するため、小部位に分けて充填してゆきました。このため、充填操作に20分ほどかかりました。

このように、正しい方法の丁寧な齲蝕処置では、たった1本の歯にも麻酔を施す時間を含めればチェアータイムが1時間以上かかります。齲蝕処置では微小部分を丁寧に治療する必要があります。どうか、繊細な操作を必要とする治療の価値をご理解いただきたいと思います。

健康保険での診療は、負担金が少なくてすむため、患者さんにとっては有り難い制度です。しかし、採算性から十分に時間をかけられないことが多く、結果的に不十分な治療となり、この症例のように感染巣の取り残しなどが原因で後で虫歯が進行する事が起きるかも知れません。そういったことと、対価を払ってこの治療のように十分な時間をかける良い治療(自費治療)を受けるのとではどちらをあなたは選びますか?


ちなみに当院では、これは3万円の自費治療*です。技量や治療時間など考慮されていない保険治療ではこれは行えません。ご理解いただき、真っ当な歯科治療をさせて頂きたいと思います。

*治療費は、ケース(虫歯の状態)や充填物の種類により異なります。また、充填する範囲によって、充填方法などが変わります。詳しくは、来院時にお尋ね下さい。

ー歯科における薬剤療法は正しく研究されるべきことー



 ところで、私の父親は以前ある保存学系学会の会長をしておりましたが、大学研究室も介した研究テーマの一つには、難治症例における抗生剤などの使用によ
る研究が有りました。根管(歯の中心にある歯髄が入っているところ)に感染した細菌に関して、寒天培地で感受性試験(薬剤効果の有無の判定)をして、抗生
剤の効果などの研究をしていたわけです。感受性試験は、一般臨床家がチェアサイドで簡易に行えるわけではないので、研究目的での方法論の域を出ませんでし
たが、難治性といわれたモノに対しては、有効な場合が多かったのです。あくまで、ルーティーンで薬剤療法を行うわけではなく、一般的治療法で治癒しない、いわゆる"難治性の症例"に対して、感受性試験を行って有効な抗生剤を局所に使用する療法であったと認識しています。

cf. 3MiX-MP法による歯内療法への適応では、3MiXのカバーするスペクトルが広域(多くの菌に効く)で万能であるような前提で使っているように思います。先の研究での難治症例では、こういった三剤に感受性のない細菌や真菌感染(抗生剤は効かない)による症例が幾例も存在していました。3MiXが歯内療法でも万能であるような考え方は、少し安易であろうと思います。


 3MiX-MP法のオフィシャルサイトに書かれている事柄は個別に観れば全くの間違えではないと思われることもあります。また,(LSTR療法)学会を組織されていることは解りますが、治療法の扱われ方や指導していらっしゃる先生の指導者としての姿勢が、責任有るモノか否かという事が非常に問題だと考えています。
 ところで、3MiX-MP法のサイトでは、この療法を完全にマスターした先生が10名足らずと記されています。では、マスターしていない先生は、勝手に診療室で"治験のようなこと"を日常的にしていることにはならないでしょうか?"治験のマネごと"や、正式な"治験の結果を得ていない療法"を、臨床医がオフィスで行うべきではありません。ですから、集団で"根本的に過ちを犯している"と思います。

 もう一度言っておきますが、私は歯科における薬剤療法自体には賛成です。もっと研究されて良いと思っています。しかしこれは、科学的根拠を探求できるだけの資格のある歯科医療機関、すなわち主に大学で正式に行われるべきことで(開業医中心の研究グループではなく)、決して一般開業医の個別オフィスでいい加減に行われるべき事ではありません。
さらに治験は、倫理規定をクリヤした科学的プロトコール(研究計画)に則り行われるべきです。そして治験結果から、確固たる科学的根拠に基づく治療方法が確立し、認可が下りた製薬会社の製剤を使用して、その治療法が一般臨床医に正しく使用されるようになる事が医療倫理を考慮すれば、正しい手続きだと思います。そういったステップに時間がかかると言うかも知れませんが、ステップを飛び越えたら過ちを犯すことになりかねません。これは、素人でも解る簡単な理屈です。(正式に研究機関の治験で行われるのならば、製薬会社から正規に入手した抗生剤の原抹を混合して使用すべきです。)

 新潟大学の先生らの基礎研究は、ある程度行われているようなので(論文が出ている?)、もっと確かな方法論でこの治療法を臨床面で確立すべきだと思います。学内での何らかの問題がネックになって出来ないことは多いと思いますが、巷の臨床医に野放しで臨床応用されている現状は誠に残念です。
(もっとハッキリ言えば、この方法を著しく"怪しく"かつ"ナンセンス"な方法としか学内でも受け取られていないので、治験が出来ないのだと言えます)。この方法の表層だけマネをして、"無痛治療"などと宣伝している医院がかなり増えてきことは危険な傾向です。患者さんは、こうした似非専門医に騙されないようにご注意願います。そして、こういった状況では、薬剤を使った歯科治療自体の評価が著しく落ちることは必至です。

ー3Mix-MP法は、薬事法違反では?ー

 3MiX-MP法で使う薬は三種類の抗生物質を乳鉢などで粉砕し、各医院で調剤されたモノです(いわゆる自家製剤を使用する治療法)。しかも、これらの調剤法が研究学会で説明や指導もされていました(関連HP参照)。本来の使用法が粉にして虫歯などに使用する目的で作られていない薬剤であり、かつ勝手に調合や複数の薬を調剤しているため、明らかにこれは薬事法違反だろうと思われます。10年以上前ですが、この自家製剤を作っている事実を外国の教授陣が知って"信じられない"、"日本人はクレイジーだ"と驚いていました。このような"自家製剤を臨床家がかってに作る事"が、医療人としてトンデモナイ行為だという認識が、日本では全く歯科医師にないのも情けない限りです。
 すでに数年前、千葉県の歯科医師会から自家製剤を使用する3MiX-MP法に関して、薬事法違反の可能性など数項を載せた通達文が配布されたことがあります。歯科医師会の見識がいつも正しいわけではありませんが、この件に関しては、歯科医師会の薬事法違反の可能性を示唆した見解については私も賛成しています。なぜ、医療の論理的筋道や医療倫理を見識があるはずの先生までが理解していないのか?誠に不思議でなりません。


 一事が万事です。すなわち、現在の日本では医療倫理に即し、揺るぎないポリシーを持って行動できる歯科医師が指導的立場にいる先生でも非常に少ないのです。このように、残念ながら日本の歯科医療は全く信用できない状況に陥っているのです。


ー最後にお読みいただいた患者さんへの一言ー


 3MiX-MP法は、まだその効果や臨床手技が確立されたものではなく、また研究機関で臨床面での正しい治験が成されていないようです。すなわち、まだ未知数な治療法で、本来これを一般医が臨床に応用してよい時期には未だ至っていないはずです。
というより、基本的に間違った治療の方法論です。
ですから、もし患者さんが"ボランティア"のようなカタチでこの治療を受けるならば、問題が生じる可能性があります。特に、術者が齲蝕治療の基本を忘れて、3MiX-MP法の効果を過信するならば、リスクはさらに大きいと思います。そして、何よりもこの療法をウリにする歯科医師の医療倫理的に問題がある姿勢にこそ、日本における歯科界の根深い問題があるという事を忘れないでください。


当院にも年間に何人も3mixーMP法を受けたという方がお出でになります。多くは治療を受けた部位に疼痛があるので来院しています。そして、変色した軟化象牙質が窩洞から発見されます。はっきりと原因除去しないまま薬剤の効果を期待する原因除去療法の基本を間違えた治療法です。そして患者さんへ迷惑をかけています。

 上のような理由から私は、この方法を全くオススメいたしません。これをお読み下さった皆様には、怪しげな効果を宣伝してすり寄ってくる療法に惑わされることなく、慎重に歯科医院を選択され、基本に忠実な正しい歯科治療をお受けになるようお願いいたします。


○3MiX-MPオフィシャルサイトHP:http://www.3mix-mp.com/ 

↑この方法を研究されている先生方のHPです。



○mixiのニュースでも この問題が冷静に書かかれていますので 、mixi会員の方は是非お読みください。



http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=44&id=507416

2009年6月 3日


「 症例のイントロ 」

今回、数日前に終わったちょっとした症例をご覧頂きます。

この方は、私のブログを以前から良く読んでくれた読者で、適切に治療してくれそうな医院を探していたそうです。文京区に住み、区内のIT関連会社に勤務する20代の若い患者さんです。


有り難いのは、お住まいの周辺や会社周辺でも沢山歯科医院があるのに、千代田区麹町までお通いいただけたことです。すなわち、ネット上などから自分が得た知識で我が医院の治療内容を気に入って通ってくれたのです。逆に、一般的患者さんの場合には、オフィスに近いという来院動機が多いのです。
この場合、どういった医院かも解らずに近いだけで歯科医院を選んでいることになります。

ところで、女性の中には美容室選びに神経を使ってる方は多いはずです。先日は「私、美容室難民なの」と、ある女性が言っていました。すなわち、表参道にある美容室の前任の美容師が遠方の美容室に移ったので、適当な新しい美容室を探しているが、まだ見つけられないで困っているといったことらしいのです。このように、女性の多くは、美容室選びにはかなり真剣です。埼玉の実家から、表参道まで通うこともいとわないのですから。

ここで、私はあえて言いたいのです。
「美容室と同じくらい、歯科医院も真剣に選んだらどうですか」と。

この頃、女性のみならず男性も含めて、多くの患者さんが本当に良い歯科医院を探しているのか疑問に思うことが多いので、もう少し真剣に歯科医院を選択した方がよいのではないかと思っているのです。明らかに怪しい歯科医院に受診して、困ったときには、また違う医院へ転院して複数院を延々と渡り歩いている方が世の中に多いのです。そして、歯の寿命は短くなります。
 これは、時間もお金も無駄になり、歯の寿命は短くなり・人生における大きな無駄です。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

患者:安田忠夫さん(仮名)


年齢:25歳


全顎的には、軽い歯肉炎や下に提示するような、二次う蝕(二次カリエス)を数本治療して終了しました。後は、本人のご希望通り、3ヶ月に一度のメインテナンスに来て頂くだけです。



パノラマ臼歯部




下顎右側・第二小臼歯(45)、第一大臼歯(46)、第二大臼歯(47)に矢印に示す部分にカリエスが認められます。



治療1~4

1:治療する45,46,47にラバーダム防湿法を施し、外部(口腔内)と隔絶しました。これは唾液汚染、乾いて綺麗な環境の確保、器具による事故防止といった条件を得るために、必須な方法です。*ラバーダム防湿法に関しては、以前のブログを参照のこと

なお当院では、保険・自費にかかわらず、ラバーダムを装着できる時には必ず使用しています。
(現在、ラバーダムは保険請求上算定できません。=医院負担です。)

2:以前充填された充填物とカリエスが認められる部分を切削・削除しました。

3:2の窩洞にう蝕検知液(カリエス・ディテクター)を滴下した後、水洗し赤く染まった感染歯質を確認しました。赤く染まった部分は、細菌の侵入がある部分で、必ずこれは除去しなければならない部分です。
4:検知液で染まった感染歯質を注意深く除去して、窩洞は綺麗になり、45遠心にCRを充填する直前。46近心との間に金属マトリックス装着とバイタイン
リングにより、コンタクト部を拡張したところ。マトリックスと45歯質とは隙間無く適合して、また46とのコンタクトを適切に回復させる必要があります。

こういった方法を高いレベルで再現するには,術者のトレーニングによる高い技量が必要です。
詳しくは、以前のブログを参照のこと。技術的にいい加減な場合は、二次的に障害を与えることがあります。
治療5~8




5:46と47間にマトリックスを装着し、46の遠心~咬合面にボンディング・プライマー塗布前にエッチング処理しているところ。ブルーのジェルがエッチング剤(ortho-phosphate37%)です。



6:エッチング後、ボンディング剤を塗布する前の状態

ボンディング前に、処理した窩洞歯質面に余計なモノ(唾液・呼気・その他汚染物質)が付くと接着が阻害されます。この点からも,このようなラバーダムによ
る術野の隔絶が必要な理由が理解していただけると思います。処理面が汚染されると、接着が不十分になり、後で亀裂などが生じ、二次う蝕や時には充填物脱落
などの懸念があります。



7:これが、充填完了時の状態です。綺麗に充填完了したことを確認してください。この後、注意深い充填部辺縁の診査、形態修整、咬合調整、最終研磨、クリアコーティングを行い完了します。
8:次回来院時に、撮影した口腔内での修復物像 
適切なコンタクトの付与(接触点回復)、咬合回復が得られています。

術前・術後


術前・術後の拡大像での比較

46は、辺縁不適合で充填物(CR:コンポジットレジン)と歯質のマージン(辺縁・境目)に黒く色素が入り込んでいます。ここから、細菌が入り込み二次う
蝕(充填後二次的に生じる虫歯)が生じます。また、47は保険のパラジューム合金によるインレーが装着されていますが、肉眼では解りずらいですがマージン
部に隙間や不適合があります。これら充填物辺縁(マージン部)の隙間は、う蝕を作る細菌レベルでは大変大きなモノになるのです。我々は細菌レベルで、マー
ジン部からの細菌進入を防ぐ方法をとる必要があるのです。

上のような観点から、47のような雑な金属充填や46の不適切なCR充填では処置したことにならず、むしろ二次的なう蝕(二次カリエス)を誘発させていることになります。
私が行ったこのようなCR充填と同じように、厳格な環境や条件で治療されたときに、安定した予後の良い修復が可能になります。一般的な医院で行われているラバーダムすら使用しないような充填では、予後の良い治療を達成するのは困難です。

多くの患者さんが、「虫歯治療なら、どこでも同じだろう」と考えているようですが、全く間違っています。これは、上の例を見ていただければおわかり頂けると思います。不十分な治療は歯の寿命を縮めます。

現在、街場の多くの歯科医院でみられる治療がそのレベルで、大変いい加減です。より精度の高い安全な方法での治療を望む方は、高いレベルの治療をルーティンで実践している先生を捜す必要があります。
  さて、皆さんはどちらの治療を受けたいですか?

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「 いかに正しい知識や技量を習得しているか 」

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先進的欧文教科書

私が使用している先進的歯科修復学の教科書(の一例)

こういった修復方法は、学校では教えないモノです。ですから、欧米の教科書を取り寄せて勉強しています。また、歯周病学は著名な教科書以外に欧文学会誌を3誌購読しています。学会誌は、特に最新トピックに関しては必須です。


世界的にインパクトファクター*が高い学会誌や著名で上質な教科書は、ネット経由もしくは専門書店で購入や購読が可能です。ですから、日本中どこにいても
世界標準の歯科医療は勉強できるのです。利用しない方が可笑しいと思います。講習会に頻回に通っている先生が周りに沢山いますが、どれだけ身につくか疑問です。
また、これらは主催の先生の我流の治療法など、指導する先生方のフィルターが加わっている講習が大半で怪しいモノが多いのです。やはり、歪曲されていない欧米研究者のオリジナルを勉強しなければいけません。
ある程度基礎を身につけたら、くだらなく怪しい講習会に何万円も払うよりも、教科書や文献を取り寄せた方が沢山の情報が得られ、それを使って繰り返し勉強が可能になるため、よっぽどマシだと思います。(良い講習会や勉強会を判断して、そこで基礎固めをすることは、もちろん若い先生方には必須です)
インパクトファクターとは、どれだけその雑誌(Journal:学術雑誌)から論文の引用があるかといった、引用率のことです。これが高いということは、多くの研究者がその雑誌の論文に注目していることであり、それだけ学術的信頼度の高い良い雑誌であるということです。

「 自分の目で歯科医師を選択するのが基本 」

残念ながら、医療機関には"ミシュラン"のようなモノは存在しません。いわゆる「全国名医辞典」といった本も医師自らが掲載料を払って載せているので、良医選択の客観的基準ではあり得ません。ですから、そういったモノを鵜呑みにしないで下さい。

このブログを書くきっかけの一つに、こちらの診療内容やレベルを開示し、患者さんに広く見ていただこうということがありました。もちろん、これで何らかの
信頼を持っていただけたなら、ご来院いただきたいのですが、いい加減でウソの多い一般歯科診療を避けて、良医に巡り会っていただきたいという一種の啓蒙的
意味合いもあるのです。

これをお読みの方々は、今回この症例の安田忠夫さんのように、よく勉強してから良医を選択して歯科医院へ通った方がよいかも知れません。

◎このブログを初めてお読みになった方へ・是非、以前書かれたブログもお読み下さい。

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◎当院・院長手製の小冊子↓



syousassi

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◎当院では、虫歯1本から徹底的治療を致します。

歯でお困りの方は、是非ご相談下さい。

ご予約は、お電話でお願いします。

2009年2月10日

この頃、審美的歯科治療が脚光を浴びています。いろいろな場所で、いわゆる"審美歯科"なる言葉を私はあえて使わないと主張していますが、歯科の審美的側
面に無関心いったことではありません。むしろ、審美性には常に気をつけております。ただ、"審美歯科"という安易な使われ方や、多くの臨床家が使う"上部
だけの語感"を嫌っているのです。



女性や人前に出る患者さん、審美的要求が高い方には、健康な歯周組織のもと綺麗な修復ができるよう努力しています。



今回の症例は、口腔内の不良金属修復物で口の中が暗く見えることを主訴に来院された患者さんのお話です。



[ 症例 H.Y. ]



45歳女性



主訴:「口の中が暗く見えるので綺麗にして欲しい」





術前・正面



前歯部から不良なコンポジットレジンの充填が目につきます。こういった指で詰めたような充填がされていること自体、担当医の責任感を疑います。また、下顎
左側側切歯には、4/5冠という金合金の充填物が見えます。これもやけに目立ちます。金属と不良充填物、欠損の放置で、失礼ながらはっきりと言えば大変に
品のない口元だったと思います。





術前・5枚法







この患者さんの場合、お話をしていて前歯のみならず、口の中の充填物がかなりよく見えるしゃべり方をしています。同じような治療をされていても、それらが
目立つヒトとそうでないヒトがいます。例えば、タレントの久本雅美さんのように、歯茎がむき出しになる笑い方をされるヒトは、口の中の治療状態が他人に露
わになります。ですから、そういった方の場合はしっかりと恥ずかしくない治療が必要です。また、そういったケースでは、金属の露出は避けたいと思うのは,
特に女性では当たり前だろうと思います。



先日のブログでは、ご老人の修復で審美的側面を問題にしないので、金属冠で奥歯を修復した例をご呈示しました。反対に、今回のケースのように"金属が見え
る"といったことを"審美障害"とする場合もあります。この判断は、結局患者さんによります。すなわち、ケースバイケースであり、主観的判断も介在しま
す。同じ修復でも歓迎される場合とそうでない場合があるということです。









術後・正面







術後の正面観です。

この患者さんの場合は、前歯はコンポジットレジン修復で、臼歯はアートグラスという第三世代のレジン系修復物でインレー、クラウンとブリッジのいずれも対応しました。左右中切歯は、充填のみです。右側中切歯は、遠心の豊隆部を修整することで左右対称観を出しました。



費用の問題は別として、例えば前歯をセラモメタル冠などで修復する方法論もあります。しかし私は、まず侵襲の少ない修復方法をファーストチョイスにする考え方を基本的にします。もちろん、患者さんが見かけに不満な際は、そのまま形成すればセラミック系の冠も装着できます。



大変に口元がキレイになりました。

修復物だけでなく、歯周組織も健康的になった点もご注目下さい。









術後・5枚法







全顎的に歯周治療を施し、以前装着されていた金合金の修復物を全部除去して、アートグラスで再修復しています。二次カリエス(二次う蝕)が沢山見つかり、
かなり時間が掛かりました。ブリッジも、金属のスケルトンを作り、その表面に同材料を築盛して仕上げています。アートグラス修復では、セラモメタルクラウ
ン(メタルボンド冠:瀬戸の歯)やキャスタブルセラミックなどと比べ、少し安価になります。さらに、セラミックで生じる破折が、起こりずらいといった点も
利点といえます。一方、ステインやプラークが付き易いという欠点があります。とはいえ、口腔ケアが良好な患者さんでは、綺麗な修復がセラミック系と比較し
て安価(三割ほど)で達成できて良い材料の1つであると思います。









上下顎比較









これは術前・術後の口腔内の比較です。



術前、品のない暗い感じの口元だったのですが、金属が露出していないので明るい口元になりました。







臼歯だけ比較









第一小臼歯~第二大臼歯までの4本をアートグラス修復しました。以前の不適合・金属修復物と比べ適合も良好です。これで、審美障害は解消できたようです。



*第一大臼歯の色合いが少し白くなりましたが、シェード調整がセラミックとは違うためです。このケースは、技工所のS歯研に依頼しました。こういったカ
ラーマッチングなど、前歯部に比較して臼歯部ではさほど問題にならなかったようで気になりませんでした。この患者さんの主訴を解決するためには、前歯部の
ような色調の厳格さは必要なかったようです。







患者さんご自身が大変に喜んでいただけたことが、何よりと私も嬉しく思います。









2008年12月18日

患者さんの口の中に装着されていた金属修復物(インレーなど)を取り去ると虫歯の感染巣が出てくるようなケースが多いのです。金属などが装着されているか
ら治療が出来ていると思ってしまうのは大間違いのようです。ここでは、そういった症例でCR修復で対処したものをご覧頂きます。



充填物の下にう蝕を発見した場合、既存の充填物を除去して充填し直すのですが、そういったときにはCR修復は都合がよいのです。(もちろん、金属やセラミック製の修復方法も行えます。)





[ 症例1 ]





1



下顎左側第二大臼歯には、金のインレーが充填されていますが、辺縁が不適合な不良な充填状態です。詰め物と歯との間から細菌が内部に侵入していることも疑
われます。このような不良修復物に、金であるというだけの理由で数万円の自費治療費を支払ったのですから、この患者さんは気の毒です。



2



金インレーを除去したら、近心側(歯の前側のコンタクト部)にう蝕(虫歯)が見つかりました。下層にはう蝕が大きく広がっています。写真では隠れています
が、遠心側にもコンタクトから波及しているう蝕がレントゲン上で確認できました。これも(写真には出ていませんが、)近心側と同様に治療しました。



3



近心側にう蝕検知液(虫歯に侵された部分を染める液)に赤く染まる感染巣が確認できます。感染歯質(虫歯に侵された部分)の除去と検知液での染色・水洗を何回も繰り返しました。繰り返すことで、細菌に冒された部分と細菌を除去できます。



4



検知液で赤く染まった感染歯質を完全に取り去った後の様子



術中には超音波器具に小さいダイヤモンドチップを付けたモノを使用したり、エキスカベーターという耳かきのような小さな先端部をもった手用器具で丹念に除
去してゆきました。この時は25分ほど時間を要しました。除去状態の確認は、マイクロスコープ(医科手術用顕微鏡)を使用し拡大下で行いました。

また、近心側コンタクト部には、メタル製隔壁(マトリックス)、クサビ(写真ではブルーのモノ)やリングでコンタクト部をわずかに離開させて充填し、マトリックス除去後にコンタクトが喪失しないように形状を再現しました。(←この方法が正しくできる先生は実に少ない)



5



充填を完了し、水洗した後



コンポジットレジンという強い可視光線で硬化する材料により天然歯のように綺麗に充填を完了しました。この時、必要な解剖学的形態を再現し、小部位に分けて充填してゆきました。このため、充填操作に30分要しました。



ちなみに当院では、これは3万円からの自費治療*です。技量や治療時間など考慮されていない保険治療(3000円くらい)では著しく不採算になり、この方
法は行えません。治療価値をご理解いただき、真っ当な歯科治療をさせて頂きたいと思います。この症例のような方法では来院1回で充填は完了します。この点
は、綺麗な仕上がりと共にこの方法のアドヴァンテージです。特に余り大きくない虫歯治療ではオススメです。



*この治療費は、虫歯の状態や充填物の種類により異なります。また、充填する範囲や噛み合う歯によって、充填方法や材質などが変わります。詳しくは来院時にお尋ね下さい。







[ 症例2 ]



この方は、下顎右側臼歯が痛むことを主訴に来院されました。

症例1と同様に、保険適応12%金銀パラジューム合金によるインレーを除去して、CR充填にて修復した症例です。





古いインレー除去前



第二、第三大臼歯に金属インレーが装着されています。第二大臼歯も辺縁に歯質と金属間に著しい間隙を持っています。

(第二大臼歯は、第三大臼歯修復後に全部被覆冠で補綴修復予定)



インレー除去後



インレーを除去した状態です。黒く変色した感染歯質が認められます。

この症例では、二次的に進行したう食よりも、むしろ元々十分なう食感染巣が除去されることなく金属を充填したものと考えられます。これは、歯科医師(破壊者)による医原性疾患と言えます。



検知液で染まっています



既に、4,5回染色と除去を繰り返していますが、まだう食検知液に染まった部分が残っています。

う食検知液で何回も染色して、赤い染色部を丁寧に除去してゆきます。この操作に大変時間がかかります。



エキスカベート後



ほぼ染色部分が除去されたところ。古墳発掘現場のように穴が空いています。この後、症例1と同様にマトリックスを介してCRが充填されました。



頬側から生じたう蝕も見つかったため、深い穴が空いたように見える部分もあります。少し着色が残っているように見えますが、検知液非染色部まで除去しています。



充填後



術後の状態:天然歯のようにきれいに仕上がっています。

もちろん、術後痛もなく良好に経過しています。



充填後 ラバーダム下で



これは、ラバーダムを外した口腔内での状態



下に舌が写っています。このように舌がすぐ傍らに存在する環境を想像してください。とても、安全でドライな環境ではありませんよね?ですから、ラバーダム防湿はこの点でも必須な方法であることがご理解いただけると思います。



この症例は、自費治療です。技量や治療時間など考慮されていない保険治療ではこれは行えません。

本当の治療をご理解いただき、真っ当な歯科治療を受けて頂きたいと思います。





・・・・・



[ 自費治療費とは対価です ]



日本では、健康保険でかなりの治療が出来るようなシステムが出来上がっています。

ここで、注意が必要なのは、"治療を受けたということ"と"十分に治療が成された"ということは全く違うということです。何を言いたいかといえば、例えば
症例2の様に保険の充填物を歯医者さんに装着してもらっても、金属の下にはう蝕を起こすバイ菌が沢山取り残されていれば、再度痛くなって来院することにな
るのです。平均すると、採算の合わない保険治療では、十分な時間が取れず、"短時間診療"="雑な診療"となる傾向があります。症例2のケースは、ごく普
通に毎日のように患者さんのお口の中に見られることです。たぶん、保険ベースの荒い治療の多くで取り残しや適合不良による二次う蝕が存在するモノと考えて
います。



そのような不十分な治療と、対価を払ってこの治療のように十分な時間をかける良い治療(自費治療)を受けるのとではどちらをあなたは選びますか?



今回のような正しい方法の丁寧な齲蝕治療では、たった1本の歯にも麻酔を施す時間を含めればチェアータイムが1時間以上(平均1.5時間)かかります。う
蝕処置では微小部分を丁寧に治療する必要があります。どうか、繊細な操作を必要とする治療の価値をご理解いただきたいと思います。





*もちろん、当院も保険治療を行っておりますが、"時間がかかる治療"や"完全な治療をお望みの方"には、自費負担での治療をお願いしております。







[ ラバーダム防湿は必須 ]



○ラバーダムを使わない医院では治療を受けるな!



歯の背景の緑色の部分は、ラバーダムというゴムの膜です。これが正しい保存療法では必須であることは、世界中のコンセンサスです。世界中の教科書に"使用しなければならない"と載っています。

これを使用しないと細菌を含んだ唾液や呼気の湿気などで術野が汚染され、無菌的処置や接着が適切に行えません。当院では、歯内療法やこのような修復処置時
には必ずラバーダム防湿法を使用しております。しかし、残念ながら日本では多くの医院で(95%とも言われている)使用されていません。さらに、健康保険
の点数改正で、ラバーダムの点数が無くなりました。これも更に追い打ちをかける結果になったように思います(もともと算定だけして、実際は使用しない医院
が多かったようですが...)。





*当院では、保険・自費の区別無く、使用できる場合には必ずラバーダム防湿法を行っております。安心して治療をお受けになって下さい。





○ラバーダム防湿法の励行は、真っ当な先生の印



特に、歯内療法(根の治療)時にラバーダム防湿法を使用しないような歯科医師は、適切な診療をしないダメな先生だと思います。細菌を歯の中から除去すべき
処置なのに、逆に細菌感染を新しく起こしているのです。危険ですから、そんな医院で治療を受けない方が賢明です。真っ当な治療をしている医院を探してくだ
さい。



*歯内療法時に使用するリーマーやファイルという(ヤスリ状の針のような)小器具の誤飲防止にも必須です。誤飲して、気管に入ったら大変です。毎年かなりの数の誤飲例が全国で報告されています。ですから、ラバーダムはそういった観点からも使用しないと危険なのです。







◎当院では、多くの歯科医院でいい加減な処置をされている部分を、丁寧で正確に治療しております。これはラバーダム使用の励行だけではなく、治療全般にわたります。すなわち、後日患者さんへ迷惑をお掛けしない充分な治療のためには正確な治療過程が必須だからです。



歯茎、歯の根の治療など基礎的な治療の多くは、保険の治療が可能です。ただし、この治療のようにお時間と技術を使う治療では自費治療費を頂きます。充填方法・材質や補綴方法など選択肢が複数ある場合も多いので、治療方法や治療費などは個別にご説明・ご相談いたします。



また、巷でみられる、いわゆる「15分治療」などの短時間で雑な診療は一切しておりません。初診時には、お困りの部分のみならず、お口全体の状況を診察す
るために、多くの場合1時間以上お時間を頂いております。丁寧で安全な精度ある治療をお望みの方は、是非当院へお越し下さい。



・ご予約は、電話(03-5637-7300)でお願いします。



              麹町アベニューデンタルオフィス院長

2008年12月16日

ここに、ちょっとした治療の一例を示します。光硬化型コンポジットレジン(CR)という材料を使って、見かけ上も美しく即日完了するちょっとした治療の一
例です。このケースのように、問題が生じずらいシンプルな方法論を患者さんへ提示ですることも、我々歯科医師のつとめであると考えています。





[ 症例1 ]



この患者さんは、上顎の左側前歯(左側中切歯)と右側前歯(右側中切歯)の先端部(切縁)のカタチが揃っていないことによる見かけの悪さの改善を希望していました。

治療方法は、以下のように幾つかあります。



1.左の歯を削り(形成して)、白い歯(セラモメタルクラウンやキャスタブルセラミック)をかぶせる方法

2.左側中切歯の表層だけ形成しラミネートベニア(薄い瀬戸モノの歯や合成樹脂系の薄い歯を貼る方法)を切端まで処理する方法

3.切端部をCR充填して処理する方法



等々が考えられます。



このうち、1と2の方法は歯の前面の表層もしくは全周を形成する事になり、しかも費用は比較的高額になります。また、精度が良くないと歯周炎やう蝕といった問題も起きるリスクを含んでいます(逆に、精度ある仕事が成されれば長持ちのする良い方法でもあります。)

一方、3の方法は変色や摩耗などは1,2に比べ劣るものの、治療費は安価であり、修整・やり直しも容易です。



注意:1~3は、ある確かな意図があれば、どの方法を選択しても良いわけです。その意図するところが、適切であれば問題ではありません。



tezuka1



術前:左右側の中切歯の切縁が不揃いで、審美的に問題があります。



左側中切歯の切縁から続くやや茶色い部分は深部から生じておりますが、患者さんが気にされていないので手をつけないことにしました。



tezuka2



術後:左右側の切縁が自然観を持って揃い、かなりきれいに修復できました。



左側切縁の透明感も再現されています。現在材料の向上とテクニックでこのくらいは可能です。



歯をほとんど削らずにしかも、形態や色の再現もかなり出来て治療費も抑えられるので左側中切歯切縁部にCRを充填しました訳です。





[ 症例2 ]



この症例では、患者さんは前歯切縁近くの白斑が気になり、この改善を希望して来院されました。





furomoto術前



切縁近くに白濁した白斑*があります。

(白斑周囲の黒い線は、鉛筆で書いた線が写り込んだものです。)



furomoto2



白斑の層のみを一層切削したところです。



furomoto充填後



白斑があった部分へCRを充填して研磨を終えたところです。





*白斑とは、歯の頭の部分を覆うエナメル質の表層から数十~数百ミクロン下の層に軽い脱灰を起こした状態で、これはう食(虫歯)ではありません。よって、
ブラッシングなどコントロールをしていれば、う食とは違って特に進行しません。そういった白斑ではありますが、この方の場合は審美的問題で改善を希望され
たわけです。



他医院で、パーシャルベニアで修復する方法を奨められたそうですが、私のCRによる方法論の方を希望され修復に至ったわけです。



患者さんが、顔の間近で手鏡でよく観察するとCRを充填した部分が判別できます。患者さん本人はその点を少し気にされていましたが、他人からはそういったことなど全く解らないと思います。このようなケースとしては、十分成功したケースと考えています。



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現在、やたらに歯科医師が歯牙を切削する傾向が見られます。臨床家は、補綴・修復をするときにはもちろん形成を行うわけですが、必要のない事をするよう
な、いわゆる"オーバー・トリートメント"を行う傾向が巷に散見されます。この背景には、高額な治療費の請求を意図していることがあると思います。また、
例えオーバー・トリートメントであっても、精度が高い仕事であればまだ良いのですが、精度不良では後に問題が起きて、結果的に歯牙の寿命を縮めることにな
ります。これは、一種の医原性疾患(歯医者=破壊者?)です。



私の学生時代には、CRは強度や耐久性に劣り、安物の修復材料のように見られていました。しかし、今や接着歯学と材料学の向上から、ケースによっては金属やセラミックに代わり得る歯科材料として推奨できるものと考えています。

修復学
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麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。