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2016年2月 1日

先日,カウンセリングで患者さんが来院しました。「前医に執拗にインプラントを勧められたがインプラントとはどのようなモノで安全か?」といった旨の疑問を持った患者さんでした。

そんな患者さんの疑問から、多くの皆さんが知らないことで私のブログでもまだ書いていない事がありましたので、それをこのブログでは書かせて頂きます。

人工歯根の話をする前に我々の持つ天然の歯について説明する事でインプラントのような人工歯根の特性が理解出来ると思います。

我々の歯は、歯槽骨に直接植わっているわけではなく歯槽骨に歯根膜線維と呼ばれるコラーゲンで出来た線維によって歯槽骨に機能的に固定されています。
噛む際に歯に加わる咀嚼圧に対して緩衝する層として歯根膜線維のこの層は歯根膜空という空間を解剖学的に構成して機能的に咬合圧を緩衝させ,尚且つ歯根膜空に存在する咀嚼圧を感じる圧受容器(センサー)によって咀嚼圧を感知しこれが神経線維によりその信号が中枢へ送られて噛み応えを感じています。この歯根膜空にある受容器と神経伝達機構のおかげで咀嚼が円滑に行えて噛み応えを楽しむ事も出来ます(下図参照のこと)。

咬合圧と受容体.2jpg

図に示したように咀嚼圧は歯根膜空に存在する圧受容器によって感知されて噛み応えとして我々は認識しています。
圧受容器は歯髄では無く歯根膜空に存在するため、例えば歯髄神経が抜かれた(抜髄された)無髄歯でも噛み応えを感じます。ですから天然の歯は抜歯しないで済むように大切に保存すべきです。

人工歯根であるインプラント体では、その周囲はガッチリとオッセオインテグレーションといわれるインプラントの複雑な表面構造への歯槽骨組織の嵌合によって固定されていますが、天然の歯のような緩衝層も歯根膜線維もその周囲には存在していません。もちろんそこには圧受容器も存在していませんから咀嚼圧も感じません。すなわち人工歯根(インプラント)には噛み応えを感じる機能がありません。

先日の患者さんにもインプラント自体には噛み応えを感じる機能が無い事をシッカリ説明しました。

また、インプラント体では圧を感じないことで硬いもモノを誤って噛んだ際の開口反射も起きません。
実はこの点も大きなインプラントの欠点です。
誤って硬いモノを噛んだり、箸を噛んでしまった際には天然の歯なら瞬時に噛むのを止めて口が開くようなメカニズムが我々には備わっています(開口反射)。
しかしインプラントにはこれが無いために,時には上部構造のセラミックス製の歯が破折してしまうことも有り得ます。このような機械的な傷害を受けやすい欠点を認識すべきです。
天然歯の歯周組織に備わる安全装置は我々が人工的に作るインプラントでは得られない素晴らしいシステムだと知って下さい。
このような根拠から歯を歯周病治療で保存出来るにもかかわらず、抜歯してまでインプラントを埋入する論理的正当性は無いものとして歯を大切にして頂きたいと患者さんには切に御願いしています。

歯科医が高額自費治療費を安易に得ようとする傾向が強い昨今,正しいインプラントの特性も天然の歯との違いも臨床家は適切に説明していないようです。さらに、インプラント周囲を適切に清掃していないとインプラント周囲炎が生じることや,インプラント周囲炎を治療する方法論が未だ学問的に確立していない欠点も説明すらしないで歯科医は平然と治療し続けています。

レベルの低いこのような多くの臨床家に騙されて治療を受けた挙げ句に多くの患者さんが困り果てて行き場もなく歯科界にさ迷っている潜在的状況を知って安易にインプラント治療を受けないようにして下さい。


一般に 欠損歯部にはインプラント以外に従来型の可撤性義歯(入れ歯)やブリッジも選択できます。よってインプラント以外の選択肢が無いように歯科医から説明された場合には歯科医が高額な自費治療費が欲しいためにそのように言い張っていると考えることもできます。

皆さんはインプラント治療のダークサイドを充分に知って下さい。まずは歯科界の状況と歯科的常識を持って危ない歯科治療に近づかないようにサバイバルして下さい。











2015年12月15日


イントロダクション:


ある日、前歯部の継続歯(5歯連結.側切歯1歯欠損のブリッジ)が脱落した患者さんが来院されました。


元々,お嬢さんが私のオフィスに治療にお見えになったことが切っ掛けでお嬢さんからのご紹介で来院された方です。

初診当日には応急措置のため脱落部に即時重合レジン製の仮歯を作製してこれをセットしてお帰り頂きました。
初診日と次の来院から約2回程充分な時間を掛けてご本人と世間話から始まり生活全般の話をしました。それが済んだら三回目から私が計画した全顎的な治療し直しに関する説明と相談を開始しました。


NF前歯部3.JPG
*前歯部が無くなった状態で来院されましたが、その画像は記録にありません。



上の画像の通り上顎前歯部にはレジン製の側切歯1歯欠損のブリッジを暫間装着しています。各々の破折残根周囲組織は炎症による腫脹と発赤や出血を認めました。

NF初診五枚法2.jpg


この患者さん=藤川直美(仮名)さんは70歳代のご婦人です。
お嬢さんご夫婦と二世帯住宅の上下で暮らされているとのことです。
藤川さんは大変論理的な思考をされる一種日本人離れしたセンスをお持ちの知的な女性で、我々にとっては最も治療しやすいタイプの歯科治療を高いレベルでご理解いただける患者さんです。

趣味で競技ダンスをされているそうです。
お話からすると週数回練習する趣味の競技ダンスを中心に生活されているようなライフスタイルだと理解出来ます。そのように楽しい日々を謳歌されていることが解りました。
何よりもお歳からは想像できない程活動的かつ若々しい魅力的で聡明な女性です。



高齢化社会に突入した現代、藤川さんの様な活動的で若々しいシニア層が益々増える事が予想されます。生活の質(QOL)を担保できるライフスタイルに即した歯科診療上の配慮が歯科医師サイドにも要求される時代が到来しつつあると感じます。

正に、これからは現代の歯科医療は患者本位であるべきと換言できます。



NFパノラマ2.jpg
全顎のパノラマレントゲン画像:上顎前歯部は脱落し歯冠が無く残根が残っているだけです。左側臼歯部ブリッジは支台歯歯根が破折して咬合する度に痛むような状態です。小臼歯部も継続歯です。(その他詳細を後述)



継続歯:歯科医師法に抵触する不良治療

継続歯で歯根破折2.jpg


俗にいう"差し歯"の語源はこの継続歯に由来しています。
文字通り形成した根管へ継続歯のコア部を差し込むからです。

現在、大学の歯科教育では歯冠部とコア部が一体化したこの継続歯は一切教えていません。
これは継続歯が歯根を破折させ易い危険な前時代的補綴治療方法だからです。

上の模式図のように継続歯は歯根へクサビを打ち込む様な危険で過剰な力を与えます。
更に継続歯にジグリングフォースなどの傷害的力が掛かる事によって今回のように歯根破折し継続歯自体も脱離します。


我々の親世代が現役時代は継続歯で治療することが日常的にありました。
昭和30〜40年代なら、それは歯科常識として充分通用していました。
しかし現在臨床でこれを行うことは,現代歯科水準に即さないために不良歯科治療と見なされます。
歯科医師法に則れば「歯科医師はその時点での学問水準に準ずる臨床を行うよう規定されています」よって現在は継続歯を臨床で行うことは歯科医師法に抵触します。

藤川さんの言によれば、前医は余り年配の先生ではなく比較的若い先生だったそうです。
治療過程を割愛できるので、このような危険な治療方法を比較的若い先生でも時間短縮や経費節減のために採るのでしょう。このような継続歯は未だに患者さんの口腔内によく見かける事があります。



一方、比較のため現代の前歯部支台築造(コア)を下の模式図を参照してご理解下さい。


適正な支台築造2'.jpg

上の図のように、コアを根管へ装着してから支台歯形成して印象採得しその支台に精度良くジャストフィットする歯冠補綴物を装着します。

これは現代の常識的歯冠補綴の方法です。このようにコアと歯冠補綴物は別個に作製されコアがまず根管へ合着された後、支台歯形成後印象採得されて、ラボで歯質にジャストフィットするような精度の高い歯冠補綴物を作製して口腔内に装着します。

図のような方法なら歯冠部の圧力がクサビ状に歯根を破壊する暴力的ストレスを発生させないで破折のリスクは軽減されます。コアの適切な直径やマージン部に残す歯質の歯冠軸方向の高さを充分にとれば歯質にクサビ状の過負担を掛けないコアと歯冠補綴物によって安全な歯冠補綴になります。



フジワラ前歯継続歯2.JPG
上の継続歯が脱落して藤川さんが来院されました。
上の5前歯(1本欠損ブリッジ)の4本の根管が偶然並行だったために前医はこれを継続歯として治療できたのでしょう。

NF前歯破折2.jpg
継続歯のコア部を挿入する歯根が全てヒビが入っていました。すなわち歯根破折によって継続歯が脱落しました。継続歯はこのように歯根を破折させ易いので危険です。


暫間的に即時重合レジンでチェアーサイドで仮歯を作製し元の位置に装着しました。

*歯根が破折しているので継続歯の形態のまま仮歯を残根根管へ装着するのは不安がありますが、その方法以外にこの時点では仮歯を装着する方法が無いため、ある期間限定で藤川さんには前歯部にはこの仮歯で我慢して頂きました。

前歯部の破折した残根は第2弾のプロビジョナル/レストレーション装着時に抜歯しました。




歯科治療は患者さんの生活を考慮すること:


特にこのケースのような全顎的治療し直しでは患者さんのプロフィールや生活全般、すなわち患者さん自身を深く理解することが必須です。

どんな場合でも同じですが、まずは患者さんと充分にお話をする事から始めます。
今まで歯科治療で嫌な思いをされてきた方ですから、我々のポリシーをご理解いただき信用して頂けるに足るだけの説明や意思の疎通を先に確立すべきです。
歯科界では現在、高価なインプラントなど自費歯科治療を行う先生でもこういった常識的なステップを経ないで話しさえ充分にしないで治療を始める傾向が強く歯科界の信用が得られないのはそのような心のない点も大きな原因だと私は考えています。

患者さんの生活の背景を理解出来たら治療計画を立てて治療概念を丁寧に説明してゆきます。
藤川さんの場合には、好奇心が旺盛な方だったので毎回治療と歯科界の話などを時間を掛けてお話してから治療を開始するのがおきまりのスタイルでした。

藤川さんは競技ダンスを趣味として生活を楽しまれている方です。
そんな藤川さんの生活の質を落とさずに大いに趣味を楽しんで頂けるように歯科医としてサポートすることも大きな私の使命です。少なくともダンスの障害になるような補綴治療は禁忌となります。

また、藤川さんも歯科情報をよくご存じで昨今頻繁に行われているインプラント(人工歯根)はお嫌とのことで、無理のない安全で予知性の高い治療方法を受け入れてくれ私の治療案を採る事が出来ました。



補綴設計:とにかく安全で妥当な方法論


この症例の難点は継続歯は全てそのままの状態で支台として使用しなければいけない点です。
歯質も弱く支台のやり替えは不可能です。これ等の継続歯の歯冠を形成して支台として使用するための工夫も必要です。
このように補綴の治療し直しは現状で可能な方法論の中で最も安全で妥当なモノを採用する事です。これが経験則を必要とする治療し直しの難しい点です。

私はこの20年以上、他院で行われた全顎的治療のし直し(再治療)を手がけています。


単に歯科疾患を治療するといった狭い範疇で歯科医療を捉えてはいけません。
私はまず藤川さんの競技ダンスの障害にならないような補綴物を設計すべきと考えました。

例えば,ラテンダンスのような激しいダンスでも障害にならないように上顎欠損部には可撤式義歯ではなく固定性のブリッジを設計すべくフルブリッジが可能か否かの判定を石膏模型上で診断しました。診断の結果、上顎残存歯はフルブリッジとしての平行性が保てる事が解ったので上顎をフルブリッジで補綴する事にしました。

NF作業模型&プロビジョナル2.jpg


ラボで技工操作に使った作業模型(左)をご覧下さい。支台となる歯が8本と少なく維持力も弱そうな貧弱な支台が多い事が解ります。また前歯部には4本欠損部があります。
この症例のように個々の支台歯が不完全なケースで有利な固定性補綴物がフルブリッジと言えます。一種の相互補完的役割で、いずれかの歯に問題が生じてダメ(抜歯やカット)になっても上部構造のブリッジは長期間維持出来るというコンセプトです。


一方,下顎は左側臼歯部の破折したブリッジ支台歯とブリッジ本体を除去した後、局部床義歯で補綴すれば激しい競技ダンスでも躍り上がらない安定性が高い可徹性義歯が作製可能と診断されたので従来型の金属床フレーム(ヴァイタリウム合金)による局部床義歯の作製を計画しました。

脱落した上顎5前歯の継続歯部は初診日に応急処置として作製したモノをしばらく使いその他の歯冠補綴物は全て歯間部を形成(小臼歯部は装着されている継続歯の陶材部分を削合しその中心部に存在する金属コアを支台歯とした),即時重合レジンでプロビジョナル・レストレーション(仮歯)をチェアサイドで作製し装着しました。またこれを(第1弾のプロビジョナル・レストレーション)として暫間的にしばらく使用して頂きました。

そしてスケーリング&ルートプレーニングなどの基本的歯周病治療を行いました。歯周組織の治癒を確認して支台を形成し直し、印象採得して技工ラボで第2弾のプロビジョナル・レストレーションを作製しこれを装着しました(以下写真参照)。


NFTEK(5枚法)jpg.jpg
第2弾のプロビジョナル・レストレーションを装着時に前歯部の破折した残根を抜歯しました。そして顎堤が安定した形状に治癒した後に欠損部のポンティックにレジンを足して顎堤にタッチするように修整しました。画像は修正後の状態です。また,下顎左側臼歯欠損部は局部床義歯が装着されました。

プロビジョナル・レストレーションという言葉は最終補綴物に準ずる形態で最終的な補綴物の機能的なシュミレーションをするための暫間補綴物といった概念を強調した専門用語です。

もちろん私も第2弾のプロビジョナル・レストレーションで機能的な状態を確認しました。必要な箇所は形態修整し良い機能的形態の情報を得る事が出来ました。
プロビジョナル・レストレーションで完全に快適な咀嚼運動が出来るようになってから、この情報を参考にして最終補綴物を作製しました。

こういった機能的な最終補綴物のシュミレーションチェックが補綴治療の世界標準の専門医レベルのスタンダード・メソッドです。
私は原則的にこういった学問的常識に則り全顎補綴を行っています。どうしても長期間の治療になりがちですがプロビジョナル・レストレーションで快適に咀嚼できれば患者さんにも専門的な治療意図が体感的にもご理解頂けます。長い期間、快適な咀嚼も十分出来ない状態で放置しては患者さんの理解も得られないはずです。
プロビジョナル・レストレーションで満足して頂ける咀嚼機能の回復が出来て初めて上質なテーラー・メイドの補綴治療が可能になります。





NF臼歯破折2.jpg
左側下顎の臼歯部に装着されていたブリッジのレントゲン像です。
大臼歯のブリッジ支台歯が割れています。これを担当した前医は太い金属コアを根管内へ過分な圧力で装着しているのでしょう。ルートセパレーション(歯根分割)をしていた形跡がありますが歯根破折しています。


実は私のオフィスに歯に問題を生じて来院された患者さんの補綴物の特徴には不適切な支台築造(コア)を認める点が挙げられます。
根管治療された歯髄神経が無い失活歯ですからデリケートな配慮がなければ破折するのは当然です。
コアは根管の直径・残存歯質の厚み・コアの材質・接着方法など予後を左右する要因が沢山ある治療です。

極言ではコアの扱い方を観れば歯科医のレベルがわかります。
不見識な歯科医ほど支台築造を雑で不適切に行う傾向があります。





1年以上かかって最終補綴物が出来上がりました。


NF最終3.JPG


藤川さんもこの補綴治療には喜んで頂けました。
若々しく、綺麗な笑顔が素敵です。


NFsmile2.JPG




NF最終補綴(5枚法)2.jpg



最終補綴物の簡単な追加解説:


上顎は支台歯の維持力に不安があるため、それでも維持出来るようにフルブリッジを採用。軽量化するためにセラモメタルクラウンは重量の問題で止めて,今回はハイブリッドセラミックスにより軽量化したフルブリッジとしました。これで審美性を保ったまま軽量化できて患者さんの審美的要求性にもお答えできました。

また下顎は金属床局部床義歯(パーシャル・デンチャー)を装着しました。
クラスプが掛かる右側大臼歯には全部鋳造冠(FCK)を、右側ブリッジにはハイブリッドセラミックス、左側のクラスプが掛かる犬歯には耐摩耗性を考慮してセラモメタルクラウンを装着しました。

また、上下顎咬合面はハイブリッドセラミックス築盛ではなくメタルの咬合面とし破折や耐久性を考慮しました。藤川さんは通常の会話や笑顔では殆ど下顎の歯が見えないタイプの口元をされた方なので、ほぼ上顎のフルブリッジの綺麗な審美的印象が強く表情に反映され咬合面のメタルによる審美障害は全く気にならないので躊躇無くメタル同士が咬合する最も安全でリジッドな咬合関係を達成できる補綴治療が可能になりました。




○治療をご希望の患者さんへ:

このブログは私自身が実際に行った臨床例を紹介したものです。治療概念や治療根拠を細かく解説する活きたブログ記事です。
オフィスHPと同様に院長の私自らがコンテンツ一切を作成しています。
よって私の歯科医師としての姿勢を厳密に反映しています。
当オフィスの治療をご希望の方,う蝕治療1本から丁寧な我々の治療をお受け下さい。
カウンセリングやセカンドオピニオンも自費(1万円)で承っています。

お問い合わせや予約はメールではなく電話でお受けしています。

最近、 歯科医院ブログを業者が作成しているケース も存在しています。こういった業者ゴーストライターが作成したブログも存在しますから、そういったモノを掲載する不誠実な歯科医院に騙されないようにご注意下さい。






2015年12月 1日

イントロダクション:

現代社会は情報化社会と言われていながら日常的な常識レベルの認識を間違えたまま放置して頑なに信じ切って多くのヒト達がむしろその認識の誤りで損をしていることさえ有ります。

最近は、ヒステリックなまでに神経質な感覚を持つ患者さんが多くなりました。
しかし見当違いで本質的な事を知らないことが多いのが現状です。その代表的な治療用ゴム手袋(医療用グローブ)についてその役割や注意点を解説します。


先日,初診の方でレントゲンを撮影しようとゴム手袋を装着する前に歯列を簡単にミラーで確認したら、「ゴム手袋をしないで触れた!!」と怒り出した方がいました。
見当違いの感情的な文句を露わにされていましたが、そもそもゴム手袋の役目を間違って認識している方のようでした。
もちろん、その時は私は不良歯科医と認識されてしまったので私の治療を喜んで受けてもらえる状況でなくなったようなので、そのまま治療行為を行わずにお帰り頂きました。

この例は患者さんの認識の誤りで事実上真っ当な治療さえ受ける機会を失った例です。
換言すると、このような患者さんにはいい歳の大人なのだから正しく認識を改めて歯科治療をまともに受けられるようになって頂きたいと思い,この記事を書きました。





◎ゴム手袋をすれば安全な訳ではありません:ゴム手袋の正しい認識が重要

ゴム手袋1.jpg

ゴム手袋は第一義的には我々医療従事者を感染症から守る役割を持ちます。
しかしここで注意が必要なことは臨床で使っているゴム手袋自体は汚染を媒介する可能性が高いモノだという認識です。

すなわち汚染された場所に触れた後にはゴム手袋の表面が汚染されます。
当然、汚染された手袋により患者さんの口腔内には雑菌やウイルスなど入り込む可能性があります。いわゆる器物感染を生じ得ます。

一番頻繁に起きる注意すべき危険性は、例えば診療室内で同時に複数の患者を治療する歯科医院では歯科医や歯科衛生士などスタッフが患者の唾液や血液など手袋に付着したまま他の患者に触れる可能性があります。
実は多くの診療室で度合いの差こそあれ、こういった院内感染の危険性があるのが現状です。


短時間診療体制の歯科医院は要注意:

私のオフィスでは、原則的には急患が入らない限りは並行して2名の患者さんを同時に診療しません。通常は完全に一診療時間に1名の患者さんのみを診療するようにしています。

しかし同一診療時間に複数の患者を診療するタイプの歯科医院では1時間の間に数名を処置しているでしょう。ただ患者毎に手袋を完全に交換して処置する歯科医院は滅多にないのが実情です(コストの問題です)。

ゴム手袋を患者毎に交換しないでも、臨床的にはゴム手袋を装着したままで適切な手指の洗浄・消毒が出来れば問題は特に有りません。しかし、そのような手指消毒が殆ど出来ていない場面を院内見学でも普通に見かけます。

特に極端なケースでは衛生士や助手がほぼ半日同じゴム手袋を装着しっぱなしの状態で患者の処置から会計など雑務まで全て行っている光景を見ることもあります。

唾液や血液由来の汚染がゴム手袋(素手でも同様)を介して医院中の接触したあらゆるモノに拡散されます。歯科用ユニットの触れた場所,受付の引き出しやトイレや診療室のドアノブ,レセコン,キーボードや筆記具に至るまで全てに付着し得るでしょう。

現実的にはゴム手袋や素手の手指を介して菌やウイルスまでも診療室〜待合室にまで広く拡散した状態を気づいていないのが歯科界の衛生環境を省みない実情かも知れません。




歯内療法でも危険:

以前から私はラバーダムすら使用しないで歯内療法を行う9割近くの日本の歯科臨床医の危険性は充分にブログや医院HPで指摘してきました。
ところで、臨床現場ではゴム手袋をしている歯科医がリーマーやファイルを指先で曲げて根管に挿入する場面にもよく遭遇します。そうしてゴム手袋表面に付着した菌やウイルスが根管にへ移動します。
人為的に根管へ細菌やウイルス感染させているのだから根管治療の予後は良くなるはずはありません(=歯科医の医原性疾患の典型)。感染症発症の危険性さえもあります。


*歯内療法では、術部である根管周囲にリーマーやファイルが触れる可能性がある環境を清潔な状態に隔絶して滅菌環境の清潔性を確保できるようにラバーダム防湿法を施して歯内療法の根管治療を行っています。すなわち、このような不潔域と清潔域を明確に線引きする正しい認識が歯科医には必要です。

このような清潔域と不潔域の認識はゴム手袋の接触出来る範囲を臨床上で正しく認識することでも同様です。
また、他人の口腔内の汚染を他の患者に感染させないようにする認識と気遣いが
患者さんへの安全性を担保することになります。
極論ではゴム手袋をした医療従事者が正しい認識が無い時に患者は感染という危険に曝されます。






まとめ:

ゴム手袋はただ装着しているから安全というものでは無くそれを装着した先生や衛生士が正しく衛生観念を持ち、それに配慮して初めて患者さんの安全性が担保されます。

現実の歯科臨床の現場ではかなりこのような衛生管理の基本が曖昧になっている事は反省すべきです。患者さんの多くが気に留めていない院内感染の蔓延を防御するには医療従事者の正しい認識に全てがかかっています。

皆さんは正しい認識でより良い歯科医療を受けられるように知的にサバイバルして下さい。
認識を誤って人生を無駄をしないように気を付けましょう。

*麴町アベニューデンタルオフィスは昨今、誤った認識や非常識を流布するマスコミや歯科界のウソで皆さんが認識を誤り大きな障害や損失を被らないようにブログ等で啓蒙しています。

私のブログやオフィスHPは私院長自身が全て作成しています。ポリシーに共鳴して頂けましたら、是非ご来院下さい。

 お問い合わせはこちらまで。






2015年11月26日


同じような症例が何故か短期間に集中することはさほど珍しいことではありません。
つい最近、根尖病巣が治らないという主訴で来院された患者さんが数名続きました。
ここにその内の2症例を挙げます。
これ等はいずれも極めて基本的な治療概念を知らない担当医が真っ当な治療を行わなかったから治らなかっただけの典型的な症例です。

<症例Ⅰ

kobayashi_miyuki01.jpg


この症例は、上顎右側中切歯の根尖病巣が治らないので、歯根端切除術をして欲しい。更に下顎左側臼歯部にブリッジを装着して欲しい。等々と希望されて来院された患者さんです。
また、12月に国外転勤の辞令が出る予定なので、それまでに治療して欲しいとの要望の下で治療に着手しました。

この方は成人歯科矯正を受けています。上下前歯部には保定装置のワイヤーが設置されています。

歯内療法の都合上、上顎のワイヤを撤去しラバーダム防湿法下で中切歯の舌側から根管内へアクセスしたところ、根管中にはメインポイントらしき根管充填材が1本挿入されているだけで大きな間隙が空いている様な根管内の状態でした。しかも根管壁には清掃不良による感染歯質が沢山残っていました。すなわち真っ当な根管治療もしていないメインポイントを1本挿入しただけのデタラメの根管治療でした。

これでは清掃不良の根管から根尖孔を通って、デブリスや細菌(抗原)が根尖外に自由に放出されるので根尖病巣は治る訳はありませんし、むしろ大きくなることさえ有り得ます。

そこで、私は根管壁の充分なファイリング操作による機械的清掃とEDTA等による化学的清掃を行い根管には水酸化ナトリウムペーストを根管治療薬として封入しました。
水酸化ナトリウムは世界標準の根管治療薬です。これをもう一度交換して年末近くまでそのままにしておけば後は根管充填するだけで基本的には根尖病巣は治るはずです。
もちろん、基本的には外科的なアプローチなど今の時点では全く必要は無いはずです。
あくまでも通常の根管治療を終えても根尖病巣が治らない際に外科的なアプローチを考えます。まともな根管充填もされていない時点で外科的な処置を採る計画はしません。
また計画では根充後にはコロナルリーケージを封鎖すためにも直ぐに精度の高い歯冠補綴(セラモメタルクラウン)を装着するところまで行う予定です。


前医は「根尖病巣が大きいと根管治療だけでは治らない」といった勘違いをしていて外科的な歯根端切除術をやりたがったのでしょう。こういった勘違いをする歯科医が多いのが勉強もしていない歯科医の実情です。
そもそもこれを行った先生は根管治療もまともに出来ない歯科医です。
このケースのように単根の前歯の簡単な根管治療も出来ない無能な歯科医ほど外科的に処置したがる傾向が強いので驚きます。


kobayashi_miyuki02.jpg

根管には根管充填材のメインポイントが1本挿入されていました。
根管壁にはデブリスが付着し明らかに根管清掃が完了せずスカスカな状態で根尖外へは自由に抗原性があるモノが漏洩する状態です。



症例Ⅱ:


tamaki_sanae01.jpg

この症例はある歯科医院で上顎側切歯に歯根端切除術を受けたが根尖病巣が治らないといった問題でカウンセリング希望で二番町から来院された方です。

確かに上顎前歯部にオペによって出来たであろう切開の瘢痕が歯肉に残っていました。
よって患者さんが仰るようにオペは行われたはずです。
しかしレントゲン上からは何かおかしいと感じました。


tamaki_sanae.02jpg.jpg

レントゲン像からは限りが有る情報ですが、適切な歯根端切除術は行われていないように思われます。

このケースでは実際には歯根端部には触れない(もしくは少し削った程度)で根尖病巣の嚢胞など搔爬しただけにように思います。
もちろん逆根管充填もされていないようです。


もしそうなら、根尖病巣は治りません。
せっかく外科的に歯肉を切開をして歯肉を剥離し翻転したのなら、治療効果のある基本的手技を行わなければければ単なる傷害を与えたことにしかなりません。(=治療とは言えません)


歯根端の側枝の状態
根尖側枝.jpg

根尖付近3ミリは細菌侵入の可能性がある根尖周辺の側枝の95%が存在し得る部位なので、しっかりカットする事が必要です。また通常はカット面に露出した根管断面へは適切な封鎖性の良い充填材によって逆根管充填すべきです。

根尖の切除と供に逆根管充填によって根管から抗原性がある物質が漏洩する事をブロックする事で根尖病巣を治癒に導きます。
これが基本的な外科的歯内療法のアプローチの基本概念と治療の概略(下の模式図参照のこと)です。


歯根端切除術・模式図
オペ模式図.1jpg

歯肉を剥離翻転して根尖病巣部位の骨壁を唇側から除去し根尖部が明確に見える状態で根尖部約3ミリを除去し残った根尖の断面に露出した根管へ充填材で逆根管充填(斜線部)をします。

また、良く歯根端切除術がマイクロスコープを使わなければ出来ないと信じて問い合わせしてくる方がいますが、顕微鏡歯科に習熟して使いこなせるスキルがある歯科医が行ってより臨床成績が良い治療を可能に出来ますが、基本的には顕微鏡を使用しないでも数倍のルーペ付きグラス等で充分治療は可能です。
ちなみに、私のオフィスにはマイクロスコープが設置されています。


まとめ:

上の二つの症例は担当医が治療概念を理解していなかったと思われます。
各々真っ当な治療を行えば治るはずです。

患者さんは治療(オペなども)をした事実があれば治療が出来ているものと考えがちですが、全く治療として成立していない一種の傷害を与えられただけの今回と同様のケースが世の中には沢山存在しています。
患者さんが素人なので何も問題を感じないだけの話です。

歯科界では学生時代に本当に大切な基本を充分に教わらないで学生も基礎的歯科の学問を身につけないで卒業しているのが現状です。
充分に歯科の学問を学生に教えていないうちに何故か国家試験対策を始める大学が私立歯科大を中心として今では情けない常識になっています。
これは歯科大の経営上の問題で国家試験の合格率が低いと生徒が集まらずに経営危機になるので歯科大では優秀な人材を育てる使命を置き去りにしてまで合格率を良くする方策ばかり考えるようになったのです。
こうして何も歯科の学問を知らない馬鹿な卒業生が歯科医師免許を得、その多くは惰性で歯科医として働き臨床を行い続けます。
更に、卒後真剣に歯科の学問を基礎から学ぶというよりも、即自費治療のネタになる治療を行うためのハウツーを得る為に講習会で治療の仕方だけ身に付けることばかりに熱心になってしまうようです(その典型が業者主催のインプラント講習会への受講です)。

ほぼ一度も歯科の基礎的学問を深いレベルで勉強する機会が無かった先生ばかりが増殖しているのが恐ろしい歯科界の実態です。
このような実態を知ってもアナタは怪しい歯科医師に安心して口腔内の健康を委ねることが出来ますか?

リテラシーを持って、歯科医に騙されないで自分の身は自分で守って下さい。



*私のブログやオフィスのwebは基本的にコンテンツの文章や作図(イラストや模式図)に至るまで院長の私が全て作成しています。
よって、当オフィスのポリシーが全て反映されています。

お読み頂ければ幸いです。







2015年10月23日

先日、来院された患者さんの保険の金属インレーの下に発達したう蝕が酷かったので、画像で記録しておきました。

日常的によくある事なのでこの頃こういったものは敢えて画像に撮りませんが、街の歯科医が雑に行うう蝕治療の金属インレーの問題を多くのヒトに知ってもらうためにも、ここにブログ記事として今更ながら書かせて頂きます。

巷の歯科医のう蝕治療が不良なために毎日のように保険の金属インレーが脱落して患者さんが来院します。
殆どがインレーが外れた窩洞には茶褐色に変色した感染歯質と軟化象牙質が認められます。
私が幾たびもブログ上でこういった話を書いてきたことですが、殆どのケースではインレーで治療した時に感染歯質を歯科医師が取り残したまま充填しているので後でその中の細菌が活動し出します。そして歯痛が起きたり詰め物(インレーなど)が脱落します。


この症例では、歯痛によって異常感を感じて患者さんが来院されました。

画像:右は保険の金属インレーが歯に収まった状況です。
外面的にはその下がどのような状態か解りません。
一般的に、インレーが脱落していない限りは患者さんはどれほどう蝕にヤラれているのか解りません。

しかし左の画像をご覧になれば歯質が侵されていることがお解りになるでしょう。
細菌感染で象牙質が軟らかく軟化した状態(軟化象牙質と呼ぶ)が解ります。

歯冠部を覆う無機質が97%のエナメル質と違って、その下の象牙質は有機質の塊です。
よって細菌感染すれば腐敗します。
この画像はインレーの下で放置されて腐敗が進んだ危険な状態を表しています。

インレーと窩洞.jpg






下の画像はある程度の軟化象牙質を除去した後、コンポジットレジン充填のためのマトリックス(金属製の囲い)を装着した状態です。
まだ変質した歯質は残っています。う蝕検知液には殆ど染まらない程度に細菌が侵入している歯質は除去出来ていますが、まだ変色した歯質は残存しているので更に歯髄間際まで歯質を除去してから充填します。

*学問的にう蝕検知液(赤色)で染まる歯質は細菌が存在する歯質です。
また臨床ではう蝕検知液で染まる部分は細菌感染層と判断します。しかし慢性病巣では細菌感染していない(う蝕検知液に赤く染まらない層)でも変色した層が存在します。私は露髄する間際まで安全のために出来るだけ変色層は除去するように努力しています。

臼歯部の狭く視野が悪い場所で器具操作をするために、このような治療し直しには長時間を要するケースが多いので治療をお受けになった方々には再治療の困難性や価値をご理解頂けると思います。

不良インレー2.JPG





下の画像は、光重合型コンポジットレジンと呼ばれる歯質色の充填材料で一応充填処置が終わった状態です。

*この状態で様子を見て問題がなければ、希望に応じて補綴(セラミックやハイブリット冠による自費治療など)できます。


不良インレー3.JPG





下の画像は金属製マトリックスを除去して処置が終わった状態です。
歯痛の原因除去が出来て咀嚼出来る状況になりました。
この状態で一応は治療終了です。


不良インレー4.JPG

更にこの状態を歯冠形成して歯冠部にセラミック冠などで修復する場合もあります。

ここまで治療を終えれば患者さんのご希望により
セラミック冠など歯質色のキレイな補綴物での治療が可能です。

ここで重要な事は歯髄(神経組織)を保存して生物学的状態で歯を保存するために
上に書いた様なう蝕治療が大前提だと言えます。
感染源を除去することがう蝕治療には必須です。

その先に正しい補綴治療も存在します。
歯の局所に病原因子である細菌を放置したままでは正しい治療は行えません。




◎まとめ

重要な事:当院では上に描いた様な治療し直しや窩洞を修整して印象採得しセラミックなどでの再治療も頻繁に行っています。
他院で治療し直して来院された方の中には精度不良の保険インレーで再び雑な治療を受けて以前同様に脱落や歯痛を併発して来院される方もいます。

そういった前医はう蝕治療の基本が理解出来ていないので再び雑なう蝕治療で患者さんを苦しめているのです。不良な治療を日常的に行い続ける多くの歯科医には正しい治療し直しはできません。
実は治療し直しは1番難しい治療分野です。

見識ある良医へ治療し直しを依頼しない限り再び同じ轍を踏むことになります。


☆☆☆
ご家庭にお子さんがいる方は、お子さんにこのような不良な金属インレーを街の歯科医に何のことわりも無く治療されないように、お気を付け下さい。
削って治療された歯は戻りません。絶対に可愛いお子さんにはこのような不良治療(9割以上の歯科医院で平気で行われています)は避けるようにして下さい。

危険な歯科治療を避けて是非、治療し直しや正しいう蝕治療は麴町アベニューデンタルオフィスへ!

お問い合わせ下さい。
*当院は電話予約のみです。ネット経由ではお受けしていません。


*治療の詳細は診察をしていない状況ではお答えできません、まずはご来院下さい。
自費カウンセリング(歯科治療相談と説明)も行っていますのでご利用下さい。









2015年10月22日


以前から成人歯科矯正には注意するように当院は注意を促していましたが、また初診患者さんに成人歯科矯正を受けたという方が来院してレントゲンを撮ってみたら下のような状態でした。

この患者さんご本人も訴えているように口腔内全体の歯茎が異様に退縮して歯の動揺が病的な状態になり不安で仕方がない状況です。ハッキリいえば歯周病治療も行わないまま着手された不良な成人歯科矯正で医原性疾患としての骨吸収と咀嚼不良と根面う蝕まで生じています。

また二次的に露出した歯根に多くの根面う蝕まで発症して臼歯部ではこれによって歯髄が失活している箇所もあります。

全て担当した矯正医の学問的認識不足や責任感の無さに因り起された医原性疾患です。

患者さんの言では担当医は海外留学先で矯正治療を勉強した方だと聞いて確かな知識がある先生だと思って受診したそうです。

残念なことに私の周囲でも留学云々といったことを語っていてもトンデモナイ治療をする先生が沢山存在しています。
海外留学した先生が必ずしも良い臨床家だという保証はありませんから騙されないようにすべきです。

harada_tomoko2.jpg


特に下顎前歯部の状況がこの患者さんの医原性疾患を明確に現しています。
すなわち、写真のように下顎前歯部の骨の支持が約半分にまで減少しています(白線の間が吸収した量です;数ミリ〜1センチ弱の吸収)。
矯正医は保定を兼ねてスーパーボンドによってこれ等の歯を固定したそうですが、吸収した大切な歯槽骨の支えはもう戻りません。

結果的に重度歯周炎の治療をした後と同様な状況に歯周炎の下での歯科矯正によって大切な歯の支えになるはずの歯槽骨を人為的に失わせてしまったことになります。
トンデモナイ歯科医原性疾患をその矯正医が人為的に作ってしまったわけです。


harada_tomoko3.jpg

歯周病治療を済ませていない状態で歯科矯正治療した際に見られる典型像の一つの根分岐部病変がこのケースでも下顎大臼歯部に認められました(白矢印部:歯根の又の部分)。

矯正治療の動的期間に歯肉縁上のコントロールの徹底をしないと歯牙移動の最中に歯肉縁上のプラークを歯肉縁下にまきこんでしまうことがあります。よって動的期間中は医院でのクリーニングやセルフケアの重要性は常識のはずです。しかし患者さんによれば、全くそのようなケアをすることも無かったらしいのです。
更に動的期間の後のメインテナンスも無かったようで、無責任な不良な矯正治療にもかかわらずお金だけ矯正医は患者さんへ請求していたことになります。一般の業種なら法的には詐欺です。
換言すれば、医原性疾患を高いお金を払って買っているような状況です。


harada_tomoko のコピー.jpg

根分岐部病変は歯周病治療で最も厄介で治療が難しい欠損ですから、これが進行したら大臼歯の保存が脅かされることになります。

まとめ:

いつも私が書いているように歯科治療は担当の歯科医師(歯科医院)の選択で全て決まります。
歯科医のプロフィールや学問的見識の確かさ、ポリシーや素性を知ってから吟味しましょう。
最低限、カウンセリング時に良心的歯科医か否か確かめるくらいの慎重さが矯正治療前には必要です。

矯正に当たっては歯周病治療を行わないで動的治療をするような矯正の先生は止めた方が良いことは上の様な理由からお解りになるだろうと思います。
また動的期間のケアの方法や矯正医がそれを行うのか?それとも他院へ依頼してくれるのかなど事前に聞いておくことが必要です。これ等のケアが無ければその矯正医は受診すべきレベルにありません。
けしてこの症例のように矯正医に騙されないようにご注意下さい。

矯正前や矯正の動的期間中のクリーニングケアやう蝕治療は当院でもお受けしています。
また成人歯科矯正をお受けになった方は当院で術後の歯周病学的ケアをお受け下さい。
お問い合わせ下さい。










2015年10月15日


先日、カウンセリングにある医療関係者(医師)Nさんが来院された。私のオフィスをSNSで知って私の医院webや院長ブログをお読みになり当オフィスの姿勢に共鳴されて来院した方です。

Nさんは学生時代に歯科矯正を受けた経験があったそうですが、そのため歯列は比較的きれいです。

しかし全顎のレントゲン写真(パノラマ画像)を撮影して、その治療内容に驚きました。


N.MBlog.jpg

全顎のパノラマ画像:歯科的問題が沢山存在する口腔内です。




◎大きなエンドーペリオ病変(下顎右側第一小臼歯部):


今回の症例でたまたまEndo-perio病変に遭遇したので、それについて説明します。
歯周病と歯内療法の両方が上手くいかないとこのような厄介な病変に進展することを知っておくのも歯科医として必要なことです。

Endo-perioーfig1.jpg

上の図をご覧下さい(左:模式図は犬歯側から見た際の像としてご覧下さい)。

下顎右側第一小臼歯部には根尖から拡大する大きな病巣が存在します(右:レントゲン像参照)。

ただの病巣では無く口腔内の診査で歯周ポケットから根尖病巣まで連続して破壊が連結している事が確認できました。

第一小臼歯(4番)は隣の第二小臼歯(5番)や第一大臼歯(6番)も含めてセラモメタルクラウン(金属焼き付け陶材冠)の連結冠が装着されていますが根管充填されていて根管治療の形跡があります。
歯内療法の感染根管治療で根尖病巣が治らなかったのか、もしくは不完全な抜髄で二次的に根尖病巣を作り併せて歯周病治療を行わなかったために深いポケットを形成し根尖病巣と連続してしまったらしいと想像できます。

すなわち、いわゆる"エンドーペリオ病変"という根管由来の病巣と歯周病の病巣とが交通してしまった難治性の状況を作っています(模式図参照)。

とにかくNさんの言では一度も歯周病治療を受けていなかったようで全顎的に易出血性で一部には排膿もある全顎的に中等度歯周炎に罹患しています。







◎上顎前歯部は何故抜髄されたのか:
    〜根拠無く抜髄して補綴する日本の臨床医の危険な典型例


抜髄.jpg

レントゲン像で解るように上顎前歯部は一様に抜髄され、根管充填された後に歯冠がセラモメタルクラウンで補綴されています。

とにかく日本では歯科保存学(歯周病学,歯内療法学やう蝕治療学など)を正しく勉強していない歯科医は前歯部補綴の際は根拠無く抜髄して補綴する先生が21世紀になっても多いようです。

更にこの症例では歯質が割れるほど大きな築造物(レジン系コアか?)を挿入し実際に歯が割れている箇所もありそうです。
何故か歯科保存学が解らない先生ほど補綴で必要以上に太い築造(土台)を装着し歯を割ってしまう傾向があります。これは審美歯科などという造語を医院の看板にしている安易な先生方にも多い過ちです。

Nさんを治療した前医は治療の仕方(治療法のノウハウ)だけは色々学んでいるような形跡があります。
しかし全体的な臨床的かつ学問的正当性などのバランスが尽く悪いと言えます。
実は現在の日本の歯科医はそういった表面的治療方法のノウハウを講習会で得て、やたらに根拠無く歯に侵襲性の大きい治療を行って歯を壊すような治療を行い続けている先生が多い。
そのような危険な自費治療で高額な自費治療費を得ているのが恐ろしい歯科界の一部の傾向です。

歯の寿命を縮めるのはこういった歯科医の臨床的思慮深さの欠如に因ります。
たぶん上顎前歯も抜髄しなければ安全でより長持ちすることでしょう。

抜髄して無髄にしなければ歯冠補綴物装着後に失活(神経が死ぬ)して困ると先生方が考えているフシもありますが、歯髄へダメージがあるような精度が悪い補綴物しか治療した経験がない先生方の勘違いです(=日本では治療精度の重要性の認識が無さ過ぎます)。

確かに希に有髄のまま歯冠形成する際に露髄し抜髄を余儀なくされることはありますが、多くの場合には、このNさんのように矯正で歯軸がそろった症例では有髄(歯髄がある状態)で形成して補綴治療できるはずです。

cf.ここで比較のために、私が歯周補綴で多くの歯を有髄のまま歯冠補綴した全顎症例を参照して下さい。このケースでは有髄のまま保存して歯周病専門医の世界標準のオーセンティックで安全な方法論を採れました。

Nさんにお聞きしても歯科医からの根拠の説明も無くラバーダム防湿法も使わないで術野の清潔性の確保も無い状態で全て抜髄と根管充填など歯内療法の処置を受けたそうです。

レントゲンを良くご覧になれば根尖に既に根尖病巣が出来ている箇所も解ると思います。
これは典型的な根拠が不明な抜髄で根管を感染させた事に因る医原性疾患だと換言できます。

先に言及したエンドーペリオ病変も根拠が無い抜髄で根尖病巣を作ったという同様(医原性疾患)の問題が存在すると思います。



◎残存歯に歯周病治療しないでのインプラント埋入は絶対禁忌:
〜日本の歯科医の典型的過失事例とインプラント周囲炎

peri-implantitisBlog-Fig.jpg

下顎左側第一大臼歯相当部のインプラント周囲にはインプラント周囲炎が併発しています。
周囲から排膿をして深い歯槽骨の欠損(白ライン部=欠損)が生じています。

歯周病やう蝕病巣等の感染叢を放置したままで口腔内にインプラントを埋入する事は絶対に許されない程の禁忌症です。

口腔内はもちろん細菌が沢山棲息していますが歯周病の病巣が存在すれば、そのポケットから歯周病原性菌が唾液を介してインプラント周囲へも移動してゆきます。
よって容易にインプラント周囲でインプラント周囲炎が発症する事は想像できます。
これはインプラントトロジーにおける学問的常識です。

すなわちこの症例のように歯周病治療を終えないでインプラントを同一口腔へ埋入する事は歯科医の重大な過失です。
米国なら数万ドルの慰謝料がとれる法的意味合いでの過失事項です。
しかし皆さんに注意して頂きたいのは、日本では多くのインプラント症例で歯周病治療がなされないもしくは、不完全なままインプラントが埋入されているのが現状です。
私のオフィスに来院する患者さんも歯周治療されていないままインプラント治療されている方が多い傾向があります。



まとめ:

このNさんは現役医師ですから充分に歯内療法でのラバーダム防湿法さえ使用しない術野の清潔性の不確実性や根拠無き治療に知的判断ができる方ですが、このように医原性疾患の多重債務のような治療を受けてしまったわけです。

患者が知識有る医師でも平気でそういった医原性疾患を歯科医が負わせるのだからこの歯科医は頭がどうかしています。
いわんや、素人の患者さんではどれだけの不誠実な治療を被っているかと想像するだけで恐ろしい気がします。

ここで私が言いたいことは、私のブログや医院webで書いているようなチェックポイントを知り
ある程度の知識を持ち良い歯科医療を受けられるような知的勘を養っていただきたいといった事です。日本では患者側で身を守らなければトンデモナイ医原性疾患を被ってしまいます。

この症例のように倫理的真っ当な臨床をしていない危険な状況に騙されないようにして下さい。多くの歯科医が残念ながら患者の歯の予後や患者の事を全くといってよいほど考えていないのです。

全て、歯科治療の成功は医院選択(歯科医の選択)で決まります。


以上。
麴町アベニューデンタルオフィス院長


インプラントが埋入されていて歯周病治療を受けていないで,特にメインテナンスさえしていない方
また過去に受けた治療に不審な点がある方、治療し直しをお考えの方、歯科治療関連の相談(カウンセリング)一般やセカンドオピニオンもお請けしています。
お問い合わせ下さい。











2015年10月 8日


臨床写真を整理していたら、以前治療したある補綴ケースにラボワークも記録があった事を思い出しました。ここでは技工過程の画像も示します。手間のかかる技工過程の概略を知ってその価値をご理解頂くための参考になれば幸いです。
よく患者さんからこういったセラミック冠の価値や値段の根拠が解らないと仰る方が多いので、このような簡単な画像だけですが、ご理解頂けたらと思います。

◎簡単に症例の解説:


この患者さんは30代の女性で主に上顎前歯部と未治療のう蝕病巣による審美障害を主訴に来院されました。

術前前歯部.jpg


上顎左側側切歯は失活(歯髄が死んだ)していたので歯内療法(根管治療⇒支台築造)を行いました。
上顎左側中切歯はレジン冠(辺縁部で不適合)が装着されていました。
また上顎右側中切歯と側切歯は不良なコンポジットレジン充填が成されていました。

OY術前.jpg

上の五枚の画像が口腔内の全体像です。
臼歯部では古い充填物が幾本か咬合面に認められます。
また歯冠部に黒いう蝕病巣が治療しないまま放置されていました。


◎技工過程 :


歯周病治療を済ませて、歯周組織の良い状態になったら、前歯部の補綴のためにシリコン系(ポリシロキサン)親水性精密印象剤で印象を取りました。
この印象に石膏を流し込み技工のための上下顎作業模型を作製して咬合器と呼ばれる機械にマウントして技工作業が始まります。


作業模型(ブログ).jpg

上の画像が作業模型を咬合器にマウントした後の状態のアップ画像です。
写真では写っていませんが咬合器上で口の中と同じ噛み合わせで咬合運動を再現して技工物を作製します。


技工過程1.jpg


前歯部の形成された部分は個別に4つのダイ模型(細い模型)で各々にフィットする赤いワックス製の冠を作ります(ワックスのカタチが金属に置き換わります)。

今回はこれら四つの金属冠に陶材を七宝細工と同様に焼き付けて作製します。
冠作製のためにワックスで外形を作り⇒これを鋳造して金属冠を作ります。

⇒まず金属色を遮断する層(オフホワイトの層)を金属に塗布しています

⇒その上に象牙質やエナメル質に該当する透明度や質感を得る為の専用の陶材を筆で盛り上げてゆきます。
 *セラミックの歯は単調な白い歯ということではなく、解剖学的な層も意識してより本物の歯に近い質感まで出来るだけ近い状態に作製しています。この点が通常の仮歯等との質感の面で全く異なる理由です。

*ただ焼き上げるまでは最終的な色や質感は出ていません(技工士さんはそれが予想出来る)

⇒陶材を盛り上げたモノを炉に入れて焼きます。焼き上げると最初はつや消し状態の白い歯が出来てきます。

⇒更に表面の形態等を付与して再度焼き上げます

⇒艶の出たセラモメタル冠が出来上がります。

⇒セラモメタル冠の裏側は今回は先端側1/3はセラミックでより歯肉側の2/3は金属を残して下顎前歯と金属部で咬合してセラミックの破折を防止する安全なメタルフレームの設計にしました。


◎補綴治療完了


術後前歯.jpg

作製したセラモメタルクラウンをセメントで合着した後、前歯部は美しく健康的な状態です。


OY術前術後白バック.jpg


術前と術後の比較で、主訴の審美障害の治療が達成されたことが解ります。

また今回は黒いう蝕病巣は全てコンポジットレジン(CR)でキレイに修復治療しています。
現在の歯科材料学的レベルからいえば、深在う蝕でも適切な処理をすれば、全く充填処置されたように見えない美しい修復が可能です。

CRでキレイに修復できるのなら積極的にCR充填でう蝕治療して、いわゆるオーバートリートメントにならないコストパフォーマンスが良い適切で低侵襲のう蝕治療が可能です。

もちろんう蝕病巣がある歯にクラウンを装着する事も可能ですが、治療費や機械的侵襲の大きさが適切な治療根拠をオーバーする⇒過剰診療になり得るので、可能な限り侵襲が少なく治療費も節約できて合理的です。

このケースは上顎4前歯以外はCR充填を利用して主訴の審美障害を解決できました。


◎補綴治療は総合的なバランスの良い治療が求められる

 昨今、歯科界は自費治療のネタとして軽薄な程「審美歯科」という造語を多用して患者が望む美容志向に迎合した治療方針で安易に補綴治療する傾向があります
この点には、患者さんの側で注意が必要です。

初診患者の過去の治療に歯周病や歯内療法を適切にしないでセラミック系補綴物だけ装着されている気の毒な症例に度々遭遇しています。

そういった軽薄な治療行為で最も多い問題が歯内療法の不良で歯肉が腫れて来院するケースです。不必要な抜髄で感染根管を歯科医が作ってしまったケースが殆どです(医原性疾患)。

また、未だに日本の歯科医は前歯部補綴は抜髄(神経を抜いて)してから行わなければいけないと間違った考え方をする先生が多いのが現状です。
たぶん、保存関連で正しく勉強をしていない先生達だと思います。歯科医の現状を知らない患者さんが被害を被っていることを知り皆さんは良い先生に受診すべきです。

私は、目に見えない箇所の治療(歯内療法・歯周病治療)をシッカリやることを信条に上の様な概念を大切に治療しています。
私のオフィスでは安心出来る補綴治療で治療のし直しをお受けしています。


お問い合わせは麴町アベニューデンタルオフィスまで!


 

 


 

 

 

 


 

 


 


 


 


 

2015年9月24日



○ドクターショッピングって何だ?


ドクターショッピング(Doctor shopping)という言葉の概念は、特に歯科医院選択に困っている皆さんに覚えておいて頂きたいと思います。
簡単に言えば医療機関を次々に替えて、もしくは一つの医院にキッチリと通院しないまま同時に複数の医院に受診するような事です。
歯科領域でも今正にDoctor shoppingをし続ける方が増えています。

私のオフィスでは多くの方がカウンセリングやセカンドオピニオンに首都圏のみならず遠方からもおいでになっています。
カウンセリングは1時間枠で予約をお取りして実際にはそれ以上の時間を費やすことも多く患者さんが治療概念をご理解頂けるように充分な時間的余裕を割いて説明をしています。

おいで頂いた方で一部には、患者さんが勝手に見当違いの事を間髪入れずに話すだけで我々の話を遮って全く話を聞いていない明らかに受診姿勢が誤っている患者さんもいますが、それは例外的で殆どの患者さんは一様に良く説明をお聞きになってご理解頂いたような状況でお帰りになります。

しかしこの頃、その後治療すべき状況を充分理解しているはずの方が治療の根拠や必要性を全く理解していないことが良くあります。以前はそのようなコトが希でしたが受診傾向がかなり異なってきました。もちろん経済状況も影響するでしょうが、そういった事ではないレベルの違いを感じます。

つまり、そういった患者さんは私の説明を聞いて「解りました・そうですね」などと相づちをシッカリうち肯き(うなずき)ながら聞いていても、全く実際には聞いてもいないし話の内容を理解していないことが明確に解ります。


ードクターショッピングも女性が多いー


このような傾向は殆どが男性ではなく女性患者さんです。
理解してもいない事に平気で相づちや肯く(うなずく)ことが我々男性には理解し難いことです。
これはすなわち、脳科学的な問題で男性脳と女性脳の違いと解せます。
「女性は全く話を聞いていなくても聞いているふりをして相づちや返事さえし聞き流すことが出来る」と脳科学者も指摘しています。

男性ではこれは非常に難しい事です。
肯く(うなずく)ことはボディラングウェッジ(body language)で無意識のうちに行われる本人の正直な考えや感情の言葉以外の意思表示(non-verval comyunication)です。
よって心にもない意思表示や同意できない事に肯き(いなずき)聞いたふりをする事は少なくとも女性特有の能力とも言えるかも知れません。そしてカウンセリングの目的である良い治療を受ける目的からすれば大きなマイナスに成り得ます。

せっかくカウンセリングにおいでになったのですから、わからない事や同意できないことは正直に仰って下さい。医療機関は近所付き合いのような義理や"愛想"を心配する必要がありませんから、正直になって下さい。そうでなければカウンセリングにおいで頂いた意味がありません。


また、言い方を変えればカウンセリング希望者にはDoctor shoppingするタイプの方々が多いとも言えます。実際,他の医院でも話を聞いてきたと仰る方もいます。
元々患者さん自身が勝手にある疾患だと思い込み希望する治療方法まで指定している事が多いのが現実です。そしてその希望に合致した話をしてくれる歯科医を探して来院する患者さんが多いようです。
必然的にそのような患者さんの母集団にDoctor shoppingする集団が重なり易いはずで⇒殆どは女性患者さんです。
カウンセリングは良い治療を受けるためには必要な場合があります。ですから正しく利用して頂きたいと我々は切に願っています。

カウンセリングを受けて自身の認識の誤りを気づけたら、カウンセリングの目的の基本は達成された事になりますが、そういったことに気づかないままならカウンセリングに来院された意味はありません。
患者さんの見当違いや勝手な妄想に近いことが科学的根拠が有る場合は必ずしも多くはないと思われます。よって過ちを認識出来ない場合には更にその患者さんがDoctor shoppingし続けることになります。

このように出会える可能性がないモノを追い求めるのでDoctor shoppingは別名「青い鳥症候群」とも呼ばれますが、心理学的な側面から言えば一種の精神的傾向が存在する可能性があります。
現に、そういった患者さんの場合には不定愁訴を訴えることも多くコミュニケーション上の特徴から、ある種の特徴ある精神的傾向があります。

必然的にDoctor shoppingする患者さんは一度もまともな治療を受ける機会に出会えない方も多いと思います。

とにかく、カウンセリング等に来院された時には疾患を治療すべき理屈を良く理解して下さい。
患者さんも我々プロの指摘を真摯に聞く耳を持つようにして下さい。



○歯科界の問題

日本中で多くの方々がDoctor shoppingに走る背景には歯科医療への不信感や実際に歯科医が信頼されるに足る歯科治療を行っていない現状が背景にあることは想像に難くありません。


以前から有名な自家製の3種抗生物質パウダー混合剤を用いた3MiX-mp法抗真菌剤を使用した歯周病治療法など歯科界で問題視される有名な根拠が怪しく、もしくは根拠無き治療方法です。これ等で治らない場合に歯髄炎を併発したり,歯周病の治癒に至らず私のオフィスに来院される事もあります。


このように科学的根拠ある適切な治療をしないで治療費をもらっていることはすなわちウソをつき平気で治療費を患者さんから受けとっていることが歯科界での一側面であり実情です。
歯科界では患者さんが素人故にこういったウソがある程度まかり通っています。こういった詐欺的行為が日本全国で行われているので患者さんの不信感を増すことは至極当然です。

歯科界への不信が増す今こそ,歯科医師はもう少し真摯に倫理観をもつべきです。
我々歯科医師の倫理的覚醒が不可欠です。

*麹町アベニューデンタルオフィスでは カウンセリング(歯科相談)やセカンドオピニオンを行っています(歯科相談やセカンドオピニオンは保険給付外です,自費1万円で行っています)。ご予約・お問い合わせ下さい。


 


 


 


 


 

2015年8月25日

喫煙と肺がんに関するブログ記事を先日書いたら、反響が大きくて患者さんから問い合わせがありましたので、歯周病学的な見地で少し補足します。


喫煙と歯周病:

喫煙と歯周病の関係は世界中で沢山の研究が報告されています。

まず、喫煙(タバコ)は歯周病患者の歯周病の治癒を阻害させ進行させるリスクファクター(増悪因子)です。

しかし喫煙は増悪因子であっても歯周病の原因ではありません。
よって歯周病菌が歯周ポケット内に存在して歯周炎に罹患している時に喫煙が問題になります。

*今回は混乱するためにグラフを掲載しません。

多くの研究で明らかなように喫煙者は非喫煙者に比べ歯周病治療をした後に再発リスクが高くなることもコンセンサスです。
ですから安全で歯周病再発を起こさないためには禁煙すべきです。

・・・
私のオフィスでは原則的に歯周病治療をする際には禁煙して頂く事を条件としています。
もちろん歯周病治療で治癒を阻害するからです。

(歯石と歯垢)を徹底的に歯周ポケット内から除去することで歯周病を治療します。
治癒過程では喫煙(タバコ由来のニコチンなどの物質)により免疫細胞などに影響を受けて、創傷治癒も阻害されることが解っています。

・・・歯周病の治療が終わってからある条件では喫煙も可能ですが・・・・


世界中の沢山の研究で明らかなことは:

歯周病治療を受けた患者さんは積極的な機械的清掃のスケーリング&ルートプレーニング(SRP)だけもSRPに歯周外科を併せて行った場合でも、プラークコントロールがよく3ヶ月に1度の定期検査を励行した患者さんでは喫煙者でも治癒後に悪化する事が殆ど無い傾向が解っています。

すなわち、プラークコントロールが良く定期検査を正しく受ければ、歯周病学的健康を維持出来るという研究が一般的に明らかです。

もちろん喫煙者は非喫煙者に比べ歯周病治療をしても再発リスクが高いこともコンセンサスです。
厳密な歯周病学的コントロールが無いと喫煙者は又以前のような歯周病に戻ってしまいますが、徹底したコントロールを日々励行し定期検査に必ず来院される患者さんは喫煙しても口腔内の健康状態を維持する事が可能です。

私のオフィスでも上の様な条件で高度にコントロールをされている方は愛煙家でも歯周病の再発など起きていませんし、良い状態を維持出来ています。


先日のブログで言及したとおり、愛煙家の方でも上の様に喫煙は可能です。
このように愛煙家の方にも歯周病治療が一応済んだ後は個人レベルの嗜好である喫煙をする自由を行使して頂いています。
私は敢えて勧めてはいませんが、個人の責任で行ってもかまわないと説明しています。


患者さんが科学的根拠を知って、適切に愛煙家としての嗜好を楽しむ事を選択できることがすなわち"大人の考え方" で "大人の選択"です。


愛煙家の方は歯周病治療をお受け下さい


愛煙家の方は是非,ご来院頂き歯周病治療を受けて頂きたいと思います。
歯周病学的治療を経験していない一般の喫煙者の方は非喫煙に比べ平均すると歯周病が進行している率が高いのが一般的傾向です。

歯周病を進行させるリスクファクターの喫煙を続けていれば歯周病は知らない間に進行しています。

愛煙家の方は上に言及したように歯周病管理下で喫煙を続ける事をお考え下さい。
歯周病学的バックアップは私のオフィスにお任せ下さい。

アナタも大人の愛煙家としての選択をされてはいかがでしょうか?


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麹町アベニューデンタルオフィス 麹町アベニューデンタルオフィス 院長 戸村真一

麹町アベニューデンタルオフィス
院長 戸村真一

こんにちは、麹町アベニューデンタルオフィス院長 戸村 真一です。

街の歯科医院へ行くと感じる嫌な感覚を皆様が受けないような雰囲気にしました。 スカンジナビアン調に私自らがエントランスから室内の隅々に至るまでデザインし、 患者さんがリラックスできる清潔で清々しいセンス溢れる空間をご用意しました。

 巷の歯科治療の嫌な記憶を思い出すことのない快適な環境でお持ちしております。気持ちよく治療をお受け下さい。

日本の医療機関のホスピタリティーは低くセンスが感じられないのが現状です。 当院の室内環境は、私の診療哲学の現れです。 また、私のオフィスでは正しく丁寧に本当の歯科治療を致します。 正に、日本の酷い歯科医療のアンチテーゼを具現したのが私のオフィスです。