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2018年11月21日

  
  
 

私が小学生の頃は、まだクラスメートにいわゆる"みそっ歯"と言われる乳歯が殆ど虫歯になった子がいました。こういったタイプのう蝕をランパントカリエス(暴発性う蝕)と専門的に歯科界では呼んでいます。

たぶん、現在でも地方の山間部などの子供には希にみられるかも知れませんが、都市部でそういったランパントカリエスに遭遇する事は希になっています。

昭和40年代以前の当時は歯の衛生思想が今のように正しく確立していませんでしたから、親も子供の歯に関して正しい予防概念がなかったことにより生えたての幼弱で弱い歯が一斉にう蝕(虫歯)になってしまったのです。

当時はまだ日本には歯科医院が少ない時代で、積極的な歯科保健体制が国内に充実していませんでした。今のような歯科材料や治療方法もない時代に沢山の虫歯を限られた人数の歯科医師が治療してゆくことは想像を絶する努力が必要でした。今のような歯科医師過剰化時代ではウソのような時代だったのです。

そういった時代に子供達のランパントカリエスを治療してゆくことは物理的に無理であったために、何とかう蝕の進行だけでも止めておかなければなりませんでした。そこで登場したのがフッ化ジアミン銀を使ったサホライドという歯科用のお薬でした。

これを歯科医師は子供達の虫歯に塗って進行を止めたのです。虫歯の部分がサホライドで黒くなった子が良くいました。流石に最近はこのような光景を観ることは殆どありませんがけしてこういった治療をダメな治療だと否定すべきではありません。
必要がある場合にはう蝕抑制剤として現在でも効果的に使用できます。

サホライド.jpg
フッ化ジアミン銀のお薬:サホライド


サホライドは、私が歯科医師になってからもそして現在でも販売されていますが、私自身は臨床で使用した経験がありません。

確かにサホライドは一般的にはクラシックな歯科治療薬と認識されているモノの一つです。
しかしそんな歴史的な薬剤ですが、昨今、高齢化社会になってご老人のう蝕が問題になる状況には、適材適所でサホライドのようなう蝕抑制剤をう蝕が多いご老人で通常の歯科治療の処置が難しい方に使えば効果があると考える発想も出てきました。

すなわち、寝たきりや通常歯科治療が難しい患者さんには、有効だと考える訳です。 

現在では虫歯があればコンポジットレジンなど、比較的簡単に充填できる良い歯科材料がありますが、通常の歯科治療が出来ない高齢者の方々にはまずサホライドでう蝕箇所を抑制して、次のステップで状況が良い時にコンポジットレジン等で治療すれば自然な流れで良いと思います。

このように高齢化社会の現代にこそコストパフォーマンス良く利用出来る薬剤だと言えます。

クラシックな薬剤や治療方法だと一般的に思われるモノでも、現代流の使用で使用価値が甦ることも多いので、伝統的方法の価値を再評価すべきだとこの頃強く私は思っています。


 























2018年11月19日


  


最近は、一日中スマートホンを身に付けて使用している方が若者だけで無く老若男女に広く拡がりつつあります。

そのような現状で既にスマホを観ると姿勢が悪くなることでスマホ近視スマホ腰痛が起きる健康被害が有名になってきています。

このようにかなりスマホ使用に派生する健康被害が増えているように私は思っています。


○スマホ口臭:


スマホの使用が原因になる口臭は俗に「スマホ口臭」と呼ばれています。
問題は使用時の姿勢です。スマートフォン使用時の下向きの姿勢で唾液腺が圧迫されて唾液腺から唾液が分泌されにくくなります。

唾液には食べ物を飲み込み易くしたり、口の中の粘膜や舌の汚れを落とす作用がありますが、唾液の環流が不足すると口の中を清潔に保つことができずに口の中で細菌が活発になり一種のガスを発して臭いが発生します。

■夢中になりすぎると...唾液の分泌は自律神経で抑制されます。

一方、リラックス状態で副交感神経が優位になると分泌が盛んになります。

ところがスマホに熱中すると興奮状態で働く交感神経が優位になり、唾液の分泌が抑えられます。

また、スマホに夢中になると、口呼吸になりがちです。特に冬では口の中が乾き乾燥した状態で更に唾液の流れが減って細菌の増殖を助長させて口臭が発生しやすくなります。

このように 間接的影響でスマートホン使用で口臭が出やすくなるものと理解出来ます。


スマホ口臭 というのは俗称ですが、実際に上のようなメカニズムで生じる症状ですからウソではありません。何故起きるのか知ってスマホの利用方法や時間を考えて正しく健康を害さないように利用して欲しいと我々臨床家は考えています。
















2018年11月 6日


  

 現代日本では,いわゆる生活習慣病の患者が増加傾向です。
その代表的疾患の糖尿病患者はますます増えています.また糖尿病があると全身疾患の合併症や数々の疾病の発症と悪化も懸念されます、歯周病を制しコントロールする事が糖尿病患者の方にとってのQOLを維持するための最も身近な問題とも言えます。

 日常臨床においては問診結果で糖尿病の方と多く遭遇します。これと供に高血圧症も合併したケースがよくみられます。特に高血圧では一部の降圧剤に因る副反応の歯肉増殖症を発症することも有ります。降圧剤服用者に対する歯周病治療やそのフォローアップで良い状態が維持出来ることが解っています。こういった増殖症でも歯周病治療で克服できることをまずは知って下さい。


こういった糖尿病患者さんは複数の疾患を医師から指摘され医院へ通院されている事がもちろん多く、我々は主に歯周病を治療する事しか出来ませんが、歯周病を適切に治療することで糖尿病の管理にも良い結果が出ることが解り始めてきました。

歯科治療で医科領域の疾患の予防にも効果がある事が最近解明され始めています。

研究結果でわかるように,糖尿病で歯周病患者の方は一般の歯周病患者さんよりリスクが高い分だけ余計に厳格で徹底したケアが必要だと解るでしょう。
やはり単に歯科医院へ惰性で定期検査に患者さんが通うだけではなく日常のケアを徹底し、歯科医師はより徹底したメンテナンス治療を行う事によって良いコントロールがなし得ます。患者と先生の両者が供に、より懸命なケアを心がけることが良い結果を生みます。

このように両者が努力すれば糖尿病自体の治癒やその安定にも効果がある事が理解出来ます。

もちろんこのように、糖尿病の方は歯科医院へ受診すべきできです。糖尿病の治療にあたっては医師も口腔疾患に関して注意される先生も最近は出てきたようですが、充分にお医者さんからは口腔疾患に関する指導は受けられないと思います。
どうしても未だに糖尿病の方は皆歯科医院へ行くという概念がないようです。これは高血圧の方に歯科への受診を勧めるのと同様に患者の生活全般に関わる重要なことです。これこそQOLの要の一つと言っても過言ではありません。

特に高血圧や糖尿病の方は、歯科医院で歯周病治療とメインテナンスケアする様に心がけて下さい。とにかく一度歯科検診に歯科医院へ受診しましょう!

















2018年10月10日

  


インターネット専用学術雑誌いわゆる自由にネット上で閲覧出来るハゲタカジャーナルの質が悪い論文の増加が、今問題になっています。
問題になるのは論文の質や信憑性の他にも、世界的に著名な学術雑誌に掲載されたように扱われたり、勘違いされて詐欺的商売に利用されたり、ハゲタカジャーナルを研究業績の水増しに利用されたりする現状もあるために、大学関係者研究者から注意喚起されています。

我々が大学院時代は、まだネット社会ではなかったので、ハゲタカジャーナルのようなネット専用の学術雑誌はありませんでした。よって,大学院の研究者は文科省認定の正式な学会が出す論文が掲載された世界一流学術雑誌のみが学位関連の標準的な引用論文になっていました。もちろん理系の医歯学系学位審査では、今でも査読での厳格さは当時と同様です。ネットジャーナルのような論文は一切引用されません。

もちろん、そういった正式な学術誌は、掲載には審査委員に認定された各大学教授、助教授が論文の内容を吟味する"査読(さどく)"を行い掲載に値する内容と論文の質がある事を確認されたもののみを雑誌に掲載してます。こういったことは、 余りに当然のことです。

よって、査読を経た論文は一応の学問的レベルが担保されています。こういった過程を経て論文に掲載されるので、我々研究者は、それ等の論文を信用して引用し研究や論文作成ができる訳です。


ところで、今回問題になっている"ハゲタカジャーナル"は,上のような査読による論文の質や内容の吟味が成されず、論文は筆者が掲載料を支払えば、無診査で掲載されます。   こういったことから、掲載料を取るだけの目的で何ら権威が無い者が多いので"ハゲタカ"と喩えられるわけです。
 故に、必然的に先に書かれた通常の学術論文のような質や研究自体の信憑性も全く担保されない論文が多くなります。


特に大学などの研究者の場合には、論文執筆数が一種の研究者の賭となる風潮があるために、論文数を増やす目的でハードルが低いハゲタカジャーナルを利用する研究者が多くなるのは当然の結果とも言えますが、崇高な学術的意義を鑑みれば、非常に学問の質と信用性を低下かさせる雑な行為と言い換えられます。これが実態であり、日本での学術界のレベルと品位を失墜させる事は必至です。

学問を志す研究者には倫理の低下につながる事態です。よって、主要なハゲタカ雑誌への掲載本数が多い九大、名古屋大、新潟大では、実態を調査し始めるに至った訳です(下の表を参照のこと)。


上位20校.jpg

学術的な内容が無い論文でも、一流学術雑誌掲載論文と勘違いされることだって有り得るでしょう。

また、一般の商売に利用される事だってあり得ます。

例えば、歯科界なら科学的根拠も無い電動歯ブラシが刷掃効果が非常に高い電動歯ブラシとして論文に掲載されたなどと宣伝されれば一般的消費者は効果が科学的に証明された素晴らしく効果がある電動歯ブラシだとして信用してしまうでしょう。

○○大学の研究で証明された画期的な○○といった文句が宣伝に使われていても、ハゲタカジャーナルに載っているだけのサギ商品だったりすることもあると思います。

とかく、消費者は○○大学研究室で研究されたものというだけで信用してしまう傾向は強いと思います。
このような詐欺商法に大いに利用される事だって有り得ると思います。

どうか、皆さんも学術的根拠を装った商品や3流論文にはご注意下さい。








































2018年10月 8日

 
   

  この数年,インレーなど補綴物が脱落し来院する患者が益々増加しています。
特にインレーの場合多くは、窩洞の形成量(窩洞の深さ)が浅く、インレーの金属を窩洞内に摩擦をもって維持出来ず脱落している場合が殆どです。
これ等インレーは厚みが無く金属が極端に節約された事が明白です。ケチな歯科医が金属代をケチって窩洞を意図的に余り深く形成しないで、インレーの金属代を節約したことが明白です。

歯科の保険治療ではどの先生が治療しようとも全国一定の診療報酬になるため出来るだけ金属代を節約できれば歯科医院の粗利がその分だけ増えます。
たぶん金属代が年々高騰しているので  金属代金を節約して粗利を得ようとするケチな信条の歯科医が増えているのだと想像できます。

 例えば,1g 1,000円の合金では適正に形成して0.5g使うべきケースでは窩洞を浅く形成して0.4gで済むように出来れば0.1gの節約で0.1g分の金属代の100円分だけ粗利が増えるわけです。  極めてケチで,嫌な歯科医院です.
もちろん、窩洞形成が浅いので金属と窩洞との間に生じる摩擦が少ないために、それだけ金属インレーが脱落し易くなります。
たぶん、このような方法で粗利を増やせてもわずか数円~100円程度です。このようなケチな歯科医の思惑で患者のインレーが脱落し易くなって不良な補綴物に成り得ます。
本来患者の歯科治療が安全で長持ちできるものを提供することが臨床医の使命であるはずですが、この程度の臨床倫理も無いのが歯科医院を経営する多くの歯科医師の標準的な姿になりつつあるようです。
全く情けない現状ですが、私は浅い不良な窩洞形成により脱落したインレーを毎日のように発見して情けない状況に呆れ果てています。

更に浅く窩洞形成するために、底に感染歯質を取り残すケースも増えています。


インレーが脱落して来院された患者さんには、極端に窩洞が浅い不良なインレーを観て頂き、歯科界の医原性疾患を作る現状を認識して頂きます。そしてアブナイ歯科医院を回避して頂けるように毎度説明しています。
 インレーが脱落する医院へは二度と行かないようにすべきなのは言うまでもありません。




○ インレーの維持に関わるファクター:
 インレーは基本的には歯質と金属の間に生じる摩擦力によって維持されています.
セメントによる維持力は物理的な維持力を補助する作用と考えることが基本です。特殊な意図で行う治療以外はセメントの接着力のみに依存する維持力だけで補綴物をセットすることはありません。


インレー模式図.jpg


  ・インレー窩洞の深さ; インレーは深いほど歯質と金属の間に摩擦が大きく生じ深さに比例します.歯質を削りたくないと思うかも知れませんが、 インレーでは適切な深さが必ず必要です。

 ・インレー窩洞のテーパー ;インレー窩洞は窩壁が平行に近いほど歯質と金属に摩擦が大きく生じますが、窩壁が並行では摩擦が強すぎて臨床では金属がセット出来ないので,僅かに外開きにします(図では外開きのテーパーを強調して大きく表現していますが,実際はもう少し並行に近い状態です).

・ 歯科用セメントは基本的には上のような摩擦が設定されたインレー金属と歯質の間を埋める補助的役割を持ちます。基本的には接着力に大きく依存する治療は通常行いません.
また窩壁と金属の間に隙間が大きすぎれば摩擦がないために維持出来ませんし、セメントも厚くなり後日,溶け出せば脱落原因になります。

  *歯科用セメントの多くは口腔内で溶解します。適切なセメント層の厚みであれば問題有りませんが、妙にセメント層が大きすぎる場合にはセメントの溶解で脱落や二次的なう蝕形成を起こします。

以前にもブログ記事で紹介しましたが、このように歯質と金属の間に大きな空間を作る例は元々精度が悪く大きな空間が生じ易かった事を表し内部で二次う蝕(二次カリエス)を生じている可能性が高いと言えます。

特にう窩(虫歯の穴)を充分に形成しない歯科医の治療は感染歯質を取り残す可能性が高いと言えます。現在インレーが外れた患者の場合は8割以上に変色した感染歯質が窩洞に観察されます。



以前,この記事にも書きましたが、上の画像のように紙のように薄いインレーが多く、窩洞の底には変色したう蝕の感染歯質が残されてるのが典型です。

インレー1003.jpg

上のような窩洞ならば大臼歯の裂溝部から派生したう蝕ですから、金属インレーではなくむしろ歯質色のコンポジットレジンで綺麗に充填処置して高い接着力で隙間も生じないで長い年月の使用に耐える患者さんのメリットも大きい歯科治療も可能です。(この症例は保険治療でコンポジットレジン充填しています*)   *金属が外れて来院された手間がかからない場合には、原則的に保険でコンポジットレジン充填しています.

しかし巷の一般の臨床医は保険治療ならコンポジットレジンよりも金属インレーが診療報酬が高いために金属インレーで治療しがちです。こうして結果的に不良な治療をすれば医原性疾患を作って患者さんに害を及ぼします。



○当オフィスでは、上のような巷の歯科医院での医原性疾患疾患を治療し直すことをル-ティンのように日常的に沢山手がけています。

上のような金属インレーの治療し直しや自費治療でも価値のない不良な治療を受けたケースや全顎的に大がかりな不良治療を受けた例まで対応可能な範囲で治療し直しを行っています。

お困りの際は、カウンセリングも有ります。治療に先立って説明だけに充分に時間を費やして正しい治療の概念を説明しますので、より良い歯科治療の選択肢を理解して安全で長持ちする歯科治療をお受けになって下さい。また,充分時間を予約で割くために必ず来院できるように無駄のない当オフィスの診療にご協力下さるように御願い致します。

 我々のオフィスは予約は全て電話予約制です。ネットでは承っていません 是非,ご予約下さい。


















2018年10月 4日

  


  日頃、私は他院で行われた歯科治療を治療し直ししていますが、それ等の多くは自費治療で行っています。

私のオフィスに通院している方は解ると思いますが電話で治療費等の問い合わせをされる患者さんに「自費治療になるのは何故か」と問われた場合には、電話でそういった自費治療の根拠を説明する事がなかなか出来ないので,日常的に我々はスタッフ共々困っていました。この記事を書かせて頂いたのは、そういった問い合わせに補完する目的です.

そもそも、歯科治療は、保険であろうと自費治療であろうと治療内容に見合った報酬(対価)を頂けることが最も健全な状態だと我々臨床家は考えています。

ところで、日本には多くの治療が保険適応可能な良い健康保険制度があるために、患者さんには良心的な制度設計された国です。米国に住んでいた方の話を聞いたら、歯科治療の治療費が日本から観れば法外と言えるくらい高額なことに歯科医師の私でさえも驚きます。
智歯(親知らず)を1本抜いただけで、10万円以上です。奥歯の根管治療を1本(3根管)するだけで大学病院の歯内療法科でも30万円程です。これが国民健康保険制度が整備されていない米国での現実です.

ところで、日本では国民が加入する健康保険は加入者が払った財源で成り立っています。よって、限られたその財源から診療報酬が支払われている事を前提に考えて下さい。

そういった保険制度では一度金属などの補綴物を口腔内に装着したものは、壊れない限り一生患者さんに使用してもらう事が前提で設定された制度です。

昨今は歯科医がまだ使用に耐える既存のインレーやクラウンを保険請求額を増やす目的で根拠無く除去して保険請求で治療し直す傾向が頻繁に散見されます。

こういった根拠の無い保険治療を利用した保険請求額を増やす目的で作り替え&治療し直しする歯科医師が全国的に無批判に増え始めているので、ただでさえ保険の財源が少ない状況に追い打ちを掛け財源の枯渇を早めている状況です。 確かに患者から観れば、保険で全て治せて当たり前と思うでしょうが。実際には保険治療された歯は一生のうちには過半数の歯を治療し直すこととなっているのが現実です。保険給付額が倍消費されます。これでは保険財源がパンクします。


監督官庁では、歯科医院過剰化によって意図的に行われている保険請求額を増加させる目的の過剰な治療行為に警告を発し始めています。目に余るこういった根拠無き傾向診療は、歯科医師にペナルティーとして返ってくることがあります(一部で問題化しています)。


私が歯科医師免許を取り、保険医になった際の保険講習会で社保庁の技官が説明した事に「貴重な財源を減らすような診療を故意に行うことは止めてもらいたい」といった内容がありました 。  
今まさに表面化している歯科界の問題は30年前から危惧されていたことです。


例えば、保険の金属補綴物(インレーなど)を除去して治療し直す場合には、限りある保険財源を無駄にしないためにも治療し直しは自費治療で行ってもらいたいと、暗に社会保険庁から説明されていました。

実際に保険の金属インレーを除去してコンポジットレジンに治療し直す場合のことを考えると以下のように手間がかかる治療過程が必要です(実際のステップです)。

すなわち.このような治療の手間や技術を対価として治療費を計算すれば比較的高い診療報酬として計算されます。よって、それが保険で支払われるのには無理と言えます(必然的に自費治療となります)。


保険制度では、口腔内の既存の補綴物などの治療をし直す事に保険財源から報酬が支払われる前提で制度設計されてはいません。

言い換えると元々治療し直しは自費負担でおこない保険制度は使えないことが前提だったわけです。


ましてや。昨今多い「金属が奥歯に見えるのが嫌だから金属ではない白い歯にして欲しい」 といった患者の主張は、単なる患者の気まぐれに他ならず、元々保険財源から支払われた修復物をドブに捨てるように除去されることを意味しています。⇒保険財源の無駄遣いです。

よって、保険治療算定では治療し直しが出来ないのはお解り頂けると思います。


例えば・金属インレーの治療し直しの対価は:  

  最近では接着性が強いセメントで合着したインレーの除去には削り取り除去するのにも30分程度も時間を費やすこともあります。思いの他インレー除去に長時間の手間と技術が必要な事があります。

また、除去後は取り残された窩底(窩洞の底の部分)部の感染象牙質などの丁寧な除去、特にう蝕検知液を使い丁寧にエキスカベーターで除去してゆくのにはかなり時間を要します。


また歯髄に対する影響を軽減するために水酸化Ca製剤等で歯髄神経組織を保存出来るようにした上で適切な接着性ボンディング処理を施し数回に分けて(積層充填で)コンポジットレジンを適切に硬化収縮を最少限抑える様にコンポジットレジンを充填し光照射を行い精度高く充填物を硬化させて完了します。


また、コンポジットレジン充填では複雑窩洞(隣在歯と詰め物が接する場合・写真参照)では更にマトリックス(隔壁)等による配慮が必要で隣在歯とコンタクトさせる適切なコンタクト付与には熟練した技術が必要です。


このように金属インレーを除去してコンポジットレジンへ治療し直すには、1本で1時間以上を費す事も多いと思います。しかし、こういった適正な治療を日常的に行っていない先生には同業者でも、こういった話は通じないと思います。概ね画像を参照して頂ければ、患者の皆さんもステップワイズの治療過程の手間がお解り頂けると思います。


matrix.jpg

治療し直し.jpg


インレーなど充填物除去直後の画像がここにはありませんが、かなりの感染歯質が残っていました。
その除去に相当時間を要しましたが,それ等を除去後に更にう蝕検知液で染色し残ったものを染色しましそれを更に除去しました(3,2)。
  5,6では、隣在歯との間にマトリックス(隔壁用の薄い金属板)を使用しています.この方法を知らない臨床家が未だに多いので、このような治療を歯科医院で拒否される患者さんも多いようです。

上のような1、2時間の徹底的な治療過程を手間と技術を考慮して対価として当オフィスでは原則的に3〜4万円程の治療価値と考えています.また自費治療費(状況に応じて治療費には幅があります)の詳細は診療時にお尋ね下さい。

すなわち,こういった我々臨床家が想定する対価としての治療費は少ない保険財源からは支払われることが不可能(保険対象外)です。

すなわち、対価としての治療費は必然的に患者さんから自費で頂くことになります。


治療の種類や材料、難易度によって自費治療には幅があります。診療の際にお尋ね下さい。
治療し直しは、初めて着手する治療よりも難易度が高く手間を要する特性をご理解いただき治療にご協力頂けるように、御願い致します。


特に金属インレーの下に細菌が入り込んだ歯質(感染歯質)を放置している方は本当に多く、最近はその危険な事実に患者さんが気が付き始めています。
このように治療し直しのニーズが昨今徐々に増え始めています。

この記事をお読みの皆さんは治療し直しには、キチンと感染歯質を上のような過程を割愛しないで確実に除去して治療ししてくれる良心的で技量が高い歯科医院に治療し直しを依頼して下さい。

*当オフィスでは、記事のような治療し直しではない通常の保険適応治療は、保険治療で行っています。特に初めて治療を受ける歯の虫歯や根管治療は、是非とも我々の保険治療で良い治療をお受け下さい。ラバーダム防湿法も使わない危険な巷の治療を受けないで、当院へお任せ下さい。

治療のご用命は麴町アベニューデンタルオフィスお問い合わせ下さい。

 なお、当オフィスは電話予約制です。ネットやメールでは予約を承っておりませんので、ご了承下さい。


























2018年10月 3日

  


先日、ブログ記事に気象病の話を書きましたが、この1ヶ月ほど更に気象病を危惧する体調不良が増え続けているようです。私の周囲の知り合いや患者さんに、めまい、起床時の頭痛や釈然としない体調不良を訴える方が増えています。そして体調を崩し風邪をひいて予約をキャンセルする方も増えました。これ等は気象病にも関係しているのかも知れません。また、早くもインフルエンザが流行し始めているのも気になります。

この1ヶ月は次々と台風が襲来して、気圧変化、気候変化が日々大きく突然変化するので益々我々の自律神経が制御困難に成り易いのでしょう。台風前後は気象病に気を付けましょう.


もちろんこういった環境では体調を崩し抵抗力低下を招きます。これが歯科疾患を誘発したり、以前治療した箇所の再発を誘引する可能性が高くなります。実際に先日ブログ記事に書いたように根管治療したものの再発が目立ってくるのも必然性があります。


KH1.jpg

KH2.jpg

上の画像のように患者さんの中には、歯周病の急性発作で歯茎が腫れて、排膿した状態で来院される方もいます。

このような歯周病の急性発作は、歯周病治療をしないままの放置している患者さんや歯周病治療しても定期検査に来院していない方には更に急性発作の可能性が上がります。臨床写真では上下顎前歯舌側の歯肉が腫れて、排膿(少し黄色い膿)しています

歯が痛む、歯茎が腫れたなど、歯のトラブルが増えています。こういったトラブルは早急に解決しましょう!治療のご用命は電話当オフィスにお問い合わせ下さい(電話予約制)。 

































2018年10月 2日

  

  最近、ネットの情報化社会の中で、耳にする情報が飽和状態になり、また上部だけの知識が我々の頭中に充満し始めています。そうすると情報の真意や詳細を知らないで知ったような気になることが多くなり始めているように思います。

 すると、誤って認識したことで物事を勝手に判断し易くなります。

この頃、誤った歯科知識や治療法を誤認識して来院される患者さんが増えたことも社会的には理解出来る現象のようにも思います。歯科臨床では例えば以下のような考え(1〜3)を持つ患者さんがいます。

○この頃遭遇した患者さんの例:


1. 歯は形成しない方が良いから削らないで治療すべきだ⇒削らない治療法がよい。

2. 歯髄は抜かない方が良い(抜髄はダメ)⇒感染歯質の上から薬を詰めて抜髄しないで済むような治療法が良い。

3. 歯を虫歯が原因で1本失ったけど前後の歯を形成しない(し直さない)で済みインプラントを            欠損部に1本埋入すれば他の歯はそのまま保存出来るので一番良い方法だ。

・・・上の考え方の各々に対する私の解説・・・・


1. 先日のブログ記事のように何故かこの頃患者さんに多い治療出来ないケースの代表例です。

いったい患者さんはどのような処置と勘違いしてるのか?よく解らない例でもあります。

先日のブログ記事の通りです。
全く歯を形成しないでう蝕治療は出来ません。

2. 私は、天然の歯に備わっている最も生物学的に勝れた歯髄は、可及的に保存すべきだと信じて疑いません。
    これはもちろん、私のように歯科保存学(歯周病学)を大学院で学んだ者には世界共通認識です。

よって、私は歯髄保存を完璧に成し得るように不良なう蝕の充填治療を適正なカタチで治療し直しています。

ミニマルインターベンションも歯髄を保存するために可及的に不必要な侵襲を歯髄へ与えないよう配慮する歯科保存学のスタンダードな治療概念です。


しかし、昨今臨床で問題が生じたケースによく遭遇するドックベストセメントや3MiXを感染歯質の上から帖薬してバイ菌を殺して歯髄を保存するといった薬剤の効果を過剰に評価して行われる治療法の乱用には、私は極めて以前から批判的です。

今年前半だけでも、これ等の薬剤を利用して歯髄炎を起こし来院された患者さんが何名もいたことが、その誤りを如実に現しています。

これは、歯科医師の勉強不足で患者に迷惑を掛けている典型例と言えます。


 3. このブログ記事のように小臼歯に審美性を重視してメタルが見えないように埋入し上部構造を審美性最重視で工夫したインプラントは、基本的に充分な清掃性を考慮していない治療だと思います。


しかも定期検査が全く行われていないという恐ろしい歯科治療でした。天然歯での歯肉溝に相当する見かけ上のインプラント周囲のポケット状のエリアでの細菌叢はどうなるのか? たぶんこのケースでは、メインテナンスしなければインプラント周囲炎が進行するでしょう。

私の見解では、こういったインプラントの予後は不良だと思います。 欠損部の前後の歯を形成しないで(治療し直さないで)済むといっても、リスクが大きいインプラント治療を意図して行ったと言っても過言ではありません。患者さんは歯科知識が無いのでこの事実を理解出来ていなかったようですが、担当医の歯科医院へ今すぐに検査に行くように勧めました。

*もしこのような審美性重視のインプラント治療をするなら、少なくともメンテナンスは適切に行うことが絶対的条件です!

このように、メンテナンスもしない誤った審美性重視のインプラント治療を歯科医師がやりたがり、患者サイドもそういった方法を支持することも最近特によく見かけます。

言い換えると、学問的な良否は別にしても患者の意向に合わせた治療をする先生が多いことに驚きます。  ⇒   患者に迎合的になれば儲かるからでしょう

歯科医師なら、患者の誤りを正すくらいの正しく啓蒙する意志がない同業者には呆れますが,
患者が認識不足の意向に安易に沿って誤ったカタチで治療してしまう先生方が、もしいれば本当に困りものです。

私的には正しい歯科治療をする目的を見失ってはいけないと考えて臨床を行っています.⇒正しい歯科医療の道を歯科医師が逸脱する事が無いようにすべきと考えます。

 ○歯科治療や歯科医師を全て懐疑的に観る患者:


この頃,患者さんは歯科医師を余り信用していないようです。

 例えば、我々が歯科界の学問的常識をどれだけ説明しても最初から懐疑的でいい加減に聞いている患者さんもいます。彼等は先入観が強すぎて先生の説明に聞く耳さえ持たないのでしょう。

先日、う窩に軟化象牙質が沢山存在するので長い時間を掛けて手用エキスカベーターで丁寧に除去していたら、歯科用タービンを使用しないのは不良治療で、時間が掛かり過だと文句を言った患者さんがいました。

これは世界標準の教科書レベルの手技でエキスカベート(感染歯質の除去)という歯科治療の方法ですが、患者さん自身が歯科治療の認識不足で理解出来ないで、誤った認識のまま文句を言い張っている例です。

このケースでは、こちらがいくら正しく説明しても理解出来なかったようで困りました。たぶん、巷の歯科医院では効率的にタービンで短時間に除去する事のみでう蝕治療を終える先生が多いから、むしろ巷の不充分な治療を正しい治療だと勝手に思い込んでいたのでしょう。


むしろ、そういった方法では歯髄間際まで感染歯質を完全に除去できないで、細菌が潜んだ歯質を残したままインレーを装着して不良なう蝕治療になることを説明しましたが、20分程の説明では認識を変えられるわけではなく、理解出来なかったようです。

 ・・・・・・ヒトの認知科学と脳科学・・・・・・・


我々人間の物事に関する認識は脳科学的には最初に認識してしまった事を頭から捨てきれないという知識のアップデートが出来ない弱点があるようです。

よって、我々は最初に植え付けられた情報や知識がもしも誤っていても、それを訂正できないという思考回路の悪いクセがあると言い換えられます。

ですから我々臨床医が、いくら学問的なコンセンサスを説明しても患者さんは自身の誤った認識を訂正出来ないようです。先ほどの患者さんのようにう蝕治療はエアタービンで切削を行うもので、手用エキスカベーターで感染歯質を除去するのは不良な治療だと思い込んで認識を改められないのです。


世の中に流布している科学的常識らしきものは、一度頭の中で認識として出来上がったら、訂正し難いことを臨床家も是非承知しておくべきでしょう。

それから、初診の患者さんで最初から懐疑的な目で歯科医師を観て、我々の話を一切聞かない方も多くいて、我々が適切な治療を行おうとしても拒否します。  たぶん一生歯科治療がまともに受けられない方と言えます。

こういった方には、無理に治療を行えないので、結局治療しないでお帰り頂くことになります。
このように治療出来ないでお帰り頂いた方には、例えばパノラマレントゲン撮影前に歯列を見せて頂こうとてミラーで口腔内を確認したときに、治療開始前なので手術用のグローブを装着していなかったことで、手袋をしないで触れた云々などと騒いだ患者さんは、受診態度が極端すぎて手に負えなかった故に、治療する前にお帰り頂きました。また、歯科用ミラーなど診査用の器具5点セットを滅菌パックから出して器具用トレーに並べて患者さんの前に置いたら、「この器具が消毒されたか否かが解らない」と文句を言った方には、「オートクレーブ滅菌済みで滅菌パックから出した直後に持ってきた」と説明しましたが、信用してくれないので、この方も直ぐにお帰り頂きました。

この2,3年で患者さんの勘違いから、治療が出来ない例が数例ありましたが、

そういった方でも肉眼で数本のう蝕ががある事が解っていた例もあり、我々の説明通り治療を受け入れれば巷で受ける以上の良い歯科治療を受けられたはずですから、せっかくの受診機会を無駄にしたに過ぎません。このように診療機会を自ら無駄にするヒトもいて本当に残念でなりません。


患者サイドには、先生の話をよく聞き受け入れる素直さが必要です。


また、ワガママで見当違いの文句を延々と言い張る患者さんにも時々遭遇します。
そして 先生に見当違いの罵声を浴びせて文句を言った挙げ句に、先生は診療意志を全く喪失してしまうようなこともあり得ます。歯科医師も人間ですから、見当違いの文句や失礼な中傷を面と向かって言いわれ続ければ、治療したくない気持ちになり、"患者の妨害で治療不可"といった状況に陥る事もあるようです。

大学歯科病院などでは患者が執拗にクレームしている場面は時々見かける異様な光景です。

患者サイドにも、一般的に良い受診姿勢や良い態度がある事は、大人なら常識的に心得ておくべきです。

すなわち、良い診療の第一歩は歯科医師と患者さんの間に心の通った信頼関係を築く事です。

歯科教育ではこういった患者と先生の信頼感ある関係性はラポールの確立と呼んでいます。

まず患者さんと先生が信頼関係を確立してから、具体的な治療行為に進む事が医学教育でも最も基本的な心得です。


ですから、診療に際しては患者さんとの信頼関係が出来ていない状態では侵襲のある治療など出来ません。もちろん、信頼されていない状態では歯科医は患者さんに治療出来る状態とは言えません。

逆に、患者側は先生の話をキッチリ聞いて納得ゆくカタチで治療を受けられるように努力することは言うまでもありません。

治療は医院へ行くだけで可能になるわけではありません。皆に努力が必要です

治療はお互いに信頼できる関係性が確立出来るように良心的配慮で互いに参加する必要があります。


皆さんも、先生の話はよく聞いて、担当医と良いコミュニケーションをとって、良い診療を受けましょう。 診療は患者さんは拒否し続けたら成り立ちません。良い受診姿勢を考えてみましょう!

治療に関する説明相談は当オフィスではカウンセリングで承っています。

皆さんも、歯科医院への受診態度や心得を今一度省て下さい!



 

 


 

 


 


 


 

 


 


 

 

 


 

2018年10月 1日

  

  この頃、患者さんに説明するのに以前にも増してより平易で、当たり前の解り易い表現を使うようにしています。
私の医院が千代田区中心地である麹町のオフィス街に有るため,多くの患者さんは一流最高学府を卒業した教養のある方々が多く,比較的観念的知識や難しい理論的な話もよく理解して頂ける方が多いのですが、これはこのエリアの患者さんの特徴といえます。ですから、私も一から十まで小学生に説明するような子供相手の妙に簡単な説明は敢えてしないようにしていました。

先日もブログに書いたように全く歯を削らせてくれないような異常心理に取り付かれた患者がいるので少し子供のような目線で歯科疾患の危険性を表現しなければ患者さんには歯科疾患予防の重要性や歯周病の危険性が伝わらないのではないかと思うようにもなりました。

  また一流会社や一流法人組織に属す方がよく来院されますが、日本人の場合、そういった社会的ステータスに相応した歯科保健意識や受診動機が無い方が意外にも多く、我々のように臨床経験からその患者さんが近未来にどうなるのか予想出来る者の話に聞く耳を全く持たない方が非常に多く、臨床家として大変にこういった患者さんの健康意識が欠如する姿勢が残念です。

ここで私は、2,3の歯科知識を簡単に説明した例を以下に挙げ列記しておきます。皆さんには歯科的認識を変えていただたいと思います.ごく当たり前の事は、常識として受け入れ治療に積極的に協力して、口腔内の健康を担保して下さい。ごく当たり前の事につまずいて治療を受けられない患者さんが多すぎます。


○歯垢はキッチンシンク排水溝のヌメリと同じです:

歯垢のように細菌達が共同生活を円滑で安全に送るための構造物は一般に細菌学ではバイオフィルムと呼んでいます。

バイオフィルムが口の中に出来たから特別にデンタルプラーク(歯垢) と呼んでいるだけです。
その実態はキッチンシンクのヌメリと同様のバイオフィルムに他ありません。皆さんは、あのような汚いヌメリを口腔内に放置して平気ですか? 
今後、歯科的知識を色々と平易な表現で解説していこうと思いますので、今後のブログ記事には乞うご期待です。


○虫歯は歯が腐った状態です:

  歯の構造を理解すれば解り易いので歯の解剖学的構造を参照して下さい。

歯の解剖学2.jpg

歯の頭の上に載っているようなヘルメットのような白い部分は、エナメル質です。これは1ミクロンの千分の一レベルの目に見えないカルシウムとリンなどによるブロックのような結晶体(アパタイト結晶)が沢山隙間無く結合して綺麗な透明感のある層を形成しています。言ってみればエナメル質はだいたい大理石のような硬い綺麗な結晶体で無機質と言えます。
このエナメル質は2,3mmの厚みがあります。そこに虫歯の細菌が歯垢として付着すると細菌が出す酸でエナメル質の結晶が崩壊して穴が空きます。すなわち、これがエナメル質上で生じた虫歯(エナメル質う蝕)の正体です。

一方、エナメル質を過ぎるとその下の層は象牙質と呼ばれる歯質です。象牙質は歯の中心の歯髄に向けて象牙細管と呼ばれる細い管でつながっています。
ところで、この象牙質はエナメル質とは対照的に、構造がコラーゲンと色々なタンパク質が豊富な有機質で構成されています。 エナメル質は大理石に喩えられますが、象牙質は肉と同じ様なモノです。よって、虫歯になって象牙質に細菌が入り込んだら細菌のご馳走が豊富なので、コラーゲンとタンパクの構造を食い尽くします。すなわち象牙質が細菌感染で腐敗し崩壊して軟化象牙質になります。もっと簡単に表現すれば象牙質が腐ります。  


インレーと窩洞-2.jpg

左(金属インレー除去後)のように、象牙質が腐って 軟化象牙質の状態です.

虫歯は歯垢内の細菌がエナメル質を溶かし穴を開けて象牙質に入り込んで象牙質を腐らせるのが実態です。


どうかお読みになった皆さんは歯垢や虫歯を簡単な言葉や表現で実態をよくご理解して下さい。


私が一所懸命に患者さんへ説明しても、歯科疾患の危機感もご自身の口腔内の状態も伝わらないのではないかと危惧するようになりました(実際に先日の患者がそうでした)。
この頃、"大人の幼稚化""国民の劣化"いった表現を度々私は使用する事がありますが、現実的に子供のような目線で表現しなければ、全く理解出来ないような方々が多くなったようにも感じます。これは社会全体の民度が劣化する空気にも連動しているのか否かまでは私には解りませんが、一臨床家としての責務をどのように果たして歯科臨床に反映させてゆくのかが目下の課題です。


○医院へおいで下さい:

我々は。皆さんに治療の概念をご理解頂いた上で治療を受けて頂けるように考え、丁寧な説明に時間を掛けています。時間を充分考慮しておいで下さい。予約は電話でのみ受け付ています。
また、十分に説明と相談にだけ時間を削く予約でお受けするカウンセリングもお受けしています。




























2018年9月21日

    

  ○最近流行の社会病理か:


  過去30年間には、いなかったようなタイプの患者さんがこの数年増えています.
以前は余りいなかった 歯を削らないで欲しいと強く希望する患者さんがこの数年で異常に増えています。
こういったことを訴えるのは概ね女性患者が多かったのですが、先日の患者さんは現役男性サラリーマンでした。

masaya2.jpg

上顎左側側切歯(2番)に近心隣接面に既に軟化象牙質が自然崩壊したう窩(空洞になっています)があり違和感を感じるそうです。
下顎右側第一大臼歯(6番)は咬合面裂溝部は以前コンポジットレジンで充填されています。
またその後ろの第二大臼歯(7番)は裂溝部に放置されたう窩があります。
また上顎右側第一大臼歯(6番)は頬側面に茶褐色の大きな感染歯質を露出した状態でう蝕が放置されています。患者の言では右側は噛んだ際に違和感や痛みを感じるそうです。

*上に列記したようなう蝕はレントゲン画像上では2番のう蝕以外は、殆ど確認が出来ません。


    この患者さんは、ハッキリとう蝕治療を早急に終えることが必要です。

この患者さんは歯を削りたくないと強く希望していますが、う蝕治療では全く歯質を形成しないでは治療は出来ません。

しかし、我々は巷の金属インレーで雑にう蝕治療する歯科医院とは異なり、細菌が入り込んでいる感染歯質のみ選択的に除去して健全歯質は可能な限り保存する ミニマルインターベンション(MI)の概念に則り 歯の削除や形成は最少限に抑えて、出来るだけ多くの健全歯質を保存する姿勢で治療している事を丁寧に説明しました。


そういった説明を聞いても患者さんは、まだ我々のMIに則るう蝕治療をうけるのも勇気が要るようで、「よく考えてから後日、決心がついたら来院する」と言い残して、この日の診療を終えました。

また、次のような勘違い↓をした患者さんもいました。


最近、インレーが外れた患者さんに窩洞内に残った多量の軟化象牙質を丁寧に歯髄間際まで手用エキスカベーターで徹底的に除去していたら、「タービンで削らないで雑だ・時間がかかるなど」と文句を言った患者さんがいましたが、こういった世界標準の丁寧なエキスカベータを使用した歯科治療に慣れていないので我々が行う徹底した治療を 不適切な治療だと勘違いする方もいるようです。たぶん巷の歯科医院では手用エキスカベータで徹底的に行うう蝕治療を殆ど行っていないので、タービンで雑に削るだけの治療に慣れてそれだけが正しい治療だと認識を誤っているようです。 皆さんは大人の正しい判断力を持って自分のためになる正しい認識を持って下さい。


○大人の幼稚化の流布で日本社会は?:

そもそも、いい歳の大の大人が、「注射が嫌だ、歯は削るな」 などと子供じみた事を言うこと自体、かなり子供じみたことで異常だと思います。こういった常識的理屈が理解出来ない大人が、どうして会社で仕事を出来るのか、むしろそちらの方が不可解です。最近はこのような"大人の幼稚化"が日本社会に流布している状況を私は非常に恐ろしく思っています。


この患者さんのように情報過多のネット社会で、自分が認識不足で勘違いしたまま歯は全く削らないで治療すべきだと信じて、そういった誤った認識であっても自分の意向に合致した歯科治療をしてくれる歯科医院を捜し回って自分が勝手に思い描く理想的治療を求めてさ迷っていつまでも青い鳥に巡り会えないで(=ドクターショッピング)簡単な歯科治療さえ終えられないでいるのでしょう。

最近、カウンセリングに来院される方の過半数が,程度の差こそあれ大人の理屈が認識出来ない類の気の毒な方達です。


 こういった患者さんは、歯科医院で治せないタイプの精神的領域や性格にこそ非常に難治な問題を抱えている人達です。

院内で我々がたかだか30分ほど説明しても長期にわたって勘違いした思い込みの誤りは簡単には頭の中から一掃できません。 

これはカルト教団で洗脳された信者を現実の社会生活に復帰させることが困難だというのと同様だと私は考えています。ですからこういった青い鳥を探す様な患者の一部はカウンセリングは受けてもその後、治療に来院しません。

○ご来院下さい:

どうか、我々の科学的根拠と歯科の学問的常識に基づいた治療をブログ等で確認した上でご来院下さい。

我々麴町アベニューデンタルオフィスでは、先に書いたように簡単なう蝕治療を拒否するような子供じみたことがないように、無駄がない歯科治療を行うためにも分別ある大人の患者さんにお越し頂きたく存じます。以上.  院長




























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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

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院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

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